ピックルボールで描く新しいスポーツ体験。ウイルソン「PICKLE STUDIO」で見えたコミュニティの可能性 NEW

ピックルボールは、テニスや卓球、バドミントンの要素を組み合わせたアメリカ発祥のラケットスポーツだ。初心者でも楽しみやすいため、世代や経験を問わず始められる競技として注目が広がっている。そんなピックルボールを気軽に体験できるイベント「PICKLE STUDIO」を、テニスブランドとして知られる「ウイルソン」が2026年7月30日に東京・原宿で開催。NESTBOWL編集部がピックルボールを体験した後、同社のジャパン ブランドヘッド&APAC MDディレクターであるプーン パールさんとリテールマネージャー大久保文子さんに、ピックルボールの魅力や日本市場での可能性、そしてスポーツとライフスタイルをつなぐ「ウイルソン」のブランド戦略について聞いた。
Poon Pearl(プーン パール)さん/アメアスポーツジャパン株式会社 ウイルソン ソフトグッズ ジャパン ブランドヘッド&APAC MDディレクター
香港出身。幼少期から陸上や水泳などに親しみ、13歳でイギリスへ留学。大学卒業後、外資系ファッションブランドで約13年間、欧州や日本、香港でMDや直営店の立ち上げなどを経験。その後、カナダ発のアスレチックウェアブランドでのAPAC MDをはじめ、複数ブランドでファッションやラグジュアリー、スポーツカテゴリーの経験を積む。2024年7月にアメアスポーツジャパン株式会社に入社。「アークテリクス」のAPAC MD Directorを経て、現職。
大久保文子さん/アメアスポーツジャパン株式会社 ウイルソン リテールマネージャー
GAPでの販売スタッフおよびマネージャー経験を皮切りに、ファッション・ラグジュアリー業界で、リテールマネジメントと人事の両領域にわたりキャリアを構築。人事、リテール、営業など幅広い領域で経験を重ね、現場で培ったリテールへの深い理解を強みに、ビジネス成長を推進している。2023年4月にアメアスポーツジャパン株式会社へ入社。「アークテリクス」のHRBPマネージャーを経て、現職。
原宿の地下に出現した、ピックルボールの体験空間
会場は東京・原宿にある「THE HALL HARAJUKU」。地下1階のイベントスペースには、実際の競技で使用するコートの半分ほどのサイズのコートが2面用意され、真夏でも快適な屋内環境でプレーを楽しめる空間が広がっていた。休憩スペースには「ウイルソン」の最新アパレルコレクションが並び、ドリンクの提供も。競技体験だけでなく、ファッションやライフスタイルまで含めてブランドに触れられる構成だ。
体験は、インストラクターのレクチャーのもと、パドルの上でボールをバウンドさせる練習からスタート。その後、相手から飛んできたボールをワンバウンド、またはノーバウンドで相手コートへ返しながらラリーを続ける。NESTBOWL編集部のメンバーも、初めてながらピックルボールを楽しみ、気持ちよく汗をかいた。
「ルールがシンプルでパドルも扱いやすく、初心者でもすぐにラリーが続きました。勝敗にこだわるというより、ラリーを続けながら自然と会話や笑顔が生まれるスポーツという印象です。ボールを捉えたときの軽快な打球感も心地よく、思わず夢中になりました。企業のチームビルディングや、コミュニケーションを活性化するツールとしても活用できるのではないでしょうか」
「経験や技術のレベルに関係なく、打ち合っているだけで楽しめるのが新鮮でした。運動に苦手意識がある人ほど、むしろ楽しめるかもしれません。アメリカでは競技人口が急増中とのこと。日本でも体験できる場が増えていきそうです」(NESTBOWL編集部)



ピックルボールを、新たなスポーツの入り口に
― 今回「PICKLE STUDIO」を開催した一番の目的を教えてください。
パールさん(以下、パール):ピックルボールは、日本で注目を集め始めていますが、ピックルボールに関連するギアも含めたウェアや小物をトータルで提供するブランドはまだありません。「ウイルソン」はもともとテニスのグッズを扱っており、パドルもウェアも揃っているので、まずはピックルボールと「ウイルソン」をつなげて知っていただきたい。そして、興味はあるけれど触れたことがない方に体験してもらう機会を作りたいと考えました。
― 「ウイルソン」といえばテニスのイメージが強いですが、ピックルボールに力を入れる理由はなぜでしょうか。
パール:テニスは素晴らしいスポーツですが、始めるまでのハードルを高く感じる方もいるでしょう。気軽に始めやすいピックルボールをきっかけにスポーツに親しみ、さらにテニスへ興味が広がる可能性もあります。
実際にマレーシアやシンガポールでは、ピックルボールを経験したあとにテニスへ移行される方もいると聞いています。身体を動かすことは健康につながりますから、いろいろな世代の方へもおすすめしたいです。スポーツを楽しむ人の裾野を広げる、新しい入り口になり得るピックルボールに、ブランドとして注目しています。

― 日本市場では、どのような可能性を感じているのですか。
パール:ピックルボールは日本ではまだスタート段階にあり、これから競技人口を増やしていける余地があると思います。また、テニスではすでに「ウイルソン=ラケット」という認知がありますが、ピックルボールではまだブランドとの結びつきが定まっていません。だからこそ、パドルはもちろん、ウェアや小物でコーディネートできるライフスタイルそのものを提案していきたいですね。
― スポーツ用品メーカーという枠を超え、「ウイルソン」はどんなブランドを目指しているのでしょうか。
パール:「ウイルソン」には、長い歴史の中でテニス用品を作り続けてきたオーセンティシティがあります。そのルーツは大切にしながら、競技のための道具だけではなく、日常の中でも自然に選ばれるブランドへ広げ、スポーツとライフスタイルを融合させていくことを目指しています。

ウィルソンがつくる、人と人が出会う場
― 来場者の様子をご覧になって、印象的だったことはありますか。
大久保さん(以下、大久保):お越しいただいた方の中には「ピックルボールを初めて知りました」という方が多かったのですが、知らない方同士でも、ゲームを始めると自然に盛り上がっていました。ビギナー同士でも、上級者と初心者が一緒にプレーしても、お互いに楽しみやすいのもピックルボールの特徴です。
海外では、知らない人同士が集まり、音楽を流しながらカジュアルにプレーする「オープンコート」という文化もポピュラーです。勝敗だけを目的にするのではなく、スポーツを通じて人が出会い、ネットワークがつながるという空気を、日本でも育てていきたいです。
― パドルやウェアなどの商品を通して伝えたい「ウイルソン」の魅力とは何でしょうか。
大久保:パドルだけでなく、アパレル、シューズ、キャップまで、ウイルソンでは“ヘッドトゥートウ”で揃えられます。競技から入る人もいれば、「このTシャツがかわいい」「ロゴがいい」というファッションの入り口からブランドを知る人もいるでしょう。競技とファッション、どちらからでもアクセスできることが「ウイルソン」の強みです。
デザインは、トレンドをしっかり押さえつつもオーセンティックな一面も持っているので、何年着ていても魅力的に着こなせます。2025年にはデザインを刷新し、さらにファッション性がアップしています。また、炎天下でのテニスを想定したウェアを作ってきたメーカーですので、機能性や耐久性も優れているのが特徴です。

― 今後、店舗はどんな役割を担っていくのでしょうか。
大久保:店舗は商品を販売するだけではなく、ピックルボールやテニス、そして「ウイルソン」というブランドを知るきっかけになる場所にしたいです。スタッフやサービス、店舗の空間すべてをブランドアンバサダーとして、お客様との接点となる場所にしたいですね。ストアごとのコミュニティも醸成していきたいです。また、今回のイベントのようにお客様同士が自然につながれる機会を増やし、より多くの方が気軽にスポーツに参加できる場を作っていきたいと考えています。
現在「ウイルソン」ではブランドストアでご活躍いただける人材を募集しています。記事を読んでブランドの想いや考えに共感した方、新しいことに対して積極的に取り組める方など「ウイルソン」と共に成長していきたい人は、ぜひこちらからご応募ください。
文:大貫翔子
撮影:船場拓真
Brand Information
Wilson
ウイルソンは、ハイパフォーマンススポーツグッズ、アパレル、シューズ、およびアクセサリーの世界をリードするメーカーです。