日本と似ているようで違う!超フレンドリーな台湾の接客事情を、現地在住の日本人に取材 NEW
モノやヒト、そして情報が国境を越えて往来する現代。島国育ちの日本人も世界で働く人材が増えてきた。特にスポーツの世界では海外のトップアスリートと肩を並べ活躍する者も多い。そのような中、アパレル販売職も例外ではない。そこで今回は、台湾で日系アパレルブランドの店舗運営代行を展開するワールド・モード・ホールディングス株式会社のAさんにインタビュー。台湾在住9年目になるAさんに、日本と台湾の文化や接客スタイルの違い、台湾での生活についてお話を伺っていく。
■ Aさんプロフィール
日本のアパレル企業で販売・海外出店業務に携わったのち、台湾に移住。その後、ワールド・モード・ホールディングス株式会社(入社当時は株式会社iDA(アイ・ディ・エー))に入社し、日本アパレルブランドの運営代行に従事。現在スーパーバイザー(以下、SV)として数店舗の運営に携わっている。現在、台湾在住9年目。
台湾では距離が近いフレンドリーな接客が多い
― まずは台湾で働くことになったきっかけを教えてください。
元々は日本のアパレル企業で店頭販売や海外出店事業に携わっていて、韓国への出店を任されることもありました。ワールド・モード・ホールディングスへの転職を機に台湾へ転勤となり、現在はSV職として日本ブランドの複数店舗およびポップアップなどのイベント運営に携わっています。
― 来店客層は現地の方が多いのでしょうか。
そうですね。8割は現地の方々です。アウトレットなど観光客が多いエリアの店舗では日本からの観光客や東南アジアから訪れる方々もいます。
― 台湾のお客様はどのような接客スタイルを好まれますか。
台湾は日本の接客に比べて、とにかく“距離が近い”印象です。物理的な立ち位置も近いですし、接客がすごくフレンドリー。日本ではファーストアプローチで様子を見ながらお声がけすることが多いですが、台湾の販売員は最初から「どこから来たの?」「恋人はいるの?」とプライベートな話をして一気に近づくんです。接客を始めて5分で「こんなことまで話すんだ」と驚いてしまうくらい(笑)。これはハッキリとした性格の方が多い国民性も大きいと思いますが、仲良くなったら連絡先交換やSNSをフォローし合ったりと、割と販売員とお客様の距離が近い印象です。
― 日本と台湾ではどんな文化の違いがありますか。
似ているようで似ていないと思います。日本でいう“おもてなし”の精神は持ちつつも、控えめで丁寧というよりは、フレンドリーで親しみやすさを重視している印象です。とはいえ、ドライな性格でもあるので、フレンドリーな接客をしたからといってその店に通い続けるかといえばそうでもありません。特に若い世代はネット通販で購入することも多いですね。ただ、年配の方は特定の店員さんのファンになって通う方もいます。
― 日本で台湾人のお客様を接客する際のアドバイスがあれば教えてください。
台湾は親日の方が多く、日本語を勉強している方も多いです。日本人だと現地の言葉を使うことを恥ずかしがる方が多いですが、台湾人は逆に勉強したから話したいという方が多い。だからあえて日本語で接客していくと喜ばれるかもしれないですね。私も台湾では、わざと日本語で話しかけて接客をすることもあります。

台湾のファッション事情は「二極化が目立つ」
― 台湾の平均的な所得水準はどのくらいなのでしょうか。
平均年収は350万、新卒の平均的な月収も15万ほどで日本より低い水準のようです。
― 台湾も日本と同じくファッション感度は高い方だと感じますか。
ファッション好きな人はかなり消費意欲が高い一方、ファストファッションで満足している人も多いので二極化しているように思います。感度が高い方は多く、ラグジュアリーブランドも人気で、日本のアパレルブランドが好きな方も多い。ただ東南アジアに近い気候で平均気温は高いので、一年を通じて男女関係なくショートパンツを履いている人が目立ちます。
― 台湾のおすすめショップはありますか。
「MOMA」というファッションブランドがおすすめです。台湾では50~60店舗ほど展開されているのですが日本では未上陸なので、行ってみる価値はあると思います。グルメでは意外と鍋が美味しくて、鴨と生姜の鍋がダントツのおすすめです。ガイドブックにもあまり載っていないのですが、本当においしい。あと、夏はマンゴーばかり食べています(笑)
快適な住環境にプライベートも充実
― 台湾で働く魅力、やりがいを感じるのはどんな時ですか。
台湾はプライベートな時間を大切にする方が多いため、残業が少なく家族や自分の時間を大切にしています。また、地下鉄やバスは日本のように人で溢れていないですし、生活圏が都心から離れていないので通勤時間が短いのも魅力です。日本に住んでいるときは往復3時間だったので、それに比べると快適ですね。
― 台湾に移住して9年目とのことですが、どのような生活を送っているのでしょうか。
週末は運動することが多いです。台湾はバトミントン人口が多くて、平日は小中学校の体育館が開放されているのでみんなバトミントンをしています。競技人口が多いので大会のレベルも種類が豊富でいろんな方々が参加しています。台北はハイキングコースが充実しているので、私自身も登山・ハイキングを楽しんで満喫しています。
― 日本が恋しくなる瞬間はありますか。
たくさんあります(笑)。日本はやっぱり食事が安くて美味しいので恋しくなりますね。自宅では日本食を作ることが多いです。
― 台湾で働く際にユニークな福利厚生があれば教えてください。
日本とは違って社員旅行が好きな方が多い印象です。フラットな関係の職場が多く、社員みんなで旅行に行ける機会があると喜ばれるようですね。海外だと日本が人気で、近場のタイ、ベトナムに行くことが多いです。
台湾に進出する日本企業とのタッグに強み
― 最後にワールド・モード・ホールディングス台湾の事業内容をお聞かせください。
以前は日本で優秀な台湾人を採用するための事業を行っていたのですが、コロナ禍を経た現在は、台湾国内での日本ブランド運営代行を主な事業としています。また、台湾国内での人材派遣業も行っており、通訳やイベント業などへ人材を派遣しています。最近は台湾に進出・展開を希望する日本企業が増えていて、ファッション業界だけでなく飲食業、地方自治体関連のお手伝いもさせていただいています。今後も台湾に進出を目指している日本企業さまとの取り組みに注目していただきたいです。詳しくはワールド・モード・ホールディングス公式サイトおよび台湾支社公式サイトをご参照ください。
Brand Information

ワールド・モード・ホールディングス
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