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【イベントレポート】FARFETCH VPのAlexis氏が語る「中国マーケットで必要なビジネスマインド」

【イベントレポート】FARFETCH VPのAlexis氏が語る「中国マーケットで必要なビジネスマインド」

2023年5月18日(木)、NESTBOWLと世界最大級のラグジュアリーファッションのオンラインプラットフォームであるFARFETCHは、招待制ネットワーキングイベントを共催。会場となったFARFETCHの東京オフィスには、ファッション、ラグジュアリー、テクノロジー、メディア関連で働く、約50名の経営者やマネジメント層の方々が来場しました。イベントの前半には、ゲストスピーカーとしてFARFETCH VPのAlexis Bonhomme氏が登壇し、トークセッションを行いました。そして後半のネットワーキングタイムでは、Bonhomme氏や来場者同士との交流を、FARFETCHがグローバルに展開する事業をイメージした様々な国のフュージョン料理や、各国を代表するシャンパーニュ、ワイン、日本酒などのお酒、カクテル、ソフトドリンクなどを片手にお楽しみいただきました。本記事では、FARFETCH VPのAlexis Bonhomme氏のトークセッションの内容をお届けします。

Alexis Bonhomme氏/VP of Global Industry Partnerships & APAC Commercial, FARFETCH
上海在住の起業家兼グローバルエグゼクティブ。ラグジュアリー分野における企業戦略やテクノロジーが強み。CuriosityChina社をJudy Liu氏と共同で設立し、同社を2018年にFARFETCHに売却後、FARFETCHの中国及びアジア太平洋地域における事業戦略担当の副社長に就任。近年は、全社の副社長としてFARFETCHの世界全体のパートナーシップ業務を担当。

日本の漫画、空手に夢中だった子ども時代

私は1980年代にフランス・パリで生まれ育ちました。当時、フランスでは日本の漫画「キャプテン翼」が人気で、私も子どもの頃は夢中で読んでいました。フランスの故・シラク大統領が大変な親日家だったことも影響してか、フランスではほかにも日本の大相撲や伝統文化が広まっていましたね。私と日本との関わりで言うと、大きなものがもうひとつあります。それは、6歳から17歳まで習っていた空手です。週に5回も道場に通うほど熱心に取り組んでいて、トレーニングの一環で、日本を訪れたこともあるくらいです。空手は、私にとって本当に素晴らしい体験でした。

日本文化と深い交わりがあった幼少期の話をするAlexis氏

大手法律事務所に勤務、そして中国・大手IT企業へ転職

20代前半、私は弁護士を目指してロースクールへ通っていました。そして卒業後は、フランスの大手法律事務所に就職し、特許や知的財産を扱う仕事をしていました。その法律事務所は、中国・北京にも支社があり、私は中国についてそこまで詳しくありませんでしたが、大きなビジネスチャンスがあるのかもしれないと感じるようになりました。その後、色々な事情やタイミングが重なった2011年、北京へと転勤することになったのです。

中国に渡ってから、人生は激変。中国の大手IT企業から、転職の誘いを受けたのです。当時、その企業には300名くらいの従業員がいて、みんなTシャツにジーンズ姿でパソコンに向かっていて、その光景がとても印象的でした。私は次第にインターナショナルカンパニーで働いてみたいと思うようになり、転職を決めました。

待っていたのは、カオスで戦場のような毎日

実はその企業での面接のあと、私の上司になるであろう方とランチを共にしたんです。彼は、「いま勤めている法律事務所では、いくら位給料をもらっているのか、ここに書いてください」とペーパーナプキンを差し出しました。私は、実際より少し多めの金額を書いて渡しました。すると彼はその数字をほとんど見もせず、大きな×印を書き、「最初はこの半分の給料で働いてもらいます。ただ、3か月後はこの倍に引き上げます」と言うのです。これには驚き、なんと乱暴なやり方だろうと感じました。とても悩みましたが、当時は独身で、養う家族もいなければローンもない状況。出費は最低限で済む生活だったんです。そこで、大手IT企業にチャレンジしてみることにしました。

大手IT企業への転職後は、とてもカオスでまるで戦場のような日々が待っていました。中国には、「996」という働き方があります。これは、朝9時から夜9時まで、週6日働くという意味です。日本人も長時間働きますが、中国はきっとそれ以上だと思います。

働き始めて3ヵ月が経ち、私は上司に、あのランチでの会話にあった給料引き上げの件を話しました。すると彼から返ってきたのは、「それは3ヵ月前の話で、今は状況が変わったのでそれは難しい」という言葉(!)。そんなやりとりも含め、私は中国の企業で働くとはどういうことなのかを学びました。中国でのビジネスのやり方、契約のあり方、デジタルeコマース、エコシステム……とにかく、たくさん学ぶことができたと思っています。

大手IT企業を退職して起業、そしてFARFETCHと共に歩み始める

大手IT企業を退職後の2013年、妻とともに、IT企業・CuriostyChina (キュリオシティチャイナ) を設立。北京、香港、上海、パリに拠点を置き、ラグジュアリーブランドに対して、中国でのSNSおよびEC戦略サービスや顧客関係管理サービスなどを提供しました。4年半後の2018年、FARFETCHによって買収され、私はFARFETCHの中国及びアジア太平洋地域における事業戦略担当の副社長に着任し、現在に至ります。

中国での就職、起業そして、FARFETCHにジョインするまでのキャリアストーリーを語る

FARFETCHについて

いま、FARFETCHには約6000人の従業員がいます。そのうちアジアで働く従業員は700人。以前のキュリオシティチャイナ時代は100人の従業員でしたから、周りからは「大変でしょう?」と心配されますが、実際はその逆です。優秀なチームのおかげで、とてもスマートに仕事を進めることができています。

ここで少しFARFETCHについても触れておきますね。FARFETCHは2008年にロンドンで設立されました。本社・ロンドンのほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、ギマランイス、ポルト、リスボン、サンパウロ、上海、モスクワ、香港、東京にオフィスがあります。これまで、シャネル、テンセント、アリババ、リシュモンといった名だたる企業、ブランドから投資を受けて成長してきました。現在は250か国に向け、90の言語に対応しながらさまざまなビジネスを展開しています。

ブランドの中国進出を強力にサポート

これまで当社は、さまざまなブランドから中国への進出についての相談を受けてきました。中国でブランドビジネスを展開する上で大事なことは、お客様と関係性を築く際に中国独自のやり方でやる必要があるということ。例えば、中国ではLINEやtwitterなどを使うことができないため、中国独自のコミュニケーションアプリやSNSを利用する必要があるんです。そういったコミュニケーションツールの運用やそれに必要な知識や情報など、さまざまなサービスを当社はワンストップでご提供することができます。必要であれば、ビジネスインテリジェンスのサービスの一環として、中国市場に関する各種レポートを無料でご提供することも行っています。中国への進出をご検討されているブランド、企業の方は、ぜひ私たちにご相談いただければと思います。

■Farfetchへのお問い合わせはこちら

次回は6月22日(木)に、「コスメ×コラボ」をテーマとしたネットワーキングイベントを開催予定。リアルイベントならでは仕掛けで偶発的な出会いを作りだし、ビジネスを加速させるマッチングを生み出します。新たなコラボレーションを考えている化粧品・美容系企業のご担当者様、化粧品・美容系企業と接点を持ちたいラグジュアリー、ファッション、ライフスタイルブランドの方はぜひご参加ください!

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