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「おもしろさ」を活かしてビジネスをもっと円滑に!コミュニケーション術

「おもしろさ」を活かしてビジネスをもっと円滑に!コミュニケーション術

ビジネスの場においてコミュニケーション能力は、なくてはならないもの。相手に「おもしろい人」と思ってもらうことができれば、さらなるビジネスチャンスにつながります。「一般社団法人社会人お笑い協会」の代表理事である中村 岳人さんに、ビジネスにおける「おもしろさ」の取り入れ方について伺いました

記事監修/中村 岳人(ナカムラ ガクト)さん
立命館大学時代にM-1グランプリに出場。卒業後は人事・採用領域のコンサルティング会社に入社。その後、ITスタートアップ企業に転職。在籍中に一般社団法人五反田バレーを設立し、代表理事に就任。同時期に社会人お笑いサークルを立ち上げ、その後一般社団法人社会人お笑い協会を友人と共同で設立、代表理事に就任。現在は株式会社ハイウェイのCo-founder COOを務めながら、脳内エンドルフィン、麻酔犬などのコンビで漫才の活動も行っている。M-1グランプリ2018 一回戦突破。

今より“ちょっとだけ”おもしろい社会人になるためにできること

面接シーンでの一幕を想像してみましょう。自分の経歴や志望動機をマニュアル通りに淡々と説明する人と、同じ内容をユーモアを交えながら説明する人。ふたりとも同じような実績である場合に、どちらを採用したいと思いますか?多くの人はユーモアのある人を選ぶのではないでしょうか。もちろんビジネスシーンなのでマナーは重要ですが、そればかりでは面接官も飽きてしまいます。

おもしろい会話は、人を惹きつけ、話題への関与度を上げるための重要なファクター。ビジネスにおいては、面接の場面をはじめ、商談や社内でも、ある程度距離感がある相手と話をする機会は往々にしてあります。そんな時、相手に「おもしろい人だな」という印象を持ってもらうことには大きな意義があります。その場の緊張がほぐれるだけでなく、相手に「また会いたい。あの人と仕事がしたい」と思ってもらえる。その結果としてビジネスにおいてさまざまなシーンでポジティブな効果が生まれます。

おもしろさ≠センス お笑いの規則性を話に取り入れる!

どうすればユーモアを交えた「おもしろい話」ができるのでしょうか。センスや才能がなければおもしろい話はできない、と考えているかたも多いかもしれませんが、そんなことはありません。実は、「お笑い」の規則性(ルール)を取り入れることで、誰でも気軽におもしろい話をすることができるのです。

お笑いの世界では、テレビや舞台などそれぞれの舞台に応じて尺が決まっている中でいかに会場を沸かすかということが大事になってきますので、極端な表現をコンマ数秒単位で矢継ぎ早に繰り出します。それはプロならではの芸当ではありますが、会話のなかに極端な表現を交えること自体は、初心者でも実践できると思いませんか?

会話のなかでも、「説明するとき」、そして「リアクションをするとき」。これが極端な表現を盛り込んでユーモアを発揮する最大のチャンスです。「誇張・比喩・ウソ」を説明やリアクションに掛け合わせてみましょう。

・誇張 × 説明・リアクション −大げさに説明・反応をする
例:(取引先に訪問したとき)今日は○○さんに会うためだけに来ました!

・比喩 × 説明・リアクション −例えて説明・反応する
例:(相手の活躍を褒めるとき)WBCの大谷並みの活躍じゃないですか!

・ウソ × 説明・リアクション −本当は思ってもいない説明・反応をする
例:(残業しなければならない仕事を振られたとき)ちょうど残業したかったんですよ~

相手から「いやいや笑」とツッコミが入ればしめたもの。会話のアイスブレイクにもつながります。

気を付けるべきポイント

上記の内容を実践するうえで気をつけて頂きたいポイントをいくつか見ていきます。

・NG行為

ズバリ、「悪口」はNG行為です。本人にとっては「イジリ」のつもりでも、相手の尊厳が傷つく可能性も。たとえ自分がおもしろい話題だと思っても、話題にするのは避けましょう。

また、お笑いの要素を取り入れるにしても、「シュールネタ」は相手に伝わるかが微妙なところなのでやめておくのが無難。ビジネスの場ではさまざまな立場の人の共感を得る必要があります。置いていかれる人を作らないためにも、笑っていいのかわからないような微妙な内容ではなく、わかりやすい表現を選びましょう。

・自分の印象や見た目、立場を踏まえて発言する

誰がどんなトーンで発言したかでユーモアの効果は大きく変わります。例えば普段バリバリと仕事をこなす人がビジネスにおける失敗談をおもしろおかしく話すとします。すると場の緊張がほぐれるだけでなく、周りの人も失敗することを受け入れやすくなる効果も生まれます。一方これを入社したばかりの新人が同じように職場での失敗談をおもしろおかしく披露するとどうなるか。自分の失敗を反省していないのか?と思われてしまうことにつながってしまうかもしれず、かなりのリスクが伴うことに。

・楽しませようということが相手にとって明確である

「冗談を交えている」ということが相手に確実に伝わることも大切です。先ほどの「誇張・比喩・ウソ」も、大げさなトーンにしなければ相手にとってはそれが冗談なのか本気なのかが伝わらず、笑っていいのかどうか迷わせてしまうことに。相手が「いやいやそれはないでしょ!」と気持ちよく返せるような表現を選ぶのがコツです。

まずは周りの人と、ワークショップに取り組んでみよう!

いきなり実践してみるのは少しためらいがある、というかたも多いはず。そこで中村さんが提案するのが、職場内でワークショップを開催すること。失敗OKという場があれば、どのように話を組み立てればいいのかなど、実際の感覚が掴みやすくなると思います。

最近あったうれしかったことを話す

自分の印象を改めて把握したところで、いよいよ「おもしろく話す」実践編。「最近あったうれしかったこと」を、「誇張・比喩・ウソ」をとりまぜながらパートナーと話し合いましょう。もともとポジティブなトピックなので気負わず、何がうれしかったのかを相手に伝えたい!と思うことがスタート地点。うまく伝わらず微妙なリアクションが返ってきたら、むしろ次回に生かすチャンスと捉えましょう。

まとめ

繰り返しになりますが、「おもしろい話をする」ことは決して難しいことではありません。「周りを楽しませたい!共感したい!」という思いをベースに、普段の表現を少し意識しなおしてみましょう。話す内容や相手に対するリアクションの幅は自然と増えていくはずです。活気のあるコミュニケーションで、ビジネスの場をもっと楽しく、豊かなものにしてみませんか?

中村さん率いる社会人お笑い協会では、ビジネス向けの研修やワークショップも行っています。ご興味をお持ちのかたはぜひこちらから。

文:ミカタ エリ

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