販売スキル×語学スキル×チャレンジ精神!? ポジティブマインドと愚直な実績で念願のエリアマネージャーを掴んだK氏に、本社勤務を掴むまでの道のりを聞く。
販売職から本社勤務へキャリアチェンジを果たしブランドの第一線で活躍する方々に話を聞きながら、仕事への姿勢を学ぶ「本社の壁」企画。今回は大手外資系ブランドのエリアマネージャーとして数店舗をまとめ上げるK氏を直撃! 大学卒業後から数社で販売職を経験しながら常に上を目指していたK氏が、念願のエリアマネージャーを掴むために心掛けていたことは「上司や会社から望まれることは、クイックにレスポンスしていく」こと。日本初上陸ブランドへの異動、旗艦店での店長経験などいくつもの試練をクリアし本社勤務を掴むまで、具体的にどのような行動をしていたのか?K氏のチャレンジ続きの経歴を探っていく。
K氏プロフィール
大学卒業後、外資系カジュアルブランドにアルバイトとして入社し販売の基礎を学ぶ。その後、大学で培った語学力を生かし外資系ブランドの総務ポジションへ転職。ファストファッションの盛り上がりと共に自らも外資系ファストファッションブランドへ転職すると、販売・ストアマネージャーを歴任する。現職は大手外資系ブランドのエリアマネージャーとして数店舗を束ねている。
販売をイチから学び、得意の語学を生かした転職で徐々にステップアップ
―卒業後のキャリアを教えていただけますか?
大学卒業後は、自分の可能性を探すつもりで興味のあったアパレル業界に入りました。1社目は外資系カジュアルブランドにアルバイト入社し、販売をイチから学びました。2社目は1年間の販売経験で得たスキルと大学で極めた外国語スキルを活かして外資系ブランドへ転職し、総務マネージャーのポジションで多岐に渡り仕事をこなすように。ただ、そのブランドに転職して2年ほど経った当時、世の中的にはファストファッションが盛り上がってきて…自身もその流れと共に3社目の語学がより生かせる外資系ファストファッションブランドへ転職しました。
―ファストファッションブランドでは再びストアスタッフになったのでしょうか?
入社後はストアスタッフとして従事していましたが、4ヶ月ほど経った頃インテリアに特化した別ラインブランドが日本に初上陸するタイミングで、本部から声を掛けていただいて異動しました。こういうときは挑戦する気持ちと振ってもらった仕事をネガティブに捉えないという自身のポリシーがあるので、その場で「行きます!」と。洋服からインテリアへと扱うものは変われど、対お客様のサービスは変らないので、声を掛けていただいた次の週には店舗にいましたね(笑)。元々チャンスには挑むタイプ。やる気とエネルギーさえあれば仕事は自然と覚えていける。異動から半年後には郊外のショッピングセンターの店舗で店長職に、その3年後には旗艦店の店長を任されました。
―順調にステップされていったんですね。
大規模店舗のストアマネージャーまでくると、売上を上げ、チームビルディングを積み上げるだけでなくプラスアルファで何か結果を出さないと目立てません。自分の範疇の仕事は完ぺきにこなしつつ、直属の上司となるエリアマネージャーの補佐的な役割ができるよう日ごろからエリアマネージャーとの会話の中で探っていきました。幸い自分には語学スキルがあったのでその部分でサポートしたり、マネージャーがラウンドしてきた際には、知りたいであろう情報と分析をしっかりと準備するように心がけていましたね。
しかし、本社職のポジションまでもう一歩というところでコロナ禍に…本部の体制やフロー、出店規模や店舗バジェットなど様々なところに影響が出ていたので「(本社職への異動は)様子を見たいと」言われてしまって…。
結局、社会や会社の流れがスローになっていくところを感じてしまい、自身のパフォーマンスに対して評価が追い付いてこない部分もあって、4社目の現職へ転職することにしました。
ついに熱望していたエリアマネージャーに! 販売職の経験が日々生かされている
―現職では望まれていた職種に就けているのでしょうか?
自分が一番希望していたエリアマネージャーとして、店舗をいくつか抱えながら店舗や売上管理を行っています。
―販売職が生かされていると感じる部分はありますか?
販売の仕事というのは、人とのコミュニケーションから自らを見つめ直すこと。20代~30代前半は特に、自分では分からないようなことを他人に気づかされることもある。お店でも本部でも人と仕事することには変わりないので、人間関係や良いチームを作るうえで、自分自身を少しでも知ってもらうために、販売職から自らを知るというのは役に立ったと感じています。
一方で販売自体が一番メインの仕事になる中で、店がどのように運営されているかというのは店にいないと分からない。商品はどういうスパンとフローで入ってきて、店舗に来たらどう開梱されて店頭に並べられて販売に至るのか。運営の一連の流れは、座学で教わるだけでは分からないので、現場で感じたことが大きいですね。
―逆に苦労されていることはありますか?
外資系ブランドということで考え方や仕事のやり方も違うので、自分のやってきたものはいったん置いて、新しくアダプトする作業が苦労しそうです。でも、柔軟でオープンマインドに、今まで通り前向きにやっていければ大丈夫かなとは思います。
上司からの指示に対してはクイックレスポンスが命!?
―今のポジションを得るために努力したことはありますか?
自分の上長たちが望むことは会社が望むことでもあるので、望まれたことに対していかにクイックレスポンスできるかを一番大事にしていました。それにプラスアルファ、次に望まれるものであろうポイントを自分で考えながら動いています。
―上司や会社が望むことをクイックに対処してかつクリアもしている。店舗という場所で一人では難しいかと思いますが、他のスタッフも巻き込んでいたのでしょうか?
販売店というのはチームで動いているので、自らがリーダーとして動くことはもちろん、スタッフと一緒になって前に進むことが非常に大切だと思います。自分もスタッフも一人の人間として、みんなと協力しながら同じベクトルに向かって進むように意識していました。
―本社勤務へのチャレンジは大変なこともありましたか?
社会の流れなど外的要因はもちろん、単純にポジションの枠や順番などもあると思います。私のように8年弱頑張っていても順番が来ないこともある。そうなってしまうとネガティブになることもあるかと思いますが、仕事中は決してそんなところは見せないよう意識していました。
でも、チャンスがもらえないと落ち込む日は絶対あると思うので、そんなときは「自分のやりたいことはなんだっけ?」と振り返るのもいいかもしれません。
―本社職を目指す販売員の方々にアドバイスをいただけますでしょうか?
お店では一人のプロの販売員として気持ちは常に高く保ち、ブレてるように見せないようにすること。常に自分が目標としている仕事を忘れずに、「今何をやったらそこに近づけるのか」を常に考えることが大事。同時にしっかりお休みをとりつつリフレッシュして、マインドのバランスを保つことも忘れないでください(笑)
あと、私に限っては半年以上の転職活動を経て本社職に就くことができましたが、途中は何度も折れそうになりました…。でも、自分が納得して挑戦したいものに必ず出会えると思うので、諦めずにチャンスを待ちながら準備しておくことが大切だと思います。
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