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「MUKOOMIを人とつながる場所にしたい」MUKOOMI代表 吉川プリアンカ氏

「MUKOOMIを人とつながる場所にしたい」MUKOOMI代表 吉川プリアンカ氏

学生中にビジネスを立ち上げたり、卒業後すぐに起業したり、と経験のないままにビジネスを始める若者も現代には多くいる。吉川プリアンカさんもそのうちの1人。幼い頃から頑なに、企業には属したくないと思っていたのだそうだ。

吉川プリアンカさん
CBD ウェルネス&ビューティブランドMUKOOMI代表。

インド人の父親と日本人の母親を持つ、ハーフ。幼少期をアメリカとインドで過ごし、小学6年生の時に帰国。世界3大ミス・コンテスト、ミス・ワールド・ジャパン2016年度日本代表。象使いの資格を持つ。9月24日〜27日代官山にてMUKOOMIのポップアップを開催。
Instagram:priyankayoshikawa

―起業しようと思った理由を教えてください。

小さい頃から、18〜25歳くらいまでの間に起業したかったんです。というのも両親ともに就職していないので「大学を卒業したら企業に勤めるべき」みたいな、いわゆる“日本の当たり前”を押しつけられずに育ったんですね。また、幼少期を海外で過ごしたのも理由のひとつ。なにがしたい、という明確な目的はありませんでしたが、とにかく会社に入って仕事をするのは違うと思っていたんです(笑)

―なるほど。その後、小学6年生のときに日本に帰国し、いじめを機に芸能界に入られていますね。そのまま芸能界で頑張ろうとは思わなかったのですか

頑張ろうとは思ったのですが、いまいち転ばず、21歳の時に一度お休みをしました。でもそのときに、やっぱり自分は表現することが好きだと気づいたので、ミスコンに応募しました。そしたら幸いにも、日本代表に選ばれたんですよね。

そうしたら、今度は話す仕事に向いていると気づいて、その時に芸能とはいっても23歳までは日本代表任期だったので、形を転換して行こうと思いました。目指すべきゴールへ辿り着く方法は「芸能」だけではないと。でも、任期は2017年9月まで。それでじゃあこの後どうしようかなと悩んだ末に、インフルエンサーの会社を興そうと決めました。ミス・ワールドは世界120カ国が参加しているので、いまの自分の立場を活かせばビジネスができると思ったんです。ほかに物販も考えました。わたし、足のサイズが27センチあるんですよ。これから日本には外国のお客さんも増えるし、いいかなと思って。

―でも結果的には靴ではなく、データマーケティングでビジネスを始めていますね。

そうなんです。サンプルをつくろうと思って、とある会社の社長さんと話したときに、119カ国と繋がりあるならそこをもっと強化したほうがいいよ、と言われたんです。それでとりあえず会社をつくらないと何も始まらないと思って、急いで興しました。インドに旅行に行く数日前で、まだマーチャンダイジングさえも見えていない頃でしたね(笑)。

―なるほど。でもその会社は、およそ1年で手放しているんですね?

クローリングやデータを納める会社にしていたんです。先ほどお話した通り、本当はインフルエンサービジネスをやりたかったのですが、3.4年ほど前、本当に数字が取れるのか?と市場価値が少し落ちたじゃないですか。そのタイミングと被っていたので、いま方向転換するのは危険だと思ったんです。会社にはお客さんもいたし、収入源は確保されていたので、シフトチェンジせずにこのまま進めるのがいいかなと。

―方向転換するにも、畑を変えるのは危険だと思ったんですね。

そうですね、自分の仕事にできないなと思いましたね。いまの自分があの頃に戻ったら、もう少し上手く舵を切っているとは思うんですけどね。で、結局その会社を2018年の冬頃に売って、2019年の3月にMUKOOMIを立ち上げました。

―MUKOOMIを始めていかがですか?

この間先輩に、人生で初めてこんなにしんどい、と話したところだったんです(笑)。もうすぐ27歳になるんですけど、同い年の友達がみんな実績をつけているという焦りや、会社を守らなければいけないという責任からくる重圧を受けているので。そしたらその先輩が、いま出産中だからきついんだよと言ってくれて、すごく腑に落ちました。それに、じゃあ辞めれば?と言われたら、そっちの方が辛いんです。

―走ることを止める方が怖いということですか?

そうですね(笑)。たぶん、何をして生きたらいいかわからなくなってしまう。今年の5月にローンチして、いま資金を集めている最中なので、次のステージにいけば、もっとできることが増えると思います。そうなるとやりがいも増えると思うんですよね。ほんとMUKOOMIは私のだけではなく、手に取ってくれる人全員のものなので、一緒にMUKOOMIが目指している景色を見たいという思いの方が強いですね。

―なるほど。MUKOOMIはどんなプロダクトを展開しているのでしょうか?

MUKOOMIは多様性にフォーカスした、CBD ウェルネス&ビューティブランドです。現在は、男女兼用の商品を販売しています。今後はもっと男性ラインと女性それぞれに特化したしたラインや、年齢に合わせたラインなども展開していこうと思っているのですが、まずはどんな肌タイプの方にも使っていただきたかったんです。

―CBDついて詳しく教えてください。

CBDは大麻植物に含まれる有効成分のうちのひとつである、カンナビノイドという成分です。日本でも合法が認められており、食欲の低下や睡眠不足、不安症やPMSなどといった、体の不調をもとに戻してくれると期待できると言われています。簡単にいうと身に起こる不調を元に戻してくれることが期待できるという感じです。

―近年日本でもCBDの認知度が上がっていますが、プリアンカさんのきっかけはなんだったのでしょうか?

日本にいる時にストレスでニキビが止まらず、しかも治らなくて余計に悪化する、という最悪なループを繰り返していました。そのときちょうどモデルの仕事でアメリカに行くことになり、友だちに相談したところ、飲むCBDを勧めてくれたので試しに飲んでみたんです。そうしたらニキビが落ち着いてきたんです。日本では認知度が低いのですが、実はヘンプって環境にもすごくいいんですよ。プラスチックの代替品にもなるほどなんです。ちなみにうちでは、容れ物はすべてガラスを使っていて、価格帯は3000〜6000円。CBDは、そもそもは高いのですが、企業努力によってこのような価格帯を実現しています。

―MUKOOMIが多様性にフォーカスしている点についても詳しくお聞かせいただけますか?

日本は他国よりも、右向け右、というか、こうであるべきという思考が強くありますよね。他人の考えに対して寛容ではないというか…。私はそんな日本の在り方に対して違和感を感じているので、MUKOOMIをひとりひとりの個性を活かせる場所にしたいと考えています。今後オフラインとかもやっていきたいので。コロナが落ち着いたらリトリートなどもやりたいなと思っています。

―ミス・コンテストを受賞したこともあって、プリアンカさんは、経営者でありながらフロントマンでもありますよね。ご自身のなりたい人物像はあるのでしょうか?

大きなことをいうと、世界にいい影響を与えられる、声をあげられる、アジア人を代表できる女性の一人になれたらいいなと思います。自分の得た経験が誰かのためになるって素敵なことだと思うんです。だから今後は、以前オファーをいただいた「TED」のようなスピーチや、ディレクションの仕事も増やしていきたいんです。これまで経験してきたことはすべて自分が成長するためのネタだと思っているので、無駄なことはひとつもないと思っています。だから、自身の恋愛でさえ、話のネタになりそうならボイスメモに残すんです(笑)。象使いの資格を取得したのも、わたしにとってはひとつのネタ。

―ほかに、お仕事でコロナの影響は受けていますか?

会社はD2Cなのであまり影響はないのですが、個人のお仕事は受けています。でもコロナになって行動力の大切さを学んだので、マイナスなことだけではないんです。今回のように自分たちではどうしようもないこともあるし、今後何が起きるかわからないから、後々あのときこうしておけばよかったと後悔しないためにも、やりたいと思ったら行動しよう、と。

―ありがとうございます。最後に、今後の展望についてお聞かせください。

お客さんとの交流の場を増やしたいと思っています。プロダクトの質を向上させながら、MUKOOMIの先にできる「輪」をもっと増やしていきたいですね。もちろん、多様性にフォーカスしているブランドだという認知度も高めていきたいです。

いまよりももっと多様性についてマイノリティだった時代を日本で過ごし、さまざまな体験をしたからこそ、若いうちに、やりたいこと、なりたいものを明確にできたんだろうなと感じました。プロダクトについてはもちろん、プリアンカさんの考え方に共感する人は多くいるはず。9月24日からPOPUPも開催されるので、MUKOOMIのよさをリアルで体験してみてはいかがでしょうか。


MUKOOMI POPUP
期間  :2020年9月24日(木)~27日(日)
営業時間:午前11時~午後7時まで
場所  :東京都渋谷区代官山町9−1 RE CREATE inc.
問合せ :03-6416-5440

撮影場所:gallery hotel WAVES NAKAMEGURO
〒153-0051 東京都目黒区上目黒3-7-6 松村第二ビル3F
※10月からはシェアハウスとして営業。

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