エンプロイヤーブランディングとは?選ばれる企業になるために
近年、採用市場における「人材獲得競争の激化」は企業にとって重要な問題となっています。企業は優秀な人材を会社に惹きつけるために「職場」としての魅力を売り込むこと=エンプロイヤーブランディングが求められています。本記事では、その重要性や実際のアクション、戦略、エンプロイヤーブランディングのトレンドなどについてご紹介します。
人材獲得競争を勝ち抜くのに必要なエンプロイヤーブランディング
求職者が企業を選ぶ時代へと突入したいま、自社への志望者を増やすために、企業は自社の魅力を積極的に求職者に伝えなければなりません。まずはエンプロイヤーブランディングとは何か、から理解していきましょう。
―エンプロイヤーブランディングとは?
自社の魅力(情熱や想い)を外部にむけてコンスタントに発信する戦略の一つで、「ここで働きたい」と思われる「企業の魅力」を意味します。ここ数年で、欧米を中心とした海外ではよく使われる言葉ともなってきました。
なぜエンプロイヤーブランディングが重要なのか?
エンプロイヤーブランディングの取り組みがうまく働けば、会社の魅力を十分に発信することができ、企業に興味をもつ人材も増え、人材紹介などの仲介を使わずとも必要とする人材が採用できるようになります。
また、例え人材紹介会社を使った場合でも、人材紹介会社も自社の魅力を十分に候補者へ情報伝達ができるため、やはり取り組みが重要だと考えられています。
応募者は会社名だけでは応募判断をしなくなり、たとえ有名企業でも採用募集を出すというだけで応募がくる時代ではなくなりました。エンプロイヤーブランディングは日本においては比較的新しい概念ですが、いま多くの企業が注目しています。なぜここまで注目され重要度が高まっているのでしょうか。その理由を詳しく見ていきましょう。
―採用市場における競争の変化
少子高齢化によって、近年では人材の売り手市場化が進んでいると言われています。人手が減少するなか、ビジネスにおいては仕事内容の高度化が進んでいます。その結果年々激化していると言われているのが、優秀な人材が欲しい採用市場。特にデジタルやDXの人材など競争率は非常に高いとされ、優秀な人材は待っていてもこないのが現状です。
そんな採用市場における変化に伴い、企業は求職者に訴求する企業としての魅力を確立することが必須となっています。
―企業のニーズにマッチした人材を獲得
SNSの普及により、企業が発信する情報を知ることも容易となっています。そのためホームページに掲載している内容だけでは不十分と感じる求職者も多く、もっとリアルな情報を求めています。
そこで重要となってくるのが、エンプロイヤーブランディングの手法です。「どんな人が働いているか?」という情報や、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)、カルチャーを発信することで、求職者に共感してもらう機会を設けます。
正しい情報を発信することで、企業のニーズにマッチした人材を獲得することにも繋がります。面接時の採用率アップや、採用後の離職率低下なども期待できるでしょう。
―パンデミックによる影響や変化
パンデミックは、採用にも影響を及ぼし変化をもたらしました。リモートワークなどの急増で働き方のバリエーションが増え、働く人たちの考え方や、会社の在り方も変化しています。
個々の考えはさまざまであり、だれとどこで、どうやって働くかを選べる時代に。
そんな時代に優秀な人材を獲得するためには、企業も変化が必要です。そこで、企業はその考え方、在り方をエンプロイヤーブランディングとして発信するべきなのです。
エンプロイヤーブランディングのステップ
重要性を理解した上で、実際にエンプロイヤーブランディングに取り組みたいと思った場合、どのようなアクションを起こせば良いのでしょうか。ここでは具体的なステップを見ていきましょう。
―6つの具体的なアクション
- まずは、自社内部のことを理解しましょう。自社のMVVを洗い出し、強みを理解します。
- 言語化や可視化をし、キーワードをまとめます。
- 社内で認識を共有し、納得した上で外部に発信する準備を整えます。
- デジタルを活用し、SNSマルチアングルで発信します。ホームページ、ブログ、動画etc
- HPとは別に採用ブランディングサイトを作成。作って満足せず、定期的に発信し続けることが重要です。
- 募集するポジションのJD(Job Discription)を定義して発信。いきあたりばったりの採用から、戦略的な採用へと移行させます。
―効果測定
6つのアクションでエンプロイヤーブランディングに取り組んだあとは、効果測定といったモニタリングできる数字の把握を行いましょう。サイトへのトラフィックや応募数、書類通過率、採用コンバージョンなどを把握していきます。またその他、離職率や社員エンゲージメント率、満足度も重要です。この取り組みでは、長期的な視野を持つことが重要で、あくまでも短期的に答えはでないことを理解しておきましょう。
エンプロイヤーブランディングのトレンド
優秀人材を獲得し活用していくために、いかに自社が魅力的であるのかを発信するエンプロイヤーブランディング。ここでは、取り組む際に生かしていただきたい、最新のトレンド=手法をご紹介していきます 。
―5つの手法
- 採用の間口を広げる
最近では、採用の間口を広げる企業も多くなってきています。同業種だけでなく、親和性の高い異業種からの採用にも注力していきましょう。 - MVVにもとづいた行動をした社員に対しての表彰
売上などの実績だけではなく、ミッション、ビジョン、バリューに対する功績に対し表彰を行い、個人の主体性に対して良い影響を与え、社員に理念体系を浸透させます。 - 社員インタビュー
社員のインタビュー記事は、職場環境や会社の雰囲気をアピールするのに最適です。その際は社員をHero化させるブランディングも重要となってきます。 - 採用ピッチ資料作成
採用ピッチ資料は、新しい自社のPR手法とも言われています。求職者に対し公開する会社説明資料のことで、自社のプレゼン資料とも言えるでしょう。 - 採用のC2C・全社採用
経営層や採用部門だけでなく、各部門が“自分たちに必要な仲間を獲得する”という意識で採用に取り組むのがポイントです。採用窓口を人事だけにぜず、社員ひとりひとりがブランディングを発信することでリファラル採用へと繋げることができます。
採用力を高めるエンプロイヤーブランディング
エンプロイヤーブランディングに成功すれば、採用力が高まるほか、企業の評判や自社ブランディングの向上にもつながります。
NESTBOWLでは、これまでに大手外資系ラグジュアリーブランドやD2Cスタートアップ企業、日系デザイナーズブランドなど、多数の企業に対して、エンプロイヤーブランディングの支援をしてきました。ご興味がある方はこちらよりお問い合わせください。