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統合型リゾートが創る、アートとコラボの未来市場とは?

統合型リゾートが創る、アートとコラボの未来市場とは?

大阪に日本初のカジノリゾートが誕生することが正式に発表され、日本初の「カジノ」誕生へと現実味を帯びてきた日本。中でも注目したいのが、統合型リゾート=IRの収益が日本のアートマーケットを活性化させるという可能性だ。ノンゲーミング施設を重視し統合リゾート化を徹底できれば、日本の美術市場を拡大させることにつながると考える。IRが創る、アートとコラボの未来市場。つまり、統合型リゾートはアートなどコラボのチャンスとなりうるかという点だ。

日本でも動き出したIR。そもそも統合型リゾート=IRとは?

IRとIntegrated Resortの頭文字をとった略語。シンガポール政府が国民への説明用に考え出した造語で、カジノ以外にもホテルや劇場、国際会議場や展示会場などの交流拠点施設、またショッピングモールなどが集まった複合的な施設のことを指す。

シンガポールのIRは、世界で最も成功した事例

ではここからは、世界で最も成功したIRを見ていこう。自社 IRで輝かしい実績を上げているのが、シンガポール。2つのIRが2011年2月17日に開業し、IRを軸に国際観光都市の地位を確立している。まさにカジノ誘致の一番の成功例として讃えられるほどの成功例だ。

1つめは、「Marina Bay Sands(マリーナベイ・サンズ)」。マリーナベイ・サンズは、東京タワーと同じ高さのホテルが3本連なり、その屋上が船の形にように連結されプールが楽しめる、今やシンガポールのランドマークとなっている施設のひとつ。そして2つめはセントーサ島にある「リゾートワールド・セントーサ」。こちらは地下がカジノで地上がユニバーサルスタジオというもので、家族でも楽しめる作りとなっている。

シンガポールIRの特徴は、施設数を2つに限定したこと。そしてノンゲーミング施設を重視したこと。ノンゲーミングとはカジノ色を希薄化することを指し、統合リゾート化を徹底。都市計画全体の中でIRを位置付けにし、観光収入の拡大に加えて、設備投資や雇用増加、その波及効果など高い経済効果を与えている。

またシンガポールIRの政策目的は、インバウンド観光の促進・都市競争力の向上とし、IR開業後に観光客数は、急成長。2018年ごろには1851万人へと躍進し、停滞していたシンガポールの観光業界を大きく復活させた立役者として評価されている。

つまりIRの経済効果が高いことも同時に証明した事例なのだ。

日本初のIRは、大阪に決定

政府は4月14日、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)として、大阪府の整備計画を認定した。国内でIRが認定されるのは初めてのこと。

日本初のIRの開業地は、大阪の夢洲で、夢洲は大阪関西万博の開催場所ともなっている。

2024年に開業する予定で、広さは東京ディズニーシーとほぼ同じ。カジノや国際会議場、ホテルなどを作り、統合リゾートとする計画だ。

日本のIRモデルは、シンガポール

カジノが生み出す利益で統合的に運営されているものの、カジノの存在をできるだけ前面に打ち出さない形で、成功したシンガポールのIRをモデルにしているのが大阪IR。

カジノ目的のユーザーとの棲み分けや、大規模のMICE施設や文化芸術施設を誘致し、外貨獲得に成功したシンガポールは、日本でも重視される同じ方向性だ。

またカジノができることで特に問題視されている、「治安の悪化」に対しては、街が荒れるという国民の不安を回避するためにカジノ入場料を自国民には課し(2019年からは約1万2000円)、当初想定された多くのカジノ・リスクも回避することに成功している。

こういった点もモデルとされている理由なのだ。

大阪IRから予想される経済効果

では次に大阪IRから予想される経済効果を見ていこう。経済効果は、事業者の計画では来場者は年間2000万人、その内7割ほどは国内からを見込んでいる。売上は5,200億円相当。経済波及効果は年約 1兆1400億円、8割はカジノで稼ぎ出すと想定している。

また約9万3000人の雇用も生まれると算出していることから、日本経済にもたらす影響はとても大きいとされ、観光関係者は特に期待を抱いていると言えるだろう。

IRの施設概要

IRを構成する機能は、ホテルやカジノをはじめ、スパやクラブなどエンターテインメント施設、商業施設(ショッピングモール)、レストラン、劇場、映画館、アミューズメントパークなどとされている。

実際大阪IRでは、国際会議場、国際展示場、魅力増進施設、送客施設、宿泊施設(約2500室)、飲食・物販・サービス、エンターテインメント施設、カジノ施設などを予定。

ホテルはエンターテイメントホテル、アクアリゾートホテル、VIPに向けた最高級ホテルを計画し、客室は約2,500室ほど。レストランやプール、フィットネス、大浴場、バンケットなども整備予定となっている。

IRはアートなどコラボのチャンス?

統合型リゾートではノンゲーミングが97%を占めるため、その活用方法が重要だとされている。中でも注目したいのが、IRが日本の文化芸術振興のカギになるという考え方だ。

なぜならIRの法整備では収益の用途を、社会福祉と文化芸術の振興などに当てると明記されているから。文化芸術に関連する施策を大阪IRが選択することが、日本のアートマーケットを拡大させるチャンスと捉え、日本の美術市場を拡大させることにつながると考える。

つまり、IRの収益が日本のアートマーケットを活性化させるという可能性があると言えるのだ。

アートが活性化されることにより、アートと関わりが深いファッションにも影響を及ぼすだろう。元々アートとファッションは、クリエイティブで革新的な表現方法が近く、昔からお互いに刺激を与え合う存在として、その関係性に長い歴史を持っている。

ファッションブランドとアートとの関わりはブランディングがしやすく、顧客と密な関係性を築くことのできる戦略的な動きで、効果的なマーケティング手法の1つとされている。また近年のアートとファッションのコラボレーションは一種のトレンドともなっており、様々なアート×ファッションのコラボが生まれているのもご存じだろう。

IRが文化芸術振興のカギとなることから、アートとのコラボもより生み出しやすくなると推測されるだろう。

IRが創る、アートとコラボの未来市場

日本初のIRの成功は、観光振興による経済効果だけではなく、日本のアートマーケットを活性化させるという可能性も十分に秘めている。IRが創る、アートとコラボの未来市場はきっと明るいものとなることだろう。

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