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【連載 Vol.2】プロがわかりやすく解説!採用ブランディングの進め方 <STEP.1 現状分析と課題点の抽出を行う>

【連載 Vol.2】プロがわかりやすく解説!採用ブランディングの進め方 <STEP.1 現状分析と課題点の抽出を行う> NEW

ここ数年、HR・採用市場で浸透しつつある採用ブランディングや採用マーケティング。企業の採用活動における手法・施策だが、その解釈や定義の捉え方は企業や個人によって微妙に異なり、理想的なカタチで実施できている企業はまだそれほど多くはない。そこでこの連載では、「これから採用ブランディングや採用マーケティングを実践したい」、「成功させるためのヒントを得たい」と考えるブランド企業のHR・採用ご担当者に向けて、NESTBOWLの採用プロデューサー・山根康介さんがわかりやすく解説する。

第2回目となる今回は、自社における「採用状況の整理」と「採用活動の課題点の抽出」についてご紹介したい。(第1回目をまだご覧になっていない方は
こちら

会社の採用状況を見直して、目指したい採用活動を描く

1.「採用カスタマージャーニー」で図解化する

マーケティングでは、商品やサービスを知る段階(認知)から購買、 利用、その後の関わりを含む全体的な顧客体験のフレームワーク(=カスタマージャーニー)がよく使われます。採用マーケティングでも、カスタマージャーニーの要素である「認知」「興味関心/理解」「検討」「アクショ ン」に求職者のアクションを落とし込んで戦略を立てていきます。

「採用カスタマージャーニー」の各フェーズと必要な施策を図にまとめるとこのようになります。

認知

認知させるターゲットは、大きく分けて「転職顕在層」と「転職潜在層」です。

転職顕在層:転職先を積極的に探している人たちの層
転職潜在層:「今はまだ転職する気はないが、良い縁があれば転職したい」と考えている層

自社が求める優秀な人材の取りこぼしを防ぐためには、「転職顕在層」との最適なタッチポイントを探る(=どの求人媒体、人材紹介会社に求人告知を行うとより効果的か探る)ことが重要です。また、現在は積極的に転職活動を行っていないが、今後可能性のある「転職潜在層」に対してはSNSやリスティング広告などで知ってもらうことを優先的に考えます。

興味関心/理解

自社に対して軽い興味を持ったターゲットに向けて「読みやすく、かつ興味を惹きやすい自社の魅力」を発信します。

ポイントは、このフェーズでもあくまで視点はターゲットにあること。

いきなり、「我々にはこんな魅力があります!」とアピールしても、まだターゲットの心理と温度差があるので、ターゲットが求めている情報に沿って自然な訴求をすることが大切です。

具体的には、「この企業なら理想的な働き方を実現できそう」と働き先の候補として前向きなキャリアイメージを膨らますことができる、自社の魅力を適切に訴求するようなコンテンツです。

<例>
✕ 自社の福利厚生一覧、自社の教育カリキュラム
◯ 男性の育休取得率やその実態とは、未経験入社の社員が1年で活躍人材へ成長した秘訣

比較/検討

「興味関心/理解」フェーズで、その会社により魅力を感じたターゲットは、このフェーズでようやく「働く先としての具体的な情報」を求めます。

また、転職先候補として検討するために、他社の情報を調べて比較したり、近しい関係性の方へ相談をしたりします。そのため、「自社の採用サイトに充実したコンテンツ(情報)をのせている状態、第三者サイトの口コミ欄はターゲットが検討するに十分な口コミが蓄積されている状態」であることが望ましいです。

ただ第三者サイトの場合、口コミの内容が不当にネガティブなものに偏っていたり、古い情報・改善前の情報に偏っていたりすることがあります。それを読んだターゲットに近しい方(友人や親など)から、ネガティブな意見をもらってしまう可能性もあります。そのため、採用サイトや第三者サイトの内容について調べ、現状を把握しておく必要があります。

行動・意思決定

このフェーズは、実際に応募する、またその後の選考体験を指します。ポイントは「認知〜比較/検討」フェーズで発信している事と選考で伝える内容や体験が一致していること。

例えば、「認知〜比較/検討」フェーズで「自社は明るく元気な社風です!」と発信しているのに面接官が暗く元気もなかったら、ターゲットは事前に把握していた情報とは異なるため違和感を感じ、辞退したくなるかもしれません。

そのため、選考を受けた方から実態はどうなっているのかをヒアリングして現状把握する必要があります。

また、定量的に評価するために応募・選考通過・内定・内定承諾の各ステップにおいて数と率の現状を出しておきましょう。

2.採用活動における課題点を抽出する

次に、1で整理した情報をもとに「採用マーケティング全体の問題点・課題点」を抽出していきます。ここでは、わかりやすく解説するために架空ブランド「ABC」を例にします。

▼「ABC」採用の状況
ブランドの認知は一定数あるが、「働く職場」の魅力としての認知はされていない。

  • 社内のカルチャーや社員の想いなどの会社情報がオープンになっておらず、採用活動に生かしきれていない。

▼「ABC」採用候補者の流入の状況

  • 採用媒体から応募はあるが質が伴わない
  • 結局人材エージェントからの紹介頼みになっている

▼課題仮説

  • 顧客への価値提供や働く先としての企業の魅力を正しく発信する
  • 採用カスタマージャーニーの導線を整え、適切なタイミングで適切なコンテンツを届ける

▼課題解決の結果として、下記を実現したい

  • 「ABC」の事を正しく認知・理解した、望ましい採用ターゲットが各流入元から応募してくる
  • 社員がコンテンツを活用し、リファラルが更に加速する
  • 入社理由がより本質的なものとなり、入社後の定着率や生産性が上昇している

このように、採用状況の課題や現状を把握し、課題解決や対策を行うことで候補者のパーセプションチェンジ(認識を変えること)ができます。

次回Vol.3では、STEP2「候補者の理想的なカスタマージャーニーを描く」&「採用ポートフォリオ・採用CPAの目標設定を行う」についてわかりやすく解説します!

解説:山根 康介さん/採用マーケティングコーディネーター・キャリアコンサルタント・広報アドバイザー
1986年生まれ、兵庫県洲本市出身。新卒で株式会社アルビオンへ入社し、5年間勤めた後に2014年にa-works株式会社へ転職。WEBマーケティング部門のリーダーやマネージャーを経験し、人事部門を立ち上げ、約5年間責任者を務める。2018年に独立し、現在は主に法人向けの採用支援を行っている。NESTBOWLでは採用プロデューサーとしてさまざまなブランド企業の採用支援に携わっている。

ウェビナーのお知らせ:
7月18日(木)、「初めての採用ブランディング!基礎から学ぶ成功のステップ」ウェビナーを開催します! このウェビナーは、採用ブランディングや採用マーケティングを初めて実践する方、またはその成功の秘訣を知りたい方に向けたものです。ブランド企業のHR・採用担当者の皆様に特におすすめです。 

講師は、NESTBOWLの採用プロデューサーである山根康介さんです。山根さんの豊富な経験と知識を元に、実践的なアドバイスをお届けします。

日時: 7月18日(木) 18:00‐19:00
オンライン開催:ZOOM
※参加者のみにリンクをお知らせします。
参加費:無料(事前申込制)
参加方法:以下 Google フォームより必要事項にご記入の上、お申し込みください。
応募フォーム
※上記Googleフォームを利用できない場合は、最下部のメールアドレスよりお問い合わせください。
締め切り:7月16日(火)18:00まで

特典:ブランドを運営している企業で、採用ブランディングに関する無料分析相談をご希望される場合は、info@nestbowl.co.jpまでお問い合わせください。先着3社様にご対応いたします。
NESTBOWLでは、採用ブランディングに関するコンサルティングを行っております。ご興味ある企業様はこちらまでお問い合わせください。

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