約6割が黒字。ファクトリエが、提携する国内アパレル工場の現状を調査 NEW

国内のアパレル工場61社と中間流通を省いて直接提携し、国産の高品質なアパレルアイテムを展開するファッションブランド「ファクトリエ」。アパレル工場や商品を購入する消費者に、「ファクトリエがどのような変化をもたらしたのか」についてまとめた「FACTELIER Impact Report 2025」を発表した。本記事ではそのレポートの一部をご紹介。
<調査対象>
・2025年10月開催の同社主催イベント「ものづくり文化祭」に参加した工場21社がアンケート形式で回答。
・工場の男女比率は、経営者はすべて男性。従業員の9割は女性。
・従業員数は30~50名が6割、100名以上が2割。
縫製工場の現状について

日本繊維輸入組合が2025年6月13日に発表した「日本のアパレル市場と輸入品概況2025年版」によると、日本の衣料品の国産比率はわずか1.4%。日本の縫製工場は中小・零細企業が多く、経営不振や深刻な人手不足により廃業が相次いでいます。
ファクトリエ参画工場の経営状況
■約6割が黒字。一方「黒字だが悪化」が23%

今回の調査では、ファクトリエ参画工場の約6割が黒字と回答。しかし、そのうち「黒字だが前年より悪化している」工場が23%あり、決して楽観できる状況ではありません。赤字の工場も2社存在し、そのうち1社は悪化傾向にあります。黒字が多い一方で収益悪化がみられることから、工場の経営環境は依然として厳しく、今後の改善に向けた取り組みが必要であることが明らかになりました。
工場が抱える課題
■減少傾向ではあるものの、材料費上昇が最大の課題。一方「人材難」は前年から大幅に増加

工場が抱える課題として最も多かったのは「材料価格の上昇」(19.7%)。前年の28.21%からは減少したものの依然として負担が大きい状況です。一方で、「若手人材の採用」は16.7%と前年の2.56%から大幅に増加し、人材確保の難しさが顕在化しました。
■「技能実習生精度への対応」も課題に
新設項目の「技能実習生制度への対応」も一定数回答があり、現場の制度対応負荷がうかがえます。全体として、コスト要因はやや落ち着いたものの、人材や設備など長期的な経営に関わる課題が相対的に目立つ結果となりました。
工場の自社ブランド比率
■他ブランドの受託生産(OEM)への依存度が高い状況が続いている

今回の調査では、「自社ブランド比率が1割以下」という工場が66.7%と最も多く、続いて「2~4割」が23.8%という結果でした。一方で、6割以上を自社ブランドでまかなえている工場はあわせて9.6%にとどまり、多くの工場では受託生産への依存度が高い状況が続いています。
ファクトリエとの取り組みは経営にプラスに働いているか
■8割がプラスに。一方「どちらともいえない」なども2割

参画工場の80%が「ファクトリエとの取り組みが経営にプラスに働いている」と回答し、多くの工場で一定の効果が生まれている一方で、「どちらともいえない」「取り組み前と変わらない」が合わせて20%あり、ファクトリエの取り組みがすべての工場で十分な成果につながっているわけではないことも判明。
ファクトリエとの取り組みでよかったこと
■新たな収入源になっている16.2%。人材面でもプラスの影響も

「生活者視点のものづくりができるようになった」(29.7%)が最多。「新たな収入源を得られるようになった」(16.2%)や、「後継者や新卒など若手が加わった」(5.4%)など、経営面や人材面での前向きな変化も見られます。
2025年に工場が挑戦したことは?
2025年は、多くの工場が設備投資や若手育成、新しい商品づくりなど、前向きな挑戦に取り組んでいます。それぞれが自社の強みを活かしながら、未来に向けた一歩を着実に進めていることがうかがえました。
■株式会社アタゴ:三田村 知紀氏
「縫製自動機の導入、特定技能実習生の受け入れ態勢強化」
■丸和ニット株式会社:辻 雄策氏
「海外販路への挑戦や、社内での生地コンテストによる技術担当のモチベーションアップなど」
■株式会社インターナショナルシューズ:上田 誠一郎氏
「若手採用・育成。設備導入。海外展示会への挑戦。組織変更」
■クスカ株式会社:楠 泰彦氏
「技術の伝承とチームでのものづくり」
■株式会社マーヤ:菅谷 正氏
「働き方改善。完全週休2日にむけて、年間休日を10日増やした」
■渡辺パイル株式会社:渡邊 文雄氏
「ベビーシリーズ(ブランド)ローンチ。シャトル織機を使う職人の後継者育成」
2025年の感想と今後の取り組みについて
厳しい環境の中でも、多くの工場がしっかりと未来を見据え、次の一歩を考え続けていることが伝わってきました。日々の課題を抱えながらも、ものづくりへの誇りを胸に前向きに取り組む姿勢が、今年のコメントから強く感じられます。
■小林メリヤス株式会社:木村 彰氏
「ベビーや子ども服以外のアイテム強化」
■株式会社東洋繊維:水谷 陽治氏
「他では評価されなかった自分たちの作る良いものを評価してもらえたことがうれしかったです。」
■ティー・エフ・シー株式会社:森 茂樹氏
「素材や品質の良い商品をもう少し安くお客様に届け、生産数を増やしたい」
■HITOYOSHI株式会社:森 孝一郎氏
「持続可能なモノづくりを起点にした新しい定番商品づくり。」
■丸和ニット株式会社:辻 雄策氏
「コロナ禍で、主力売上の生地の受注が激減し見通しが見えない中、ファクトリエさんから送っていただくユーザー様の声を目にして目頭が熱くなるほど勇気をもらい、ものづくりをしていて良かったと深く思いました。ファクトリエや自社のことをより知って戴くために、著名人とのコラボ企画などがあれば色々な世代により認知して戴けるかなと思います。」
■マルカ株式会社:後藤 賢二氏
「年度末に前年売り上げを超えられないと思っていたが2日後ファクトリエさんの売り上げで前年売り上げを超えられた。」
※「インパクトレポート2025」では、ファクトリエのお客様へのインパクトや、環境への取り組み、2025年の新たな取り組みなどについてオンラインサイト(サマリ)、およびPDF(詳細)で公開しています。
■サマリ版:https://factelier.com/impactreport2025/
■詳細PDF:https://data.factelier.com/upload/contents/18557/FACTELIER_IMPACTREPORT_2025.pdf