LINEスタンプを使ったハイブランドのコラボによる取り組み
国内の主要SNSの中で最も多く使われているLINE。企業では以前からLINEを使ったビジネスの取り組みが行われています。中でもLINEスタンプは、人気キャラクターやアニメーションなどとのコラボなど、多彩なラインアップが人気を集めています。ここでは、ハイブランドによるユニークなLINEスタンプのコラボ事例について見ていきましょう。
LINEはSNSのユーザー数国内No.1
日常において最も身近なアプリとも言えるLINE。日本国内におけるLINEの月間アクティブユーザー数は9,200万人(2022年10月時点)と、主要SNSの中で最も多い数字となっています。
ハイブランドにおいてもLINEスタンプなどの提供を通じ、他のSNSでは「フォロー」を意味する「お友達」の登録を促進し、日常におけるブランドの情報の発信に繋げる取り組みがなされています。
ブランドイメージをより身近なものにしてくれる「LINEスタンプ」
普段ハイブランドに対して近付きがたいイメージを持っている人でも、「無料で手に入るLINEスタンプ」で、かつアニメやマンガ、ゲームなどの人気キャラクターとのコラボ作品であれば気軽に手に入れて使用することができます。
これがコラボによる「ブランドアイテムの販売」と大きく異なる点。即売上につながるわけではありませんが、馴染みのあるキャラクターがブランドアイテムを着用することでブランドへの親近感も期待でき、意識的なハードルが下がることで既存の購買層よりさらに幅広い層へのアプローチが可能になります。
企業側も、キャラクター、あるいはブランドの既存ファンへのアプローチにより、より幅広い層から注目を集めることができます。さらに日常生活に密着したアプリでユーザーと繋がることにより、メルマガに登録してもらうよりもはるかに効率よくブランド情報を届けることができるという大きなメリットがあります。
Moncler(モンクレール)× ビックリマン
まずはMoncler(モンクレール)とビックリマンによるコラボのLINEスタンプからご紹介します。
Monclerではブランド創業70周年を記念して、定番のダウンジャケット『MAYA(マヤ)』のリミテッドエディション『MAYA70』がリリースされました。これに合わせて、刺激的なコラボが次々と生み出されています。
こちらのコラボスタンプでは、ビックリマンのおなじみのキャラクターが、それぞれ『MAYA70』を着こなしています。”イケおじ”化しているスーパーゼウスなど、ひと目で欲しくなってしまうようなキャッチ―な魅力がありますよね。
ビックリマンが刺さる世代には特に魅力的な企画ではないでしょうか。実際にLINEのお友達の数も、スタンプの配信日以降どんどん増えている様子が伺えます。
Chanel(シャネル)× miroirs(ミロワール)
次にご紹介するのは、「約束のネバーランド」原作者の白井カイウおよび作画家の出水ぽすかがシャネルからインスピレーションを得て描き下ろしたジャンプコミックスの漫画「miroirs」のキャラクターとのコラボスタンプ。
2021年にシャネル ビューティーのLINE公式アカウントにて、「miroirs」の巡回展「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」の開催を記念して作成され、期間限定で配信されました。
かわいらしくも、意思の強そうな少女の絵柄も印象的です。この配信を通じて「miroirs」という作品を知ったユーザーも少なくなかったのではないでしょうか。
Burberry(バーバリー)× ブラウン&コニー
過去のLINEにおけるラグジュアリーブランドの取り組みの中で最も有名とも言えるのがこのBurberry ×ブラウン&コニーのコラボ。正確にはキャラクターとのコラボというよりもLINE株式会社とグローバルパートナーとして打ち出した企画となります。
そのため、スタンプのみならずLINEの動画配信機能を活用してコレクションの動画をライブ配信したり、期間限定のオンラインストアをオープンし限定セットを販売するなど大々的な取り組みが印象に残りました。
この時に期間限定で配信されたBurberryのアイテムをまとったブラウン&コニーのスタンプ、実際にダウンロードしたかたも多いはず。
この取り組みの効果もあってか、Burberryの公式LINEアカウントはお友達登録者数が500万人台(2022年10月現在)と、ハイブランドの中でもかなり大きい数字となっています。
まだまだ増えそう、ユニークなブランドLINEスタンプの発信
他にも、最近ではLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)がモノグラムを基にデザインしたかわいらしいマスコットのオリジナルLINEスタンプを発表したりと、目が離せません。
課題点としては、せっかく友達として繋がっても企業情報の配信が煩わしかったりするなどの理由でアカウントをブロックされてしまう可能性があること。配信頻度の精査や、クーポンなど有用な情報の配信など、内容にはメールマガジンや他のSNSよりも慎重な工夫が必要とされます。
外資系企業の場合、本国におけるLINEの認知度がそこまで高くないことも相まって、他のSNSと比べると積極的なLINEによるマーケティングの展開が目立たない印象がありましたが、スタンプによる人気キャラクターなどとのコラボは、間口の広さも手伝って今後どんどん取り組みが増えるのではないでしょうか。
NESTBOWLでは、さまざまな異業種の企業をつなげる場を提供しています。コラボを通じビジネスの裾野をさらに広げたいかたは、ぜひこちらからご相談ください。
文:ミカタ エリ