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ここまで聞いていいんですか!?ラグジュアリーブランド販売員がこっそり明かす、リアルストーリー!

ここまで聞いていいんですか!?ラグジュアリーブランド販売員がこっそり明かす、リアルストーリー!

今回は、匿名によるインタビューならでは!某ラグジュアリーブランドで8年間販売員を勤めているK氏に、販売員のリアルな実情をあれこれ伺いました。6年間大阪に勤務したのちに東京の店舗に配属されたK氏。お給料の話からラグジュアリーブランドのこれから、大阪と東京の違いなど、なかなか聞けない情報をお届けします。

やはり気になる!?給与とインセンティブについて

最初の質問からいきなりですが……お給料やインセンティブについて伺えますか?

K:今のブランドに入って8年になりますが、最初に比べて月給は10万円ほど上がりました。販売としてはけっこう上がったほうなのかな、と思いますが、元の金額がもしかしたら少し低かったのかもしれません(笑)。

インセンティブはブランドによって本当にさまざまです。うちの場合は、1ヶ月の売上が一定の基準に達すると、売上の1%が店舗全体のインセンティブになります。これを店舗スタッフの頭数で割って1人当たりあたりのインセンティブの額が決まります。さらに売上が一段階伸びるとインセンティブの比率が2%に。

このほかに、高単価のアイテムが売れた場合は価格の2.5%をやはり店舗の頭数で割った金額がスタッフに支給されます。お給料と同じくらいのインセンティブが入ることもあります。でもそのぶん基本給が上がりづらくもあるので、そこを問題視する人もいますね。

では個人の売上というのはあまり重要視されていないのでしょうか?

K:個人予算目標というのもあって、これを年間でクリアできればもちろん個人の評価につながります。ただ、うちは基本的には店舗ごとの月の売上が一番重視されています。

―なるほど。ブランドによっては個人の売上ごとにこまかくインセンティブの算出方法が決まっているところもあるので、本当にさまざまですね。

休みのとりやすさはお店次第

― 土日や、そのほか希望日に休みを取ることはできますか?

K:そのあたりは、同じブランドでも店舗によってさまざまです。店舗のトップの考え方次第というのが実情。また、路面店か百貨店かによっても異なりますね。

路面店は比較的土日でも休みがとりやすいですね。百貨店の場合は土日のほうが売上が高いことが多いこともあり、土日にコンスタントに休むにあたっては交渉が必要かと思います。

転職についてのポジティブな考え

― 転職を考えることはありますか?あるとしたらそれはどんな時ですか?

K:現職よりも、さらに「自分を必要としている」環境があると判断した場合ですね。あるいはそこにいることで世界が広がっていくビジョンが見えづらいとき。現職が嫌になるからではないですね。

私は何回か転職を重ね、今のブランドに辿り着きました。転職を繰り返す人は、「忍耐力がない」という評価を受けることもありますが、むしろ「新しくチャレンジする機会がある」、「ステップアップにつながる」と考えられるような案件があれば、フットワーク軽くチャレンジしたいと考えています。

キャリアアップの面で差?東京と大阪の違い

― Kさんは、現在は東京に勤務されていますが長い間大阪で勤務されていましたね。東京と大阪で、客層やキャリアアップの面などで違いはありますか?

K:キャリアアップを考えるのであれば東京はやはり行っておきたい場所ですね。人口、店舗数、本社数どれをとっても多く、チャンスの場が至る所にあります。安定志向のかたであれば逆に地方のほうがやりやすさを感じるかもしれません。

お客様の傾向は東京と大阪ではやはり違いを感じます。東京では接客に対し、「商品についての必要最低限の情報」についてスマートな説明を求める傾向があります。それに比べると大阪は、「商品についてのストーリーや詳細」、そしてスタッフとのコミュニケーションそのものを求められることが多い。

文化の違いの他に、単純に人口の違いもあるので、求めるコミュニケーションの密度も少し異なるということもあるかもしれないですね。

ラグジュアリーブランドのビジネスのこれから

― コロナ後のビジネスについて、どう予測しますか?10年前と今、10年後でどうなると思いますか?

K:まず10年前と比べると格段にECを利用して色々と買いやすい環境になりました。ですが、この先ECがどんどん発展していったとしても、実店舗がいらなくなるかというと、そうではないと思います。今でも、実店舗で商品を見てからECで購入する、という買い方をするかたは多くいらっしゃる。これからも、ブランドを体現した空間でもある実店舗に身を置いて商品を確認し、スタッフが提供する様々な情報を聞いたりしながら購入することの重要性というものはなくならないはずです。

AIによる接客に置き換わる、という話も昔はよく言われていましたが、現状を見るに、ラグジュアリーブランドでの接客においては特にAIによる接客が主流になることは考えにくいですね。AIに薦められたからといって、たとえば300万円のアイテムをぽんと買う気になる人はそうそういないでしょうから(笑)。

これから先は、実店舗の必要性とECビジネスの強みがうまく調和していくとポジティブに考えています。

販売職の魅力

― これからも販売の仕事を続けていきたいですか?また、続けていくとしたらどういう夢がありますか?

K:そうですね、続けたいと思っています。「あの人から買って良かった」とお客様に感じて頂くことが一番の喜びです。最初の来店では買いたいものが見つからなくても、その後何度かの来店、接客を経てようやく納得のいくものと出会い、ご購入に至ることもあります。

また、最初は50万円のアイテムが欲しかったお客様が、接客を経て最終的に250万円のアイテムを購入してくださったこともあります。これは、コロナのためにそのお客様の趣味だった旅行ができなくなり、より予算に余裕ができたことも要因のひとつではありますが、本当にそのかたの求めているものを価格帯を制限することなく提案を重ねたことによって、一番満足のいく答えを見つけて頂くお手伝いができた結果としてご購入につながったのだと思います。

ぐいぐいと値段を吊り上げていくのは良い接客とは言えません。様々な選択肢を展開しながらベストの答えを選んでいきたいですね。

「あと40万円で今月の売上が目標を超える…!」などとギラギラした考えが頭をかすめると、表面には出していないつもりでもなぜか話が流れる方向にいったりして(笑)、本当に接客って難しい部分もありますが、だからこそとても面白く、魅力があると感じています。

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文/ミカタ エリ

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