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【大阪・関西万博 現地取材】インスピレーションを感じてほしい。タカラベルモントが示す「未来の美」

【大阪・関西万博 現地取材】インスピレーションを感じてほしい。タカラベルモントが示す「未来の美」 NEW

「美しい人生を、かなえよう。」というパーパスのもと、美と健康をつくるプロフェッショナルとともに、美しく生きる喜びを得ることを目指すタカラベルモント株式会社。大阪・関西万博で宇宙空間を模した、美容と医療を融合した「ミライのヘルスケアサロン」が叶える宇宙時代の美を展示し、次世代へ向けた「真の美」の可能性を提起する。この挑戦に込めた想いを、プロジェクトを監修している常務取締役・冨谷明宣さんに伺った。

冨谷 明宣さん/タカラベルモント株式会社 常務取締役 人事部担当 経営管理室担当 広報室担当
2004年入社、経営管理室配属。11年6月執行役員 就任。経営管理室長。18年2月執行役員 経営管理室長兼人事教育部長。同年6月取締役就任。20年6月より広報室も管掌。22年6月常務取締役就任。経営管理室長としてベトナムでのM&Aや100周年に向けた全社部門横断プロジェクト「MOVE_T」立ち上げ。人事部長として「働き方改革」を推進。人材開発やエンゲージメントの向上などに取り組む。趣味は山登り。

美容と医療を融合した宇宙空間で「真の美」を考える

ー 「量子飛躍する美の世界(Quantum Leap for Beauty World)」をテーマにした御社の展示ブースには、連日多くの来場者が訪れ、賑わいを見せています。今回のテーマには、どのような想いが込められているのでしょうか。

タカラベルモントのこれまでの歩みと未来への展望を込めました。量子力学において「何かが飛躍的にジャンプすること」を意味するQuantum Leap(クオンタムリープ)は、1970年の大阪万博を契機に飛躍した、弊社の歴史そのものです。また、これから抱える課題を発展させていくには、一人ひとりが「真の美とは何か」を考え、自らの視点で答えを見出し、美の概念をさらに飛躍させることが必要です。だからこそ、このテーマを掲げています。

ー 展示ブースをプロデュースするにあたって、最も重視されたことを教えてください。

宇宙時代の「真の美」について考える空間づくりです。「美しい人生を、かなえよう。」をパーパスに掲げる弊社では、自分らしく生きる人生こそが美しい人生であると考えています。免疫力の向上が肌や髪の美しさに影響を与えるように、美と健康は密接に関わっているため、弊社の強みである美容と医療を融合した商品・サービスを提案し、個性的な魅力を表現して自分らしく生きることをサポートしています。

今回、出展している「大阪ヘルスケアパビリオン」は2050年の未来社会を体験する場です。宇宙での居住が現実になることを見据え、さまざまな制約の中でも自分らしさを保って「美しい人生を、かなえる」ことができるよう、皆さまと美容と医療の両面から「真の美」について考えていく。これこそが未来に必要だと考え、美容と医療を融合した「ミライのヘルスケアサロン」が叶える宇宙時代の美を展示しているのです。

そして、今回の出展で得たことを、今後の事業につなげていきたい。その先にあるのは私たち自身の成長だけでなく、社会全体への貢献です。「美と健康の創造企業」として社会貢献を続けてきた弊社の姿勢は、「いのち輝く未来社会のデザイン」という大阪・関西万博のテーマとも深く共鳴します。

「大阪ヘルスケアパビリオン」は連日多くの来場者で賑わっている

ー 美容と医療を融合した「ミライのヘルスケアサロン」で、来場者の方にどのようなことを期待されていますか。

インスピレーションを感じていただきたいですね。万博そのものが次世代にインスピレーションを届ける場であり、実際に私も1970年の大阪万博に参加して多くのインスピレーションを得られました。当時、まだ子供だった私は万博で父に肩車され、その姿を写真に撮ってもらっています。それから55年経った今でも、その写真を見返すたびに「こんな未来があったらいいな」と刺激を受けた記憶がよみがえるのです。

宇宙と美を表現する弊社の展示でも、インスピレーションを感じていただけることでしょう。次世代を担う方々を中心に、記憶に残った体験を未来に活かしてほしいと思っています。

「多様な美」を伝えるブースでつながり、関係性を深める

ー 冨谷さんは、責任者のお一人として万博の出展を牽引されています。今回のプロジェクトには、いつ頃から携わってこられたのでしょうか。

約3年前、「大阪ヘルスケアパビリオン」への出展に手を挙げたときからです。経営管理の立場として出展審査の対応などを担い、審査通過を経てプロジェクトが本格的にスタートしました。現在は広報部門の責任者としての役割も含め、プロジェクトを監修しています。

ー 約3年間にわたるプロジェクトの中で、とくに印象に残っている出来事を教えてください。

展示内容の方向性が大きく変わったことに伴い、新たなテーマを模索したことです。もともとは体験型の展示を通じて新規事業を創造する構想でしたが、昨年の夏ごろ、「次世代に向けてインスピレーションを与える展示」へと方向性が変わり、それに合わせてテーマも一新することになりました。まさに突然、飛躍的なジャンプが求められる状況の中で、プロジェクトと広報のメンバーが一丸となって議論を重ね、現在のテーマにたどり着いたのです。

そして、多くの関係者の方々の協力を得て、完成に至りました。前回の大阪万博では、デザイナーのコシノジュンコさんや建築家の黒川紀章さん、グラフィックデザイナーの横尾忠則さんといった著名なクリエイターの方々が若い頃に手がけてくださった弊社のパビリオンがレガシーとして語り継がれています。

今回もコシノさんがユニフォームデザインを手がけくださり、ブースのデザイン・設計は、宇宙建築を研究されている山出美弥さんにお願いしています。ほかにも社員だけでなく、多くの関係者の方々のおかげで完成したブースが、必ずやまたレガシーとなると信じています。

前回の大阪万博に引き続き、デザイナーのコシノジュンコさんがユニフォームのデザインを手がけられている

ー まさに、次世代に語り継がれる展示となるでしょうね。冨谷さんとしては、どのような思いでプロジェクトに取り組んでこられたのでしょうか。

お客様やパートナー企業、社員などのステークホルダーとつながりを深め、より良好な関係を築いていきたいという思いがあります。

弊社のパーパス「美しい人生を、かなえよう。」を実現するには、プロフェッショナルに向けたBtoBの提案だけでなく、その先にいる生活者に対するBtoCの提案も必要です。その際、出展ブースは生活者と直接つながり、アプローチできる貴重な場所です。また、万博の共創パートナーである企業や団体とつながり、イベントを通じて関係性を築く機会も得られました。社員がプロジェクトに主体的に関わることで、組織としての一体感も高まっています。

このように、万博への出展が磁力のような役割を果たし、多くのステークホルダーを引き寄せることで、良好な関係を築くきっかけになっているのです。万博の約半年間を通じて、こうしたつながりを育めることに大きな意義を感じています。

ー 磁力となる展示ブースは、インフレータブル構造(構造物を宇宙に運ぶために小さく折りたたんでロケットに載せる展開構造物)に着想を得たデザインだそうですね。

壁面と展示物は、すべて形の異なる374個の多面体を組み合わせて制作し、見る方向によって見え方が変わるクリスタルを表現しています。見え方や感じ方に配慮し、関係者の方々に照明や音響などの細部まで調整を重ねていただきました。ほかではなかなか見ることができない「多様な美」を感じていただけるはずです。

異彩を放つタカラベルモントの展示ブース。多くの方が来場され思い思いに自分を見つめる時間として楽しんでいる姿があった

ウェルビーイングにつながる未来の事業を芽吹かせる

ー 日本で55年ぶりの開催となる大阪・関西万博について、冨谷さんはどのように捉えておられますか。

地球規模の課題を解決するための“実証実験の場”だと考えています。1851年に始まった万博は当初、「国家の万博」と呼ばれ、国力や産業の発展をアピールする場として機能していました。それが今では、世界的な人口増加や経済成長を背景に、持続可能性を重視する「市民の万博」へと姿を変えています。

サスティナビリティ(持続可能性)やSDGs(持続可能な開発目標)に正面から取り組む弊社では、「多様性の持つ美」をブースで表現しました。それにインスピレーションを感じていただき、多様な「らしさ」を形にすることにつなげ、すべての人のウェルビーイングを応援したいと思っています。

多様な美につながる今回の出展は、今後のサービスや商品開発にもつながっていきそうですね。

まさに、イノベーションの起点としなければいけません。そのためにも社内外からアイディアや意見を募り、イノベーションの種を育てて形にしていこうという動きがすでに始まっているのです。例えば、お客様が得たインスピレーションを集めたり、社内に目安箱をつくって万博のコンセプトに合わせたテーマでアイディアを提案してもらったりもしています。そのようにして生まれた新規事業が、やがてタカラベルモントの未来を切り拓くと信じています。

1970年の大阪万博出展と同様に、今回の万博出展を飛躍の契機にしたいと語る冨谷さん

ー 最後に、タカラベルモントのブースに来場される方へメッセージをお願いします。

「多様な美」を表現した展示と、宇宙時代の美のヒントとなるデジタルコンテンツ、未来の美やデザインを表現したユニフォームが一体となることで完成する「宇宙時代の美」を体感し、インスピレーションを持ち帰っていただけると嬉しいです。

インスピレーションを感じるブースでは自分自身と向き合う時間が生まれ、素の自分に立ち返る感覚を覚える方もいるでしょう。無意識に抱いている固定概念を見つめ直すだけでなく、普段はなかなか考えないような25年先の未来に思いを巡らせる機会にもなればと思っています。

文:流石香織
撮影:坂直子

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