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「悩んでいるのは自分だけじゃない」タレントIMALUを中心とした3人組が本音で性や体の悩みを語り合うライブ配信「ハダカベヤ」とは

「悩んでいるのは自分だけじゃない」タレントIMALUを中心とした3人組が本音で性や体の悩みを語り合うライブ配信「ハダカベヤ」とは

stand.fmで配信中の「ハダカベヤ」を主宰しているタレントのIMALU氏、ランジェリーブランド「Albâge Lingerie」代表のMEGUMI氏、広告代理店に勤めるNATSUKO氏。「ハダカベヤ」は、普段から飲み友だちである3人を中心に、体や性の悩み、対人関係や恋愛、社会課題についての疑問などライフステージに沿って生じるさまざまな選択肢をリスナーとディスカッションする配信である。この活動をはじめたきっかけや、気になる配信内容について、主催者の3人にお話を伺った。

IMALUさん/タレント
語学を学ぶためカナダの高校へ留学。 帰国後、ファッション誌でモデルデビューした後、現在はタレントとしてTVや雑誌で活躍中。映画・音楽好きでも知られており、 イベントや配信ライブなどのMCやゲストとしても活躍している。

MEGUMIさん/ CO-FOUNDER COO
2015年、「株式会社XY」を設立。ブランデイング・コンセプトメッセージのライティングやPR・SNS運用を担当。フェムテックのアクセシビリティ格差是正の一環としてブランドの売り上げの一部から吸水ショーツを寄贈するプロジェクト「Lingerie For Education」を主宰している。

NATSUKOさん/広告代理店勤務
アパレル・芸能事務所・webデザインの会社などに勤め、現在広告代理店に勤務。食べること・飲むことが趣味の大半で、最近ではフライフィッシングも趣味としている。広告代理店を通じて様々な角度からのコミュニケーションの勉強中。

※「ハダカベヤ」は音声配信アプリ「stand.fm」で毎週土曜日の夜10時に配信。アーカイブはWEBで聞くことが出来る。

左)MEGUMIさん、中央)IMALUさん、)右)NATSUKOさん

1人で抱えるより、みんなでシェアできる場を作りたい

―音声配信アプリ「stand.fm」で毎週土曜日の夜10時に配信中の「ハダカベヤ」ですが、IMALUさん、MEGUMIさん、NATSUKOさんがこの配信を始めた経緯を教えてください。

IMALU:もともと生理の話などは友だち同士でしていたのですが、30代になると周囲で結婚や出産をする人がでてきて。出産や子育てといった将来のことをリアルに考える年齢になってきたな、と感じたのは大きなきっかけでした。あと30代になって世間からの見られ方も変わり、「結婚はいつするの?」とか「子どもは欲しいの?」と聞かれることがものすごく多くなって。プレッシャーを感じるようになったことも、影響しています。

そういう話を学生時代からの友人であるMEGUMIとしていた時、彼女は下着の会社を経営しているから、女性の体についての分野に詳しくて。フェムテック(※)という言葉も、MEGUMIから教えてもらったんですよ。こういった女性ならではの悩み、それからLGBTQコミュニティの方たちのことなど、なかなか話題に上がらないことを「みんなで話し合いたい。シェアできる場を作りたい。イベントをやりたい」と考えて。本当は2020年の春ぐらいを目指してやろうと話をしてたんですけれど、コロナと被ってとん挫してしまったんです。
それで音声SNSアプリケーションClubhouseが流行った2021年2月に、「一回ものは試しに」ということで始めました。

MEGUMI:IMALUは芸能という世界ですしふたりとも企業に勤めたことがないので、「ニュートラルな目線でそういうことを語ってくれる存在がいてくれるといいね」という話をして、広告代理店に勤めている友人のNATSUKOにジョインしてもらいました。

IMALU:当時はまだClubhouseもiPhoneユーザーしか使えなかったので。結構、限られたクローズドの状態で行っていたんです。でも小規模ではあっても、反応をよくいただくようになり、私たちもすごく学びの場として活用させてもらっています。Clubhouseの時は、卵子凍結の話について、詳しい方をお呼びしました。あと、Clubhouse上でつながって、産婦人科の方にお話しいただいたこともあります。

また和菓子職人の方から「男性社会の中、こういう大変さがあるんですよ」というお話が出たりも。皆さん、もちろんまったくお会いしたこともないんですけれど、本当にいろいろな内容で盛り上がって。同じように悩んでいる人がいることや、心の悩みがたまってシェアできない人がたくさんいるんだ、ということを感じましたね。

(※)フェムテックとはFemale(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語。女性が抱える健康の課題を、テクノロジーで解決できる商品やサービスを指す。

左)MEGUMIさん、中央)IMALUさん、右)NATSUKOさん

―“ハダカベヤ”というタイトルは非常にキャッチーで、内容的にもぴったりだと感じました。

MEGUMI:最初、Clubhouseの時は、“Naked Room”だったんです。「心を丸裸にじゃないけど、“裸の付き合いで”みたいなテンションで話せる場所にしたいよね」と。始めてから「Twitterでユーザーさんからいろいろなコメントをもらおう」という話をした時に、#Naked Roomだと、英語だしどうなのかな?みたいな感じになって。

「じゃあ、直訳する?」ということで「ハダカベヤ」にしてから、「ハダカベヤの…」と言われることの方が増えたんです。ハダカベヤの方が、ユーザーさんに受け入れてもらえるんだな、と分かりました。

IMALU: Clubhouseからstand.fmに移行することになり、どんな方でも聴けるようになったリニューアルをきっかけに「ハダカベヤにしちゃおう」となったんです。MEGUMIのInstagramのアカウントが、megnakedなんですよ。「下着ブランドでmegnakedってすごくいいね、しゃれてる」といったところからもらった気がします。

解決を目指すのではなく、選択肢を増やすのがハダカベヤの役割

―ハダカベヤの活動内容についてお伺いします。トピック内容はどのようにして決めていますか?

NATSUKO:あくまでも選択肢を増やす事を目的としています。いつも3人で「今、こんなニュースが上がっているね」とか「これに興味があるんだけれど、知っている?」とか、そういうものをシェアし合って決めています。時事問題に寄せることはあまり意識していません。それこそ「フェムテックでイベントがあるらしいんだけど、吸水ショーツってどうなんだろう?」など、そういう会話をする中で、「じゃあ、生理について話してみる?」「吸水ショーツを深掘りしてみようか?」といったテーマが生まれています。

IMALU:打ち合わせは定期的に。外で会えない時はリモートで最初にばーっと内容をつめて、その後はゆっくり飲んでいます(笑)。

NATSUKOさん

―実体験に基づいた自分たちの疑問を主軸にされているので、参考になる方も非常に多いと思います。それから去年フェムテックブランドさんとコラボレーションされていますが、そもそもフェムテックに興味を持たれたきっかけは、何だったのでしょうか?

IMALU:私は最初、MEGUMIから聞きました。MEGUMIは何をきっかけに知ったの?

MEGUMI:今の仕事をしていると、「産後でこういう事情があって、ブラジャーがはまらないんです」とか、女性のセクシャルな部分も含めての身体の悩みを聞く場面が多くて。お客様との会話のきっかけとして、何か解決できるような選択肢や情報を探して行く中で、フェムテックという言葉と出会いました。

私は「下着を通して新しい選択肢を提供したい」という思いから会社を立ち上げたのですが、うまく言語化できていなかったんです。でもフェムテックという一言がそれを網羅してくれたので、これはいいぞ、とすごく勉強した時期があった。おそらくその時にIMALUに話をしたんだと思います。

NATSUKO:自分から追求しないとなかなか出会わない言葉ですよね。興味があって自分のセンサーが働いているから、目につくような気がします。

―年齢もあるかもしれませんね。20代前半だったら、あまり気にしないような気もします。

MEGUMI:解決しないのが当たり前だった。フェムテックは解決しなくて当たり前だったことを、解決しようとするところがすばらしいんです。最近はフェムテックの中でも、医療的な部分や技術的なところをフェムテックと呼んで、デリケートゾーンケアなどは、フェムケアと言われるようになっていて。

細分化されることで、より正しい道に進んでいるんだと思います。今まではグレーだったフェムテックというジャンルが、より正しく伝わるものになっていっているのかな、という感じがします。

MEGUMIさん

―今までのハダカベヤの配信で一番反響があった回は、どんな内容を取り上げた時でしょうか?

MEGUMI:一番反響があったのは、PMS(月経前症候群)の対処法を取り上げた回です。Clubhouseの時も、とても盛り上がりました。あとは男らしさや女らしさについての回や、つい最近では、のじまなみさんという性教育アドバイザーの方をお招きした回の反響がものすごくあって。新しいリスナーさんにもお会いできました。

生理の悩みやPMSのことは、女性は特に興味がある。ハダカベヤユーザーの中には男性の方も結構いらして、パートナーがいて悩んでいらっしゃるとか、知っておきたいと思う男性も増えてきたのかな、という印象を受けています。

何よりも私たちがハダカベヤをコロナ禍で始めているので、「寂しい夜の乗り越え方」というテーマもあったんですけど、それもトップに上がってきていて。内に秘めるというか、誰かとわざわざ共有するわけではない話を私たちがあえて話題にして。さらけ出すという言い方が正しいかもしれませんね。そうやってさらけ出すことで、「寂しいのは、私だけじゃないんだ」とか、「男らしさ女らしさで苦しい思いをしているのは、私だけじゃないんだ」とか。わざわざ誰かと共有しないようなテーマを聞いてもらえているのは、ハダカベヤらしさの1つなのかと。

それから性教育については、のじまさんは「3歳から」とおっしゃっていたのですが、私たちの世代だと子どもがいる人でも、「まだちょっと早いかな」と当事者意識があまりなかったと思うんです。でも「これは自分にも言えることじゃないか」といった学びが多かった回なので、よりいろいろな反響がいただけたのかな、という気もします。

―のじまさんとは、どういうきっかけで出会ったのでしょうか?

IMALU:のじまさんとは面識がなくて、DMをお送りしてお願いしました。今までご登場いただいたゲストの方も、だいたい同じです。「こういうことをやっているのですが、ぜひゲストとしてお手伝いしていただけないでしょうか?」というDMを直接お送りしてこちらの熱意を伝え、ご協力いただいています。

自分自身が「輝いている」という感覚を持つことが大切なんだと思う

―国際女性デー特集にちなんで、今後女性がもっと社会で輝くには、どうしていけばいいと思われますか?

IMALU:「ハダカベヤを聞いたら輝けるよ」と言いたいところなんですけれど(笑)、そんなすごい配信ではないので。等身大で、気持ちのはけ口ぐらいの感じで思ってもらえたらいいのかな、と考えています。

ハダカベヤのメッセージとしても、「こうした方がいい。ああした方がいい」と言いたいわけではまったくないし、フェムテックを押し付けたいわけでもなくて。「とりあえずみんな、1回ちょっと飲んで話さない?」みたいなスタンスで、それがハダカベヤの個性かな、と思っていて。だから解決はしなくても、「ちょっと視野広がったな」と考えてもらえればベストかな、というスタンスでいます。

でも私はフェムテックの吸水ショーツに出会って、とても大きな気持ちの変化がありました。生理が来るか来ないか分からない日に吸水ショーツをはくと、毎日トイレに行くたびにナプキンを持っていって、「また来てない」とイライラするストレスがなくなって。それだけで、本当に1日が変わったんですよ。
そういった本人が気付けていないような小さな日々のストレスは、実は多いのかなと思います。問題解決を目指すと、やはりどんどん女性が輝いていくことにつながるのかな、と思いますね。

IMALUさん

―私もPMSやフェムテックの回を聞いて、本当に選択肢が広がりました。

IMALU:「これ、自分だけかな?」と思うことって、たくさんあるじゃないですか。この番組を聞いて「こういうことをしゃべっていいんだ」とか、「私と同じ人がいたんだ」と安心してもらえたら嬉しいです。

NATSUKO:話せる場があるから、私たちは解決できたり、納得することが多いです。話したり調べたり聞いてみたりと、何かしら自分で一歩前にでてみると、世界が変わりますね。それこそPMSの回でリスナーさんが、「休むときは休んでいいんだよ」というコメントをしてくれた時に、会社によって生理休暇があるじゃないですか。「使ってみるか」という勇気がわいて。「生理休暇って使いづらい」という印象がすごくあるけど、パフォーマンス能力が下がるぐらいなら、休んだ方がいい、と。いろいろな人の意見を聞くと、意外と勇気がわいて、一歩踏み出してみることができると思います。

IMALU:あとハダカベヤを始めて、女性はお金がすごくかかることに気づきました。女の人って、生理が来たらナプキンかタンポンを買わなくてはいけない。ピルにしたくても、ピルもお金がかかるし時間もかかる。ハダカベヤではメイクの話もあったんですけれど、学校では「メイクをするな」と言われるのに、就職の時は「メイクをしなさい」と言われてメイク道具を買わなくてはいけない。女性はいろいろなことに気を遣って、変な世間のプレッシャーにさらされているな、と改めて思いました。

MEGUMI:そもそも、下着も倍かかりますし。私は下着ブランドをやっているので、そちらの目線からの話になってしまうのですが、弊社ではスタッフに「おっぱいというワードは使わないように」と伝えているのですが、あえて分かりやすくおっぱいというワードを使いますと、誰一人として同じおっぱいの方はいないんです。みんな違う。それと同じだと思っていて。世の中は「このおっぱいがきれい」とか、そういう情報であふれていますが、どんな女性の方の胸でも、本当に美しいんです。これはいろいろな人の胸を見てきた自分だからこそ、自信を持って言えます。だから、輝こうとしなくていいんです。そのまま、自分にとってベストな、フィットするものを見つけて欲しいです。

IMALU:これはぜひ、書いてください(笑)。

MEGUMI:よく「女性が輝く~」とか、「女性活躍〇〇」と言いますけど、その表現は男性的だなと思っていて。その人の魅力は、その人にしか分からないので、自分が「一番輝ける瞬間はこれだ」という感覚を持てば、絶対に輝くと思います。下着もそうですけど、まず自分のベストを知ること。そういうありのままの姿を、私たちはハダカベヤで発信できていると思うので、それを聞いて安心していただきたいです。

家で誰にも気を遣わずにダラダラする姿というのは、決して人にお見せできるものでもないんですけど、そういう自分も好きなので。皆さんもそうだと思うんですけど、だらしない自分も好きな瞬間があると思うし、キメている自分が好きな瞬間もある。それぞれ、それなりに輝いている。だからどちらの自分にも、自信を持っていいんだと思います。

―今後の活動についてもお伺いできますか。

NATSUKO:「ハダカベヤ」のテーマや情報はTwitterのアカウント「ハダカベヤ」から投稿していますので、ぜひ見ていただきたいです。今後はいろいろなチャンネルを持って、YouTubeなど、活動の範囲を少しずつ広げていきたいです。

ハダカベヤ
stand.fmで配信中の「ハダカベヤ」は、タレントのIMALU、ランジェリーブランド「Albâge Lingerie」代表のMEGUMI、広告代理店に勤めるNATSUKOという普段から飲み友だちである3人が体や性の悩み、対人関係や恋愛、社会課題についての疑問を”ハダカの声”でディスカッション。ライフステージに沿って生じるさまざまな選択肢をみなさんと一緒に考えるPodcast番組。

4月上旬からリニューアルし、stand.fmに加え、主要ポッドキャストでの配信も決定!

取材:キャベトンコ
撮影:Takuma Funaba

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