【4/11~5/5】マルタン・マルジェラの日本初 大規模個展「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」が開催中

ファッションデザイナーとして知られるマルタン・マルジェラが、アーティストとして日本初の大規模個展「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」を開催中だ。会場は東京・九段にある1927年竣工の登録有形文化財「九段ハウス」。会期は2026年4月11日(土)〜5月5日(火)で、好評につき当初の4月29日から延長された。本展では、邸宅全体を舞台に、コラージュ、絵画、ドローイング、彫刻、アッサンブラージュ、映像作品など、多様な技法による計38点の作品が展示されている。チケットはオンライン販売のみで、4月15日〜4月29日分はすでに完売。残りわずかのため早めの購入を推奨する。
マルタン・マルジェラ 個展「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」の見どころ
2008年にファッション界からアーティストへ転身してからも再利用、分解、変容といったテーマへの探究を継続するマルタン・マルジェラ。その創作において、人間の身体は今なお重要なインスピレーションの源であり続けています。
マルジェラの作品は、日常の中にありながら見過ごされがちな物や状況への鋭い観察から生まれ、平凡なものが非凡なものへと転化していきます。本展では、コラージュ、絵画、ドローイング、彫刻、アッサンブラージュ、映像作品など、多様な技法による作品が紹介されています。
展示される作品全体には、「オブセッション(執着)」と「世界は仮固定である」という2つの概念が通底しています。養生テープで覆われた床や壁、箱に入ったままの作品など、館内のあらゆる演出が「ワーク・イン・プログレス(未完成・進行中)」の状態を意図的に示しており、完成した作品でありながら「常に変化し続ける世界」を体現しています。
生活の痕跡が残る古い邸宅に作品を設えるという選択は、マルジェラにとって大切な「私的な空気感」を反映するものです。
来場者は、邸宅全体に広がるさまざまな部屋を巡りながら、極めて親密な距離感の中で作品と向き合う体験へと招かれます。なお、展示構成およびキュレーションは、すべてアーティスト自身によって手がけられています。
アーティストステートメント
「匿名性は、私の創造の自由にとって不可欠なプライバシーを守るために必要なものです。ファッションの時代と同じ興味や強迫観念を、私は今も持ち続けていますが、人間の身体はもはや唯一の表現媒体ではありません。」
「私は常に観察者であり、日常的な物や状況から強いインスピレーションを受けています。今日ではさまざまな技術的サポートを用いることが当たり前になっていますが、私は可能な限り、手仕事のプロセスを見せることにこだわっています。それが、不完全さやパティナ、未完成の美に対する私の深い愛情につながっています。」
「私は答えを示すよりも、問いを投げかけたいのです。」
「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」展示作品一覧
2011年〜2025年の間に制作された計38点が揃っています。主な作品は以下の通り。
・「Phantomシリーズ」:痕跡から存在を想像させる彫刻群。マルジェラがルーヴル美術館の鋳造倉庫で目にした大量の鋳造型から着想を得ている
・「Grey Steps I & III」(2023):キャンバス上にカーペット素材で階段を描いた作品
・「Barrier Sculpture(Black)」(2024):保護バリケードをフェイクファーで覆った彫刻
・「Torsoシリーズ」(2018–2021):鋳造型から生み出された人体彫刻。「Mould(S)」とともに完成形とプロセスの双方を作品として展示
・「Vanitas II」(2024)、「Bus Stop」(2020)、「Interior」(2021)、「Cartography I & II」(2019) など多数
会場「九段ハウス」へのアクセスと概要九段ハウスについて
本展の会場となる九段ハウスは、1927年に竣工したスペイン様式の洋館を改修した、会員制ビジネス・イノベーション拠点です。旧山口萬吉邸として知られ、内藤多仲(構造設計)、木子七郎・今井兼次(意匠設計)の3名が手がけた鉄筋コンクリート造。現在は登録有形文化財に指定されています。九段下駅から徒歩約5分、武道館・靖国神社の近くに位置しながら、都市の喧騒から切り離されたような静けさを持つ空間です
マルジェラはこの場所において、かつての家族邸宅が持つ私的で親密な空気感を蘇らせることを選びました。九段ハウスを訪れたマルジェラ自身もその佇まいや空気感に強い共鳴を覚えています。
2000年、彼は東京・恵比寿の歴史ある邸宅に、世界初となる「Maison Martin Margiela(メゾン マルタン マルジェラ)」の店舗をオープンし、浴室やキッチンを含む邸宅全体にコレクションを展示しました。そして四半世紀を経た2026年、再び東京へと戻り、同じく歴史的な邸宅である九段ハウスで作品を発表することを選びました。
「再び東京に戻り、1927年に建てられたこの家で作品を見せられることを嬉しく思います。2000年のときと同じように、来場者が各部屋の親密な空間の中で作品と出会い、驚きを感じてもらえることを願っています。」(マルタン・マルジェラ)

九段ハウス 当日の鑑賞ガイド
館内ではスリッパに履き替え、靴はトートバッグに入れて持ち歩くスタイルで巡ります。地下1階から地上3階まで、談話室・キッチン・バスルーム・茶室など生活の痕跡が残る各部屋に作品が配置されており、来場者は自ら動線を辿りながら作品と対峙する構成です。最後は中庭へと抜け、ミュージアムショップへとつながります。
ミュージアムショップでは、マルジェラ本人が制作した展覧会図録のほか、ポストカード、キーホルダー、Tシャツ、トートバッグ、スタッフ着用の法被なども販売されています。
海外メディアの評価
本展は海外の主要ファッション・アートメディアからも広く注目を集めています。英国のデザイン誌Wallpaper*は実際に訪問したレビューの中で、本展を「コラージュ、彫刻、映像による現代的なパズル」と表現しています。米HypebeastやHighsnobietyも相次いで取り上げ、ファッション時代から一貫して「ファッション界の見えない人(invisible man of fashion)」と呼ばれてきたマルジェラの匿名性へのこだわりが、アート活動においても変わらず核心にあると評しています。また現代アート専門メディアのOculaや英国のFAD Magazineは、マルジェラを「現代文化において最も影響力があり謎めいた人物の一人」として紹介し、本展を彼の一貫した創作哲学の集大成として位置づけています。
「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」開催概要・チケット情報
会期:2026年4月11日(土)〜2026年5月5日(火)
会場:九段ハウス
住所:〒1020073 東京都千代田区九段北1-15-9
アクセス:東京メトロ・都営地下鉄「九段下駅」徒歩約5分
入場料:一般 2,500円(税込)
チケット:オンライン販売のみ(ArtSticker)/当日販売なし
チケット状況:4月15日〜4月29日分は完売。4月30日〜5月5日分は残りわずか
チケット購入はこちら(ArtSticker):MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE | オンラインチケット販売 | ArtSticker
※4月15日〜4月29日のチケットは完売しました。ご希望の方は、4月30日〜5月5日のチケットをご購入ください。いずれも枚数に限りがあるため、来場をご希望の方はお早めのご購入をおすすします。
※本イベントのチケットはオンライン販売のみとなります。会場での当日販売は行われておりません。
参照:
- Wallpaper*:Step inside Martin Margiela’ world in Tokyo
- Hypebeast:Martin Margiela’s Artworks Get a Major Tokyo Spotlight
- Highsnobiety:At a Rare Art Show, the Elusive Martin Margiela Gets a Little Less Anonymous
- Ocula:Martin Margiela Left Fashion, Now His Art Is Taking over Tokyo
- FAD Magazine:Martin Margiela to Stage First Large-Scale Japan Exhibition at Kudan House