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出産後のブランクと仕事復帰。女性キャリアの現実と対策を2026年最新データから読み解く

出産後のブランクと仕事復帰。女性キャリアの現実と対策を2026年最新データから読み解く

「結婚・出産を経ても働き続ける」ことが、今や当たり前の時代になった。それでも、出産は女性のキャリアにおける大きなターニングポイントであることに変わりはない。数年のブランクを経て「もう一度働きたい」と思ったとき、何が壁になり、どう乗り越えればいいのか。今回は、内閣府の最新調査データをもとに、出産後のキャリア形成と仕事復帰のヒントを考える。
※2022年2月7日に公開、最新データを元に2026年4月9日更新


出産後の就業継続率は上昇。一方でL字カーブの壁

まず現状を整理しておきましょう。
かつて有業女性の約6割が第1子出産後に退職していましたが、近年は大きく改善されています。

指標数値
第1子出産後の離職率(平成17〜21年)56.6%
第1子出産後の離職率(平成27〜令和元年)30.5%
女性就業率(平成27年)64.6%
女性就業率(令和6年)74.1%
参照:内閣府男女共同参画局「『共同参画』2025年9月号」p5

数字だけ見れば「かなり改善された」と感じますが、就業継続率が上がる一方で見逃せない課題があります。それが「L字カーブ」です。

女性の正規雇用比率が25〜29歳をピークに年齢とともに低下するこの現象は、出産や育児をきっかけに「働き方を変えざるを得なかった」女性が多いことを示しています。

就業はしているものの、正規雇用からパートや時短へ移行しているケースが相当数あるということです。

M字カーブはほぼ解消されましたが、L字カーブという新たな課題が浮き彫りになっています。

育休復帰後、女性の43.6%がキャリアをセーブ

では、育休を取得して職場に復帰した人たちは、その後どんなキャリアを歩んでいるのでしょうか。

内閣府男女共同参画局が令和7年1月に実施した調査(対象:育児期にある男女2,853人)のデータが、実態を明らかにしています。

育休取得前に描いていたキャリアプランと現在のキャリアの変化を聞いたところ、全体の結果は以下のとおりでした。

キャリアの変化全体女性男性
ほぼキャリアプランどおり39.8%47.6%(最多)
キャリアをセーブすることになった33.8%43.6%(最多)

この数字が示すのは、男女間の非対称性です。

男性の約半数はプランどおりのキャリアを歩んでいる一方、女性の4割以上がセーブを余儀なくされている。

同じ育休取得者でも、復帰後の軌跡がこれほど異なるという事実は、個人の努力や意欲だけでは説明がつきません。

キャリアをセーブした具体的な内容として多かったのは以下の通りです。

  1. 責任の少ない仕事や職種への配置転換を希望した(23.5%)
  2. 専門職としてキャリアを築くことをやめた(23.2%)
  3. 管理職を目指すことをやめた(22.8%)

参照:内閣府男女共同参画局「令和6年度 仕事と生活の調和推進のための調査研究〜キャリア形成と育児等の両立を阻害する要因に関する調査〜」p45、p47

「自ら諦めた」ようにも見えますが、後述するセーブの理由を見ると、多くの場合は環境に押しつけられた選択であることがわかります。

なぜキャリアをセーブせざるを得ないのか

キャリアをセーブした理由の上位3つは次のとおりでした。

  1. 長時間労働等の理由により配偶者が育児に参画できないため(24.6%)
  2. 仕事と育児の両立に関して上司や同僚のサポートが得られないから(24.2%)
  3. 配偶者の性別役割分担意識が強く家事・育児の負担が大きいから(24.0%)

注目すべきは、上位3つがいずれも「本人ではなく環境の問題」だということ。

職場のサポート不足と家庭内分担の偏りが、女性のキャリアを削っている構造が見えてきます。

さらに、育休復帰後に「業務評価にネガティブな影響がある」と感じた女性は29.2%にのぼります。

ネガティブな影響があると感じた人全体での理由の1位は「責任のある業務を任せてもらえないため、評価されにくく、キャリアアップが図りにくいと考えるから」(45.4%)でした。

参照:内閣府男女共同参画局「令和6年度 仕事と生活の調和推進のための調査研究〜キャリア形成と育児等の両立を阻害する要因に関する調査〜」p40、p41、p49、p64

ここから見えてくるのは、少しやるせない現実です。

育児と両立するために負荷の少ない仕事を希望しているわけではないのに、「子どもがいる=責任ある仕事を任せられない」という職場の判断により、キャリアの選択肢が狭められてしまっているのです。

また、育休前に難易度の高い業務経験(プロジェクトリーダーや経営企画への関与など)を積んでいた女性は、そうでない女性と比べてキャリアをセーブしない割合が高いことも示されています。

スキルがあっても環境が整わなければキャリアは継続しにくい一方で、スキルの蓄積は自分を守る武器にもなるということです。

2025年4月から拡充。出産後の働き方に関する制度

こうした状況に対して、制度面では大きな変化が起きています。2025年4月、育児・介護休業法の改正により、出産後の働き方を取り巻く制度が拡充されました。

2025年4月施行の主な変更点

  • 子の看護休暇→「子の看護等休暇」に改称。対象が小学校3年生修了まで拡大
  • 取得事由に「感染症に伴う学級閉鎖」「入園・入学式、卒園式」を追加
  • 3歳未満の子を持つ労働者に対して、育児のためのテレワーク導入が事業主の努力義務
  • 残業免除(所定外労働の制限)の対象が小学校就学前まで拡大

2025年10月施行

  • 3歳〜小学校就学前の子を持つ労働者を対象に、フレックス・テレワーク・短時間勤務など5つの選択肢から事業主が2つ以上選択して提供することが義務化

参照:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」p1-4

特に残業免除の対象年齢が3歳未満から小学校就学前まで拡大されたことは、「小1の壁」を前にキャリアを諦めていた層に実質的な助けになります。

制度をうまく活用できる職場かどうかを、会社選びの基準の一つにするといいでしょう。

出産後の女性に立ちはだかるブランクの壁

産後も同じ会社に勤め続ける場合はスムーズに職場復帰できるケースが多いですが、一度仕事を離れた場合は話が変わります。

もっとも壁が高くなるのは、出産を機に退職し、育児期間中は完全に仕事から離れていた場合です。

ブランク期間が長ければ長いほど、復帰へのハードルは上がる傾向にあります。

壁は大きく2種類あります。

企業側の壁

  • デジタル化の進展による業務内容・求めるスキルの変化
  • 小さな子どもがいることによる就業時間の制約への懸念

自分自身の壁

  • 価値観の変化による仕事への興味・優先順位の変容
  • 「以前のように仕事ができるか」という不安
  • 子育て中で転職活動に使える時間と心の余裕がない

どちらの壁も実在します。ただ、冷静に周囲を見回すと、育児・家庭・仕事を両立している人が確実にいるのです。

「自分には無理かもしれない」ではなく「どうすれば自分にもできるか」という問いに変えることが、最初の一歩になります。

ブランクを乗り越えるための3つのステップ

育児期間中は目の前のことに必死で、自分のキャリアについて考える余裕がなかったという方も多いでしょう。

しかし、社会の制度は確実に変わりつつあります。

2025年の法改正により、テレワークや始業時刻の変更、短時間勤務といった「柔軟な働き方」の選択肢を複数用意することが事業主に義務付けられるなど、両立を後押しする環境は整ってきています。

だからこそ、「ブランクがあるから」と臆する必要はありません。あなたらしい再スタートを切るために、まずは以下の3つのステップから始めてみましょう。

① なぜ働きたいのかを明確にする

「収入が必要」「好きな仕事にもう一度挑戦したい」「社会とのつながりを持ちたい」など、働きたい理由は人それぞれです。まずこれを自分の中ではっきりさせましょう。

理由が明確なほど、会社選びの軸がぶれなくなりますし、面接でも自分の言葉で話せるようになります。

ライフスタイルの変化に合わせて働く理由を見つめ直した事例については「【NESTBOWL転職成功事例】異業種からビューティ&ウェルネス系へのフリーランス転職を成功させた山崎さんの転職活動秘話」にて詳しく紹介しています。結婚・出産を経験し、年齢とともに生じた自身の内面の変化をきっかけに、フリーランスという新しい働き方と方向性を定めたキャリアチェンジの体験談をチェックできます。

② 働き方の条件を具体的に書き出す

育児と仕事を両立させるうえで最低限必要な勤務条件(例:9時以降始業、18時終業)、子どもの預け先の状況、家族からの協力体制を具体的に整理しましょう。

加えて自分のスキルを棚卸しし、多少のブランクがあっても今すぐ対応できる得意分野を確認しておくと、求人を見る目が変わります。

ここで参考になるのが、内閣府調査のキャリアをプランどおりに進められた人の共通点です。

  • 職場全体に育児と仕事の両立を支える雰囲気がある(44.0%)
  • 配偶者と家事・育児を分担できている(36.8%)
  • 職場の上司が子どもがいる人のキャリアアップを応援してくれる(35.9%)

参照:内閣府男女共同参画局「令和6年度 仕事と生活の調和推進のための調査研究〜キャリア形成と育児等の両立を阻害する要因に関する調査〜」p46

職場環境と家庭内分担の両方が整っている人ほど、キャリアを維持しやすいというデータです。「いい求人を探す」だけでなく、家族との役割分担を事前に話し合っておくことも、復帰後のキャリア継続に直結します。

スキルを棚卸しして希望の条件に合う求人を見つけるヒントについては「【NESTBOWL転職成功事例】キャリアの棚卸しと入念な面接準備で内定を獲得!理想の転職を実現した秘訣とは」にて詳しく紹介しています。リモート勤務やワークライフバランスを重視して企業を探し、自身の経歴を洗い出して未経験ポジションへの転職を成功させた入念な準備のコツがわかります。

③ アクションを小さく始める

業界情報のリサーチ、気になる企業・ブランドの動向チェック、転職エージェントへの登録、先に職場復帰した知人への相談など、やれそうなことから一つだけ始めてみましょう。

いきなり完璧な準備をしようとしなくて大丈夫。「軸足と意志だけ固めて、あとは動きながら考える」くらいのスタンスで十分です。

人とのつながりから思いがけない仕事のご縁が生まれることも多くあります。

ワーキングマザーとして一足先に再スタートした知人に、リアルな体験談を聞いてみるのもおすすめです。

産後こそ、スキルの棚卸しを

「ブランクがあるから自信がない」という声はよく聞かれます。

でも先ほどのデータが示すように、育休前に難易度の高い業務経験を積んでいた女性は復帰後もキャリアをセーブしない割合が高い。

これは言い換えれば、ブランクがあっても「自分がどんなスキルを持っているか」を言語化できる人は強いということです。

育児を通じて培われた時間管理能力やマルチタスク能力も、れっきとしたスキルです。

「あのときこんな段取りをした」「複数の問題を同時に処理した」という経験を、職場の文脈で語れるように整理しておきましょう。

効果的なスキルの棚卸しや自己分析の方法については「ホーリー先生の外資系キャリア塾:成功の掟〈 “Why Me?”を問え。自己分析編〉【後編】」にて詳しく紹介しています。単なる過去の経験の列挙で終わらせず、自分の強みを客観視して未来のキャリア設計につなげるための具体的なフレームワーク(STP分析など)を実践的に学べます。

また、内閣府の調査では、育休取得前にキャリアプランを立てていた人は復帰後のモチベーションが高い傾向があることも示されています。

「管理職を目指したい」「専門職としてキャリアを築きたい」など、復帰後の自分の姿を少しでもイメージしておくことが、復帰後の意欲につながります。

さらに、キャリアをセーブすることになった人がキャリアプランを変更せずに両立するために必要だったと思うサポートの上位は次のとおりです。

  1. 柔軟な勤務制度の整備(38.0%)
  2. 仕事と育児の両立やキャリアアップを応援する職場の上司の姿勢(33.5%)
  3. 仕事と育児を両立する人を支える職場全体の雰囲気(32.7%)

参照:内閣府男女共同参画局「令和6年度 仕事と生活の調和推進のための調査研究〜キャリア形成と育児等の両立を阻害する要因に関する調査〜」p50

つまり、個人の努力だけでなく「どんな職場を選ぶか」が復帰後のキャリアを大きく左右します。

制度が整っているか、上司が理解ある人かどうかは、転職活動の段階で確認できる要素です。求人票や面接でここを確かめる習慣を持つと、ミスマッチを防げます。

企業の内部事情や空気感を面接で確認する方法については「転職活動の第一歩は“転職貯金”!?徹底した下準備&企業をより理解するカジュアル面談とは」にて詳しく紹介しています。ざっくばらんに話せる「カジュアル面談」を活用して、会社の顔である人事担当者から働き方や将来の展望を引き出し、ミスマッチの不安を払拭していった実例を確認できます。

まずは自分の意志を明確に。一歩ずつ、自分のペースで前に進んでください。

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