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外資系企業人事が語る、販売から本社へステップアップする人材の共通点とは?

外資系企業人事が語る、販売から本社へステップアップする人材の共通点とは?

販売職から本社勤務へキャリアチェンジを果たし、ブランドの第一線で活躍する方々に話を聞きながら、仕事への姿勢を学ぶ「本社の壁」シリーズ。今回は外資系アパレル企業の人事担当として複数社でご活躍の後、人事採用のみならず、現場の企画営業まで幅広くキャリアを積まれたN氏を直撃。販売から本社異動を叶えた人材の共通点や、販売職からのステップアップで実現性のある・ない本社職種についての実態を伺った。単なる憧れではなく、自分に合った職業選択をするために必要なこととは?経験豊富な外資系人事出身者ならではのキャリアアドバイスは、販売職の方はもちろん、そうでない方も必読だ。

N氏プロフィール
大学卒業後、教育・医療業界勤務を経て、外資系アパレル企業の人事アシスタントとして転職。その後、外資系アパレル企業複数社にて、人事・採用マネージャーを経験。直近では外資系企業の企画営業職として数々の販促企画を行いながら、カルチャー醸成のための制度や行事の企画、店舗の人材採用にも携わる。

ステップアップに成功した人材の共通点と、実現性のある・ないキャリアの実態

ー外資系人事から見た、販売員から本社業務へステップアップしていく人材の共通点を教えてください。

本社登用される販売員の共通点は、まず登用するにあたり、適性を感じさせてくれる実績や素養があることです。プレイヤー単体としてのものだけでは不充分で、マネジメントスキルとして評価されるものが必要です。スタッフの管理・育成、ストアの接客スキル・モチベーションの向上、販促の企画実施、業務フローの構築・改善など、チームやストア、会社への貢献となるものですね。

次に、キャリアアップのために力になってくれたり、該当ポジションへの昇格に関して決定権がある人から、信頼や好感を得ていること。 力になってくれる人は、店長やエリアマネージャーなど自分の上長などで、決定権があるのは、該当部署のマネージャーや担当者であるケースが多いですが、会社やポジションによって異なります。

その上で、自身の希望や適性について以前からアピールや相談をしていて、自身を登用することによるメリットや一緒に働くことをイメージしてもらえるようであれば実現性はより高くなります。それにはやはり日々の業務への姿勢や成果がものを言います。

ー販売員が本社登用で目指すキャリアとして、具体的にどんなポジションがありますか?それぞれに必要な素養や戦略などがあればお教えください。

実現性の高いものは、エリアマネージャーやリテールマネージャーなどです。MDもアシスタント職を含めて可能性はあります。どれもマネジメントスキルがかなりものを言いますので、まず店舗で管理職を目指し、成果をあげていくことが近道になります。

それ以外にも、提案からクレーム対応まで総合的に顧客対応能力が高いということならオンラインCSや、商品管理や知識に長けていることからEC運営に登用というケースもあります。ともに外部採用が多いポジションではありますが、システムやソフトなどを問題なく使用できるのであれば、可能性はあります。

マーケティングやPRになると、特に外資系企業においては、経験者を採用することが一般的なので、ほぼ外部採用となります。マーケティング企業・PRエージェンシーや、総合職採用をしている国内ブランドへ転職をするなど、情報収集の上、可能性を模索することをお勧めします。

素養について、どんなポジションでも共通して必要とされるのは、データの管理・分析やレポート・資料の作成ができるPCスキルや、他部署や取引先などと折衝を行うためのビジネスマナー・コミュニケーションスキルです。業務上、多様なシステムやアプリ、ソフトを活用していくことが標準となってきているので、ITリテラシーが高い方は重用されやすいです。

また、外資系に焦点をあてキャリアアップしていくとなると英語力はかなり重視されます。ポジションによっても必要とされるレベルは異なりますが、職位が上がるに連れて、本国や上層部とのやりとりが増えていきますので、外資系でキャリアアップしていきたいなら英語力を高める努力は欠かせません。

銀座の街並み

スタートアップなら、未経験でもポテンシャル次第で内部登用の可能性あり

ー本社の採用に関して、内部登用より外部採用の方が一般的に思えますが、実際のところいかがでしたか?

私が経験した3社はどれも、内部登用で決めることがベストというのが本音でした。内部登用は、キャリアアップのモデルケースとなり、モチベーション向上や優秀な人材の獲得に直結します。また、候補者はすでにブランドや会社への愛着が備わり、カルチャーフィットもしています。その上で、会社とともにさらに成長してきたいという人材ならば、当初は教えることが多くとも、吸収が早く、現況に即したアクションを起こせるなどのメリットも見込めます。

ちなみに、スタートアップや急成長中の企業だと、少人数で幅広い業務を兼務しながら、成長に合わせて人員を増やしていくのが一般的で内部登用の可能性は高まります。その場合、未経験でもやる気やポテンシャルがあれば、手を挙げることで、経験を積むチャンスを得られることがあります。もちろん、指導やアドバイスを期待できないなか、常に手探りでトライ&エラーをしていかなくてはならないハードさやプレッシャーはありますが、ゼロから構築したり、育て上げていく楽しさもあります。

資質的には、自走ができる、何事も経験だと前向きにトライできる、自分で仕事をとってきたり見つけ出していける、仕組み作りや改善が得意という方々に向いていると思います。そういう方は、スタートアップや急成長企業を視野に入れることで、可能性が広がるでしょう。NESTBOWLにはスタートアップ求人が多数あるので、少しでも興味があるものがあれば、ぜひチャレンジされることをおすすめします。

ロールモデルと自己理解で、あなたらしいゴール設定を

ー販売員や販売員希望の方が実際に目指されているキャリアはどんなものでしょうか?

販売員の採用や販売員の方とお話をしていると、プレス、MD、ブランドマネージャーなど、華々しく見えるポジションへの憧れをよく耳にします。ただし、そのポジションについて詳しく調べたうえで目指している人は少ないです。まず、実際にそのポジションについている人について、自分なりにリサーチをしたり、話を聞いてみるべきですね。ロールモデルとなる人を見つけ出し、実情を知ることで、憧れや羨望の対象から、現実的なゴールへと落とし込むことができます。何より、単なる憧れだけではなく、自分に合った職業選択をするべきで、そのためには自己理解を深めることが大切です。

ー自己理解を深めるためには、どのようにしたら良いのでしょうか?

まず自分の棚卸しをして強み・弱みを客観的に見ていただきたいです。一人で客観視することは難しいので、同僚や上司、社外の経験豊富な先輩に聞いてみたり、人材エージェントに登録し、自分のマーケットバリューをつかんでおくこともおすすめです。今後のキャリア形成のパートナーとして伴走してくださるようなエージェントを長い目で探してみるのも良いかもしれません。

ー信頼のおける人材エージェントとはどんなイメージですか?

人材エージェントは、大手や有名企業というより、その人の人となりによるところが大きいです。まず大前提として、一方的に募集案件をプッシュしてくるのではなく、双方向のコミュニケーションがきちんと取れること。そして、希望のマーケットや職種について熟知されていること。そして、適性や今後のキャリア形成を長い目で見て、助言はもちろん、時には辛口の意見をくださるような方でしょうか。

個人的には、どの担当者でもブレずに候補者と向き合ってくださると感じたのは、エーバルーンコンサルティングさんでした。ご紹介いただいた際も、選考終了まできめ細やかで親身なサポートをいただいたことが印象的です。その経験から、エーバルーンさんを紹介し、希望のブランドに転職した友人もいます。

インタビューに答える女性

ーでは、最後になりますが、販売員から本社にステップアップしていきたい人へのキャリアアドバイスをお願いします。

キャリア形成に関しては、努力や戦略、粘り強さが重要ですが、タイミングや相性、成長度合いによっては希望にそぐわないこともあります。そもそも、自分が思い描いた通りに事がはこぶとは限りません。成長や状況によって新たな気づきを得て、目標やアプローチに軌道修正をかけていくのが通常ですので、広い視野と柔軟性をもって道を切り開くためのしなやかさを身につけていってください。また、心をオープンにすることで、より多くの機会をチャンスととらえて、可能性の幅を拡げられると思います。

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