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メディカルアパレルで世界に羽ばたく日本発のD2C企業―クラシコ株式会社 代表取締役社長 大和 新氏インタビュー

メディカルアパレルで世界に羽ばたく日本発のD2C企業―クラシコ株式会社 代表取締役社長 大和 新氏インタビュー

「ペラペラでクタクタの白衣では仕事のモチベーションが上がらない」という友人医師の声に触発され、メディカルアパレルの世界にビジネスの光明を見出した大和 新氏。着るだけで気持ちが高揚し、かつ、最高のパフォーマンスを引き出すと評判のクリエーションは、多くの医療従事者から厚い支持を得ています。長い間、新規参入がほとんどなかったメディカルアパレル業界で、商品のクオリティのみならず、ビジネスモデルにおいても革命を起こした大和氏に「Classico(クラシコ)」の事業内容、今後の展望について話を伺いました。

大和 新(おおわ あらた)さん
クラシコ株式会社 代表取締役社長

1980年、栃木県出身。立命館大学卒業後、IT関連企業の営業、事業開発を経験。24歳の時、高校の同窓会で再会した友人医師の「なぜかっこいい白衣がないのか?」という悩みを聞き、コネも知識もないなか、高級医療ユニフォームの世界へ。同じく高校の友人であり、カッターとして銀座のオーダーサルトで経験を積んでいた大豆生田伸夫(おまめうだ のぶお/現・取締役兼デザイナー)を誘い、2008年、リーマンショックが起きた年に開業資金5万円で「Classico(クラシコ)」を創業。現在、12期連続増収中。

―メディカルアパレルメーカーである御社の展開商品を教えてください

主力は、医師や看護師など医療従事者向けの白衣とスクラブです。それから、聴診器やシューズなど周辺小物も手掛けています。取扱高ではスクラブと白衣が一番です。

―スクラブというのは聞き慣れないアイテムですが…それにしても、どれも上質でおしゃれなデザインばかりですね

おおまかにいうと、トップスとボトムで構成される手術衣を「スクラブ」、ドクターコートやナース服を「白衣」と呼んでいます。
私たちの挑戦はテーラード白衣から始まりました。弊社のプロダクトの優位性は、イタリアのテーラー技術を取り入れた仕立てとスタイリッシュなデザイン、独自に極めた機能性の高い上質な素材にあると自負しています。

―この業界ですでに大きなシェアをもつ上場企業などメジャープレイヤーがほぼB2B取引をするなか、御社の販売経路は最初からユニークでした

2008年の創業当初から独自のECサイトで展開するD2Cセールスでスタートし、おかげさまでビジネスは急成長を遂げました。最近では、弊社オフィスに併設する店舗や、ナース服など一部商品はAmazonなど代理店を通しての販売もしています。D2CからB2C、B2Bへ販路を拡大していった流れですが、そういう意味では、業界の常識とは完全に逆パターンですね(笑)。今後はB2B事業にもさらに力を注いでいきます。

―近年、ファッションアパレル企業の業界参入も多いと聞きました。過去には、ある大手がチャレンジするも撤退したという話も…。アパレル各社がこの業界でメジャーになりきれない理由として、どのような障壁が考えられるのでしょうか?

3つの壁があると考えています。ひとつめは「企画生産の壁」。
医療ユニフォームは、洗濯は町のクリーニング屋さんではなく、病院の洗濯を請け負う専門業者が行うことが多いです。高温で滅菌処理やプレスをするので、普通の生地だと組織がダメになったり、ボタンが粉々になったり…それらに耐えうる素材開発というのは、非常にハードルが高いのです。弊社では、工業用洗濯にも耐えられる素材を糸から素材メーカーと開発し、テーラー技術が息づく本格スーツのような白衣を作り出しました。潜在需要はあったので、すぐさまファッション感度の高い医療従事者のニーズに響いたのだと思います。

そして、ふたつめは「流通の壁」。
おそらく業界の6,7割くらいの流通は、個人購入ではなく代理店を介するB2Bです。メーカーも販売代理店も、昔からやっている会社さんも多く、後発にとっては極めて厳しい環境です。特にアパレル会社の流通は店舗展開が中心なので、ビジネスモデルに親和性もないですし…。その壁を越えるには、早期にECで参入し、ダイレクトにやる! などしていかないとチャンスを広げられないのですが、実際にはなかなか難しいというのが現状のようです。

最後の3つめは「ニッチの壁」。
医療ユニフォームは、日本国内の市場規模でいったら400億円とかそのくらいの規模感。ちなみに国内のファッションアパレル市場は全体で9兆円という規模感ですから、アパレル各社さんの本業に占める割合が大きいなかで、医療ユニフォームにどれだけ本気を出せるのか…となると、やはりシビアな部分があるのではないでしょうか。

―世界の市場規模についてお聞かせください

海外では、スクラブだけで6兆円規模と言われています。日本全体の150倍ですね。アメリカのスクラブ市場の規模は1兆円程度。数年前にファッショナブルな専業スタートアップが出てきて、75億円の資金調達に成功したユニコーン企業も出現するなど、業界的にすごく伸びている最中です。さらに、どの国でもナース服の市場が最も大きいのですが、スクラブがナース服にとって替わる動きも世界的に加速しています。

―海外市場のポテンシャルは高まる一方なのですね。御社のこれからの成長戦略について伺いたいのですが、次のフェーズとしては、やはりアジアのトッププレイヤーを目指す感じでしょうか?

目指すところは創業当初から変わらず、「メディカルアパレルのグローバルナンバーワンブランド」です。
すでに、アメリカを始めとした英語圏の各国と台湾でECサイトを運営しており、中東とロシアでも代理店を通じて展開していますが、次の展開はアジアです。成長市場で、ファッションの好みも欧米と比較すると親和性もあり、メインとなるプレイヤーもまだ育っていません。
特に、中国からのお客様が私たちの店舗に直接買いにいらっしゃったり、うちのECサイトを通じて購入される方が増えていまして、中国市場もまさに変わり目の時と感じています。現在、上海でテストマーケティングを実施中で、2021年の5月頃から展開できるように準備をしているところです。

―世界一のポジションを最終到達点にされているとのことですが、その過程におけるビジョンやミッションについて教えてください

まず国内のドクターでいうと、概算ですが約30万人いる内の30%=約10万人の方に弊社の商品をご着用いただいています。グローバルナンバーワンを目指す過程では、ドクターのメンズ・ウィメンズ、ナースのそれぞれの領域で40%超のシェアを獲得していきたいと考えています。

―人気の若手ブランドとのコラボレーションも積極的に行っていますよね

「ロンハーマン」とはこれまで4回、ルームウエアブランド「ジェラート ピケ」とは3回、コラボコレクションを発表しました。「ロンハーマン」とのコラボは、いずれも先行販売分は即完売、シリーズ累計1万着以上の販売実績を残しています。ここでも、支給される従来のユニフォームでは物足りなかった医療従事者たちの心をつかんだのだと感じています。

―最後にエントリーを考えている方々にメッセージをお願いします

「クラシコ」の白衣やスクラブを着ていただくことで、医師や看護師の方々の仕事のモチベーション向上に貢献できていると実感するときが、一番嬉しいです。そこに共感いただける方と働けたらいいなと思います。今いるメンバーたちもその想いを共有していますが、メンバーは皆異業種からの転職です。これからグローバル展開を真剣にやっていこうと思っているので、一緒に本気になってチャレンジする仲間になってくれる方を大歓迎します。

Classico(クラシコ)
「世界中の医療現場に、人間的で、感性的で、直感的な革新を生む」というミッションのもと、イタリアのテーラー技術を取り入れた、スタイリッシュな白衣やスクラブを始めとする医療従事者向けプロダクトの企画・販売を行なっています。世界3大デザインアワードのうち2冠(IDA賞2010年、レッドドット・デザイン賞2017年)を達成し、デザイン性の高さや快適な着心地で、現在、日本国内で10万人以上のドクターやナースから好評を博しています。また、2017年にはデザインと機能をゼロから再構築した聴診器「U scope」を発表するなど、メディカル関連の新開発にも取り組んでいます。世界の医療ユニフォーム業界における「グローバルナンバーワン」を目指しています。

text:下村葉月

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Better lab coats for better work ethic. 「あったら幸せになる」という発想が、 新たな驚きを生み出す。 創業の2008年当時の医療白衣といえば、世界中を見渡しても、保健や理科の先生が着ていたような、 青白くペラペラでクタクタのものだけ。 友人の医師は、あの白衣を着ると仕事のモチベーションがあがらないと愚痴をこぼしていました。 「なんで誰もかっこいい白衣を作らないんだろう?」 そんなシンプルな疑問から、僕たちは今までどこにもなかった新しい白衣を作りはじめました。 医療の世界には、白衣に限らず昔からずっと変わらない疑問がごろごろ転がっています。 医療業界に新しい風を吹き込み、みんなが「こうだったらいいのにな」と思う理想を現実化していく。 これまで誰もやりたがらずやらなかったこと、 お客様にとって、喉から手が出るほど欲しい商品を作り、広めていく。 それがクラシコです。