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情熱、地道さ、負けん気を糧に。営業ひと筋で歩んできた「ロフテー」代表のキャリアストーリー

情熱、地道さ、負けん気を糧に。営業ひと筋で歩んできた「ロフテー」代表のキャリアストーリー

ここ数年、急拡大する睡眠市場。今でこそ、「質の良い睡眠を」と叫ばれるようになったが、15年以上も前から睡眠の重要性に着目し、睡眠研究と商品開発をすすめてきたのがエアウィーヴだ。グループブランドのロフテーとともに、人々の睡眠の質の向上を目指した商品を展開している。今回は、そんな2つのブランドで責任ある立場を兼任している𠮷川 正氏にインタビュー。数社での営業職を経て現職に至るまで、営業経験から得た学びや原動力となっているもの、今後の展望について親交がある北川加奈氏がお聞きした。

𠮷川 正さん/ロフテー株式会社代表取締役社長、株式会社エアウィーヴ常務執行役員 営業本部本部長
1961年生まれ。大学卒業後、園芸資材を扱う商社に入社。その後、菅原工芸硝子株式会社に転職し、営業として卸先を多数開拓する傍ら、商品の企画・開発にも従事。ガラス製品について知見を広めるうちにフランスのクリスタルブランド・バカラの技術、品質に惹かれるようになり、バカラパシフィック株式会社に入社。20年以上にわたって営業に従事し、百貨店のショップ展開に大きく貢献。その後2012年、株式会社エアウィーヴに入社。店舗営業部長、法人営業部長を経て、2015年常務執行役員営業本部長に就任。2016年、グループ会社のロフテー株式会社代表取締役社長に就任。エアウィーヴ常務執行役員営業本部長を兼務し現在に至る。

北川 加奈さん/エーバルーンコンサルティング株式会社 ヴァイスプレジデント・人材コンサルタント
静岡県出身。英国への留学を経て、英語教師としてキャリアをスタート。その後、人材業界に転身し、外資系人材コンサルティング会社にてキャリアを積んできた。2021年エーバルーンコンサルティングの上級職に就任。ラグジュアリー、ファッション、ライフスタイル、コスメティック業界に専門性を持ち、外資系クライアントのエグゼクティブサーチを中心に強みを発揮している。また「歩く人材データベース」とも呼ばれ、業界でも屈指のネットワークを誇り、キャリアを通じての人材紹介数は3,000件を超える。平日にはハイブランドのファッションを愛するかたわら、週末にはアウトドアを愛し都市と自然の調和の取れた生活を、愛犬とともに送っている。

積極的な営業活動を行い、企画・開発にも従事

― 𠮷川さんのこれまでのキャリアについて教えていただけますか。

大学卒業後は、ヨーロッパから園芸資材を輸入している商社に就職しました。あるとき、お取引のあった菅原工芸硝子の代表の方から、「うちで一緒に働かないか」とお声をかけていただいたんです。「一度、ガラス製造の様子を見に工場に来なさい」と言われ、見学しに行ったところ、職人さんたちの手仕事、作業の様子、現場の空気感に強く魅了されました。そこで菅原工芸硝子への転職を決意。その後は営業として4年ほど勤務しました。

― そうだったのですね。主にどんなお仕事内容だったのでしょうか。

私が入社した当初は、製品を喫茶店やレストランに商品を卸す業務が中心だったのですが、ブランドとして確立させたかったので、業界内でも注目されている生活雑貨を扱っている某ショップに営業をかけました。そこに卸すようにしたところ、目論見通り、日本中の小売店からオファーをいただくことに成功。そこからブランディングに着手していきました。

― 営業だけでなく、商品の企画・開発にも携わられたそうですね。

そうなんです。きっかけは、新規のお客様や若いお客様の獲得を目指し、当時流行していたDCブランドに飛び込み営業したことから。アポなしで訪問して受付にいたところ、たまたまその会社の専務が通りがかり、「5分だけなら話を聞くよ」と言ってくださったのです。その後はトントン拍子に話が進み、ブランドのノベルティ商品を担当するなど、様々なカタチでお取引が始まりました。そんな噂が広まったのか、某ジュエリーブランドからも「リング用のガラスケースを作ってほしい」と依頼をいただきました。そういった流れから営業の枠にとどまらず、企画・開発の仕事にも携わるようになっていきました。

当時はDCブランドの全盛期。飛び込み営業をして自ら顧客開拓と企画を行い、雑貨ブランドへ入り込んでいった。

情熱を持って、地道にブランドの魅力を伝えていく

―「バカラ」の日本法人では、長きにわたって営業を経験。転職のきっかけは何でしたか。

ある日、市場調査の一環でバカラのショップを訪れ、初めてじっくりとバカラの製品を見たんです。そのとき、あまりの完成度の高さ、美しさに圧倒され、とても大きな衝撃を受けました。そして、「こういう世界があるなら、そこに身をおいて働いてみたい」と思うようになったのです。後日、新聞でバカラの求人を見つけて、迷わず履歴書を書いて応募しました。そしてご縁をいただき転職。よく、“転職は縁と運とタイミング”と言いますが、まさにそうだと思いました。

― 実際に、ご入社されていかがでしたか。

実は私が入社した当時、バカラはまだ日本でほとんど知られていないブランドでした。国内に直営店が2店舗あるほかは、いくつかの百貨店の輸入品コーナーの棚に商品が少し置かれている程度。認知度のないブランドを広めるところからのスタートでしたが、それは前職で行っていた仕事とも近いものがありました。

― そのような仕事を進める上で吉川さんが大切にしてきたことは何でしょうか。

情熱だと思います。営業先に自社ブランドの魅力、商品がどれだけ素晴らしいものなのかを伝える際、自分の中に情熱がなければきっと心が折れてしまうと思うからです。営業は、実績をあげながら、ひとつひとつ営業先やお取引先にお伝えしていくというとても地道な活動の積み重ねです。それがあって、ブランドが徐々に広まっていくのだと思います。

バカラ在籍時には、大横綱である貴乃花氏が挙式披露宴の際に引き出物としてバカラを利用したことがきっかけで、人気に火がつき積極的な店舗展開を後押しした。

口に出して言うことで、自らを鼓舞して乗り越える

2012年、現在勤務されるエアウィーヴにご入社。それまでのキャリアとは少し異なる、寝具メーカーへのご転職ですね。

そうなんです。「イノベーティブな睡眠環境を提案する」という創業時からの経営理念、方針に魅力を感じました。そして、寝具というカテゴリーではなく、リビング商材として捉えるとこれまでのキャリアが活かせるかもしれないと思ったんです。エアウィーヴでは、“睡眠の質を上げることは、現代人にとって極めて重要なテーマである”という考えのもと、外部の専門機関と連携しながら睡眠研究を行い、独自素材・エアファイバー®を使った商品づくりを行っています。日本だけでなく、海外市場へも進出していけるものづくりという点にも大きな可能性を感じています。

ご入社されて、𠮷川さんはどのようなお仕事を任されたのですか。

ちょうどその頃は、フィギュアスケートの浅田真央さんにCMに出ていただいたり、テレビでタレントさんにご紹介頂いたりとエアウィーヴの認知度が急速に上がっていた時期だったのですが、店舗はまだ1軒もない時期だったんです。そこでまずは百貨店にショップをつくっていく必要があり、その交渉から行いました。最初に、東京・新宿の京王百貨店にショップが出来たのですが、そこでは順番待ちが出るほどたくさんのお客様にお越しいただいて。「これはいけるぞ」となり、そこから2013~2014年にかけて全国の大手百貨店にエアウィーヴの店舗をつくっていきました。

前職で百貨店のリビング商材担当者と関係性を築き上げてきた𠮷川さんの手腕が発揮されましたね。仕事を進めていく上で、𠮷川さんの原動力となっているものは何でしょう。

これまでの仕事人生、打ち砕かれる瞬間は何度もありました。でも、その度に「次は絶対勝とう、次は負けたくない」と思ってやってきました。それが私の原動力ですね。私の場合は、そういう想いを自分の中でとどめておかずに口に出して周りの人に言います。そうやって、自分で自分にプレッシャーをかけるのです。そうしないと、「できなくてもいいや」という気持ちになってしまいますから。結果がどうであれ、勝負することが大事。そうすることで人は成長し、次のステージへ上がっていけるのだと信じています。

なるほど。そうやってこれまで様々なことを乗り越えてこられたのですね。

私は負けず嫌いですし、根が体育会系なもので(笑)。特に営業職の場合は、取引先を含めて、目の前の相手とは相いれないことが多いです。ブランドという傘の下にいなければ、相手から言われるままに流されてしまうかもしれません。ただ、ブランドの営業という立場である以上、それはできません。そこを譲ってしまうと、ブランド全体が崩れてしまうからです。それは、バカラでの営業時代に徹底的に学びましたね。

𠮷川さんはエアウィーヴの営業本部本部長だけでなく、ロフテーの代表取締役も務めておられます。ロフテーの事業ではどのようなことを目指しておられますか。

皆さまの睡眠の質を高めたい、という想いはエアウィーヴと同じです。ロフテーではこれまでは全国約50店舗での対面販売をメインに商品を販売してきましたが、今後はPRやマーケティングを含め、デジタル面を強化していきたいと考えています。店頭ではピローフィッターと呼ばれるスタッフがお客様の頚椎孤(首のカーブ)の深さを計測し、おひとりおひとりに合った枕をご提案していますが、今後はデジタル計測もできるように進化していきたいです。

日本橋のロフテー枕工房本店では、プロのピローフィッターが、頸椎部の計測や睡眠環境をヒアリングして、店内のベットで感触やフィット感などを試すことができる。

今後、ロフテーではどのような方と一緒に働いていきたいですか?

物事に対して情熱を持って取り組める方、チャレンジすることを恐れない方、失敗から学びを得て、次に何をすべきか考えられる方、自ら勉強しようという姿勢のある方ですね。加えて、「睡眠」「寝具」というジャンルに対してポテンシャルを感じていただければうれしく思います。

エアウィーヴグループの「ロフテー」では、事業拡大によりさまざまなポジションで新しいメンバーを積極的に募集しています!ロフテーと一緒に寝具業界で新しいイノベーションを起こしたい方はぜひこちらからご応募ください。

文:鈴木 里映
撮影:Takuma Funaba

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