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【連載】プロがわかりやすく解説!採用ブランディングの進め方 <Vol.1定義と施策の全体イメージを掴む>

【連載】プロがわかりやすく解説!採用ブランディングの進め方 <Vol.1定義と施策の全体イメージを掴む>

ここ数年、HR・採用市場で浸透しつつある採用ブランディングや採用マーケティング。企業の採用活動における手法・施策だが、その解釈や定義の捉え方は企業や個人によって微妙に異なり、理想的なカタチで実施できている企業はまだそれほど多くはない。そこでこの連載では、「これから採用ブランディングや採用マーケティングを実践したい」、「成功させるためのヒントを得たい」と考えるブランド企業のHR・採用ご担当者に向けて、NESTBOWLの採用プロデューサーである山根康介さんがわかりやすく解説。第1回目となる今回は、NESTBOWLが考える採用ブランディングの定義、いまなぜ必要なのか、進める際のステップについてご紹介する。

採用ブランディングはなぜ必要?

採用ブランディングと採用マーケティングの違いを知る

採用ブランディングを考える上で、切っても切り離せないのが採用マーケティングです。まずは、採用ブランディングと採用マーケティングについてお話しましょう。

NESTBOWLではそれぞれ下記のように定義づけています。

採用ブランディング:企業が働く先としてどう思われるかを言語化し、採用市場に印象づけること(企業の内面を正しく求職者に伝えること)

採用マーケティング:企業に入りたくてたまらない求職者を集めること(求職者がスムーズに企業にエントリーできる施策・導線設計を行うこと)

※マーケティングではカスタマージャーニーと呼ばれる顧客体験のフレームワークがよく使われます。採用マーケティングでもこの概念・手法を活用します。詳しくは、Vol.2以降で解説しますが、「認知」「興味関心/理解」「検討」「行動・意思決定」のフェーズごとに施策を考え、戦略を立てていきます。

採用活動では、採用ブランディングと採用マーケティングの両輪がまわっているのが理想的です。

この2つを実施することで、

  1. 働く先としての企業イメージが正しく求職者に伝わる
  2. 企業にとって望ましい採用候補者が多く集まる
  3. 理想的な人材の獲得、採用活動の効率化に繋がる

という、採用活動においてとても大事な流れを実現させることができます。

企業の内面を発信しないと、候補者が集まらない

採用ブランディング・採用マーケティングは2018年頃から注目され始め、コロナ禍を経て、急速に広まりました。まだ勝ちパターンや正しいあり方など確立されておらず、様々な手法が乱立している状態です。例えるなら、今は採用広報・採用広告の戦国時代。企業は自社HPやSNSでの発信はもちろん、次々と登場する採用メディアやプラットフォームを見極め、うまく活用していく必要があるのです。

そんな背景の中で注目すべきは、求職者の多くが転職の際にスキルや条件のマッチング以外に「企業の内面」を見て意思決定していること。つまり、企業の内面を見られないと転職先の候補にも入らないのです。採用された場合の働き方をはじめ、「企業の内面をわかる状態にしておく=採用ブランディングを実施する」ことは、採用活動においてとても重要です。

NESTBOWLには企業のトップや担当者が登場し、自社のビジョンや想い、ブランドの魅力について語るインタビュー記事がありますが、それもブランディング施策のひとつに挙げられます。

例えばこの記事では、スイスのスポーツブランド「On(オン)」の日本支社のマーケティングチームのトップの方が「On」のブランドとしての魅力や企業カルチャーについて語っています。ポイントは、この記事を読んだ読者に、“企業(On)が望んでいるブランドイメージを残せているか”。読者が正しいイメージを持ってくれれば、実際のブランドイメージと乖離がないのでうまくブランディングができていることになります。

このように、企業は自社が望むブランドイメージを発信し、蓄積していくことが重要です。記事の中で用いられる言葉の使い方、掲載メディアの選定などをブランドイメージとリンクさせ、一貫性があるものにしていくのです。

特に、地方企業は採用ブランディングに取り組むべきでしょう。なぜなら、都心の企業の採用ブランディングの情報が地方の求職者にも届いていて、以前まで地方企業に就職するしかなかった優秀な求職者が都心の企業に就職する可能性が高まっているからです。

実際に地方企業のエントリー数の減少や内定辞退率の上昇を表すデータもあります。地方企業は同じ地域に住む、入社してほしい求職者に向けて発信する必要があります。また、ブランド企業が地方の店舗で働く魅力を伝えたい場合にも同じことがいえます。

採用ブランディング施策の流れを知る

大きく3つのSTEPで考える

採用ブランディングを実施する際は、下記のSTEP1~3の順に考えていきます。

▼STEP1.現状分析と目標設定
自社の採用状況を整理+目指す採用活動のストーリーを描く

  • A:現状の採用カスタマージャーニーを図解化する
  • B:採用を行っている上でキャッチアップしている問題点を整理する
  • AとBを突き合わせて採用マーケティング全体の問題点・課題点を整理する
  • C:候補者の心理変容の現状と理想を描く
  • 理想の採用ポートフォリオ・採用CPAを策定する

▼STEP2.「採用ブランドコンセプト」を決める

  • 採用市場で求職者に思われたいブランドイメージ、打ち出すメッセージを考える
  • 「採用ブランドコンセプト」は企業のブランドコンセプトをもとに考える

▼STEP3. 採用マーケティング戦略へ落とし込む

  • STEP1のCを実現するための採用カスタマージャーニーを描く
  • 「採用ブランドコンセプト」に基づき、施策を展開
  • 自社HPの採用ページ、自社SNSでの発信
  • 採用メディアやWeb広告での発信
  • オンライン、オフラインのイベントの開催

全体を図にすると、下図のようになります。

次回Vol.2では、「STEP1.現状分析と目標設定」についてわかりやすく解説します!

解説:山根 康介さん/採用マーケティングコーディネーター・キャリアコンサルタント・広報アドバイザー
1986年生まれ、兵庫県洲本市出身。新卒で株式会社アルビオンへ入社し、5年間勤めた後に2014年にa-works株式会社へ転職。WEBマーケティング部門のリーダーやマネージャーを経験し、人事部門を立ち上げ、約5年間責任者を務める。2018年に独立し、現在は主に法人向けの採用支援を行っている。NESTBOWLでは採用プロデューサーとしてさまざまなブランド企業の採用支援に携わっている。

特典:ブランドを運営している企業で、採用ブランディングに関する無料分析相談(採用ブランディングに関するウェビナーも開催予定)をご希望される場合は、info@nestbowl.co.jpまでお問い合わせください。先着3社様にご対応いたします。
NESTBOWLでは、採用ブランディングに関するコンサルティングを行っております。ご興味ある企業様はこちらまでお問い合わせください。

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