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まさかの年収ダウン?! 転職にまつわる、お金のトラブル ―「年収」と「手取り」は別物です―

まさかの年収ダウン?! 転職にまつわる、お金のトラブル ―「年収」と「手取り」は別物です―

転職するにあたり、年収アップを希望する人は多いでしょう。しかし、いざ入社してみたら思っていたほどの給与が貰えなかったどころか、ありえないことに年収が下がっていた・・・という悲劇が、実際の現場で起こっています。

あなたは、ご自身の年収を正確に把握されていますか?

もし誤った年収で認識していた場合、転職後に年収が下がる恐れがあります。せっかく時間と労力をかけて転職活動をし、理想的な職場に巡り合ったとしても、想定外に年収減していたとしたら・・・これは相当なダメージです。日常生活の家計のみならず、メンタル面でも被害甚大で、せっかくの新しい仕事にも支障を来たす可能性が大きいです。

このようなお金のトラブルに巻き込まれないためにも、ご自身の現年収を正確に把握するポイントがありますので、一緒にチェックしていきましょう。

ファイナンシャルプランナー Miyabiさん
FP1級。専門はファイナンスのみならず、システムエンジニア、人事担当としても豊富な現場経験を持つ。現職では “人生で必要なお金のアドバイスをくれて、複雑なIT部署とも互角に渡り合える、人事のお姉さん”として、社内で独自のポジションを確立中。セレクトショップで受けた感動的な接客体験と、ファッション業界に従事している親友の存在がきっかけで、「素敵なファッション業界で働く人々が、もっと楽しく輝けるように、“キャリアにも役立つマネー術”をお伝えしたい!」と自ら名乗り出て、本記事の執筆に至る。

「年収=額面」であり、「手取り」とは別物

毎月の給与明細を見てみましょう。

まず、総支給額の項目に記載された金額を「額面給与」といいます。転職時に聞かれる「年収」とは、1年間の給与やボーナスの「額面給与」の合計を指しますので、転職時に聞かれた場合は、必ずこれをお答えください。

次に「手取り」とは、この「額面給与」から、社会保険料、所得税、住民税などをマイナスした金額のことを指し、「手取り」がみなさんの銀行口座に振り込まれています。

もし転職活動中に、人材エージェントや企業から年収について聞かれた際、ここで1年間の「手取り」合計を伝えてしまうと、転職後の年収は下がります。誤って「手取り」の合計金額をお伝えすることのないよう、細心の注意が必要です。

正確な年収は、「源泉徴収票」で確認

源泉徴収票には、1月から12月の1年間に、会社から支払われた給与やボーナスの総額と、納めた所得税の金額が記載されています。年末年始にかけて、会社から必ずみなさんが受け取っている大事な書類です。

引用元:国税庁HP「令和3年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」

1月から12月の1年間で、会社から支払われた給与やボーナスの総額が「支払金額」に記載されています。年収とは、この「支払金額」のことをいいます。

※「支払金額」には、月額15万円以下の通勤手当は含まれていません。

年間の「手取り」を知りたい場合は、次の計算をしてみましょう。

手取り = ①支払金額 – ②源泉徴収税額 – ③社会保険料等の金額 – 住民税額

※ 住民税額は、源泉徴収票には記載されていません。毎月の給与明細に記載されている住民税額か、毎年6月頃に会社から渡される「住民税課税決定通知書」で確認してください。

年収アップの交渉は、転職エージェントが仲介していれば、彼らに任せることもできます。しかし、あなた自身が年収を正確に把握できていないと、せっかくエージェントが仲介しても、年収交渉は期待通りに進みません。転職直後に給料で悩むのはもったいないので、まずは正しい年収を把握したうえで、転職活動に臨むようにしましょう。

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