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元外資系ラグジュアリーブランドCFOが語る、グローバル人材になるために必要なスキル

元外資系ラグジュアリーブランドCFOが語る、グローバル人材になるために必要なスキル

グローバルに活躍する人材になる為には、語学だけを学べばいい訳ではない。では、具体的に何をすればいいのか? 何から手を付けていいか分からず前に進むことができない人は少なくないのではないだろうか。今回は、まさにグローバルな人材として、数々の有名ラグジュアリーブランドや外資系プロフェッショナルファームでファイナンスやコンサルティング等を経験し、30代前半でCFOに就任した経歴を持つ、GG Japan inc.代表の金沢政浩氏にインタビュー。自らのキャリアストーリー、グローバル人材になるためのスキルについてお話を伺った。

金沢 政浩さん
株式会社GG Japan代表取締役
学生時代にカナダ留学を経て米国公認会計士試験合格、TOEIC970点を取得。大学卒業後は大手日系メーカー経理本部に新卒入社後、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)にて監査業務及び会計コンサルティング業務に従事。その後、ルイ・ヴィトンジャパン本社にて最年少マネージャーとして、子会社2社を含む決算業務を統括。33歳でKeringグループ内のスタートアップ企業のJapan CFOに就任し、その後北アジア統括CFO、営業統括本部長を歴任。
日系大手企業、外資系プロフェッショナルファーム、世界No,1ブランド、スタートアップ企業といった多種多様なフェーズで非常に幅広い実務経験とマネジメント経験を積む。
現在は自身が所有するコンサルティング会社にて事業会社の経営コンサルティングサービスに従事する一方、運用資産200憶円規模の不動産投資企業の取締役も務める。プライベートではスポーツと料理をこよなく愛する4児の父親。

―まずご自身のキャリアについてお聞かせください。

現在は京都で経営コンサルティング会社を経営しています。クライアントは大阪にある不動産投資会社3社と、東京では外資系企業の日本法人立ち上げのプロセスに参画していて、今月から現地法人の企業買収プロセスにも関わっています。

これまでの経歴としては13年間会社員をやってきたのですが、その大半をいわゆる外資系企業で過ごし、そしてその大部分をラグジュアリーブランドで過ごしてきました。
最初は日系の大手メーカーであるリコーの経理部員、いわゆる経理のジュニアとして入社しましたが、30歳で“世界で通用するプロフェッショナル”になっていたいと考えていたので、非常にいい会社ではあったのですが、25歳になった時に次の5年間を世界のトップレベルの環境で修行しようと、プライスウォーターハウスクーパース(以下、PwC)に転職しました。PwCにいた4年間は、最初の2年間が会計士業務、残りの2年間は会計コンサルティング業務に従事しました。そして、29歳の時にルイ・ヴィトン ジャパンから「ファイナンスで新しいポジションが出来るのでやらないか」と声をかけていただき、転職しました。入社後、最終的には決算の統括管理をするアカウンティングマネージャーをしていたのですが、40歳までにCFOになりたいという目標があったので、33歳の時にケリングアイウエアジャパン(当時創立2年目のスタートアップ企業)に声をかけて頂き、CFOとして移りました。1年目はジャパンのCFO、その翌年に北アジア全体のCFOを務める形で、CFOとしてのキャリアがスタートしました。

―40歳までにCFOになるという目標でしたが、かなり早く叶えられたのですね。

たくさんの素晴らしい人達と運、チャンスに恵まれて叶えることができました。私は子供の頃から本当にただの凡人で、特に何の素質や才能がある訳でもなく、数学に至っては中2で早くも挫折する程、ものすごく苦手だったのですが(笑)、部下や同僚、上司の方など、本当にいろいろな方々に恵まれて実現する事が出来たと思っています。

―外資系の大手2社をご経験されていますが。外資系企業におけるCFOの役割をどう考えていますか?

私は、CFOは裏方でファイナンスだけ見ていれば良いという役割ではないと思っています。私が思うCFOの役割とは、CEOの右腕として会社を一緒に動かしてゆくこと。もっと言うと、COOの様に人や組織を動かしてゆける人が良きCFOだと思っています。CEOは特定のファンクションというより、会社全体として向くべき方向や、そこの着地点に到達できるようサポートしていく役割で、CFOはそれらをより実務的に、具体的にどういうアプローチをしていくのかを“数字”で見せる。そういった点が大きな役割かと思っています。

―日本企業と外資系企業でのCFOの役割の違いは?

1番の違いで、最も重要だと思うのが、グローバルレポートラインのグリップです。外資系企業には、海外の上司へのレポートラインがあるため、インターナショナルなコミュニケーションが多く発生します。例えば私がケリングアイウエアのCFO1年目のときは、ほぼ毎日APACのCFOと電話会議をしていました。また、外資系企業は基本的にキャッシュリッチな会社が多いため、日本企業で行うような資金調達はほとんど行いません。仮にキャッシュが必要になった場合でも、国内のグループ会社から調達することができるケースも多いため、銀行からの借り入れというケースは少ないので、そういった違いもあるかと思います。

―外資系企業で働く上で、知っておくべきファイナンスの知識とは?

理想的には、英文財務諸表3表をざっくり理解出来ると良いと思います。例えば身近な例で言うと、自分の会社の業績によって自分自身の今後の給料も違ってくる訳ですが、全く利益が出ていない会社にいくら勤めていても、その会社自体に高い給料を払える原資が無ければ、将来自分の給料が劇的に上がる見込みは非常に低いでしょう。今いる会社が、自分が働くフィールドとして適切なのかを見つめ直す為にも、会社の業績を理解出来た方が間違いなく良いと思います。また、外資系企業に限ったことではありませんが、部門長やマネージャーなど、ある一定のレベルになると、どの職種でも最終的にはチームとしての結果を数字で説明しなければならない場面が多くなります。会社としての最終的な業績にどれだけ貢献したかを語る上で、仕事の結果を具体的な数字で語れる事はファイナンス以外の部署の方々にとっても、マネジメントとして必須のスキルだと思います。

―金沢さんが行う新しいチャレンジについて教えてください。

Global Career Academy (以下、GCA)という大学生向けオンラインアカデミーを2020年より運営しています。アカデミー立ち上げのきっかけは、“危機感”と“恩返し”です。
自分自身の幼い子供達と、その同世代の子供達が将来大人になった後の日本がどうなっていくのか考えたときに、間違いなく世界の競争から取り残されると思ったんです。私がこれまで外資系企業で仕事をしてきた中でも、日本人がアジア全体の中でもかなり劣っていると痛感する事が多々ありました。なんの才能もない自分がチャンスや人に恵まれて多少グローバルに活躍できたので、自分がこれまで得てきたものをしっかりと次の世代に受け継ぎたいと思い、「10年後の日本の未来を、今ここから変える」という理念のもと、将来のグローバル人材を育成するアカデミーを立ち上げました。

―アカデミーの活動内容とは?

具体的には、これからのグローバル社会で勝ち残っていく為に必要となる①コアスキル、②ファイナンシャルリテラシー、③キャリア戦略を、それぞれの一流プロフェッショナルから直接学ぶことができるオンラインスクールです。インプット受講のみの一般的なオンラインスクールとは異なり、アウトプットを中心とした1年間の集中講座となっています。“知識として知っている事”を増やすのではなく、“実社会でDay1から必要になるスキル”を大学生の内に体得する事を目的としています。 シンプルに、私が大学生の時に欲しかったものを、全て詰め込んでみました。

講師は私以外に、大手総合商社で大型M&A案件を手掛けている、米国トップランクMBAホルダーの現役ビジネスマンや、世界的有名ブランドの現役HR社員、外資系トップヘッドハンターなど、現在活躍中の超一流の講師の方々にご賛同いただき、一期目より参画頂いています。受講生の大半が大学1年生なのですが、彼ら彼女達の意識の高さと優秀さには本当に毎回驚かされます。自分が大学1年生の頃とは雲泥の差で(笑)。全員の将来が今からとても楽しみです。

―先日もボッテガ・ヴェネタ ジャパンの竹林朋毅CEOがライブイベントに登壇したとお聞きしました。

GCAの最大の魅力は、普通の大学生活を送っていたら絶対に会えないようなレベルのプロフェッショナルから直接お話を聞けることです。竹林さんは私のケリング時代のメンターでもあり、人生の師匠でもあります。当日はわざわざ東京から京都までお越しいただき、ボッテガ・ヴェネタジャパン代表取締役社長 竹林氏によるLiveゲスト講演会を開催致しました。リーダーシップは生まれ持ったものではなく、誰でもリーダーシップを持つ事が出来る。非常に濃い内容で、多くの参加者から感動したとの声をいただきました。

―今後の取り組みについて教えてください。

当初より徹底した少人数制で運営しており、コミュニティーとしてのクオリティを何よりも重視しているので急速な拡大は考えていませんが、1期目が非常に満足いく結果となったので、2期目は講座数も増やし募集人数も少し増やそうと思っています。4月末に第2期生募集のオンライン説明会を開催するのですが、様々なバックグラウンドの学生の方に来て頂く事で多様性が広がり、お互いに良い刺激を与え合えるのではと思っています。

また、GCAのビジョンにご賛同頂ける様なグローバルな視点をもった企業様とは、是非パートナーシップを組みたいと考えています。資金提供などを頂く事は一切考えておりませんが、学生の内から自分自身の将来に本気で投資している非常に有望な学生ばかりの為、例えばインターシップの受け入れや、受講生と企業様の交流など、お互いのバリューが生まれる良き取り組みが出来ればと思います。

<Global Career Academy生徒募集について>
4月20日(火)17時より第2期生募集に関する無料オンライン説明会を実施予定。 詳細はGCAのホームページをチェック

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