重要なのは、挑戦する力×やり抜く力! ヘッドハンターがコロナ禍の就活生にアドバイス
コロナ禍で耳にすることが増えた「ガクチカ」というワード。「ガクチカ」(=学生時代に力を入れたことの略称)は、学生生活の自由が制限されてしまったコロナ禍において多くの就活生を悩ませるポイントでもあるという。それでも、この制限されたなかで一生懸命趣向を凝らし、できることを実践している学生たちが多くいる。
今回は人材のプロ、ヘッドハンターの北川 加奈さんが、現役・就活生の中原 萌さんにコロナ禍のリアルな就活についてASK! 現在中原さんが取り組んでいるプログラムやコロナ禍での就活についてお聞きし、就活生に向けたアドバイスを送ります。
北川 加奈さん/エーバルーンコンサルティング株式会社 ヴァイスプレジデント(写真右)
静岡県浜松市出身。大学卒業後イギリスへ留学。帰国後は地元の静岡にて塾講師として勤務。2008年にウォールストリートアソシエイツ(現エンワールド)入社のため上京。2017年にAllegis Group Japanに入社、ASTON CARTER プリンシパルコンサルタントとして勤務。2021年1月にエーバルーンコンサルティング入社。
中原 萌さん(写真中央)
2001年生まれ。高校卒業後、京都の大学へ進学。カメラが趣味で最近はフィルムカメラにハマり中。部活動では小学校から10年間バレーボールを経験。高校時代は国連主催のイベントや海外との交流事業に参画。大学在学中にインターンシップやSDGs調査、GG Japan主催のオンラインスクールGlobal Career Academyのプログラムを受講。GCA第2期年間MVPに輝く。
金沢 政浩さん/株式会社GG Japan代表取締役(写真左)
学生時代にカナダ留学を経て米国公認会計士試験合格、TOEIC970点を取得。33歳でKeringグループ内のスタートアップ企業のJapan CFOに就任し、その後北アジア統括CFO、営業統括本部長を歴任。現在は自身が所有するコンサルティング会社にて事業会社の経営コンサルティングサービスに従事する一方、運用資産200億円規模の不動産投資企業の取締役も務める。
北川 加奈さん(以下、敬称略):ここ数年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、就職活動は大変厳しい状況ですよね。中原さんは現在大学3年生ですが、実際にどのような就職活動を行っていますか?
中原 萌さん(以下、敬称略):就職活動はできるだけ早いうちから、例えば大学一年生から始めたほうがいいと言われており、早い人では入学直後から自己分析を始めていたりします。私はGG Japanが主催するオンラインスクールGlobal Career Academy(以下、GCA)のプログラムを通じて自己分析を行うなど、面接に向けた準備をしています。
北川:GCAはグローバルに活躍する人材を育成するための大学生向けのプログラムですが、もともと受講しようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?
中原:大学生活がずっとコロナ禍だったので、この1年間、何もしなければ何もできないのでは?と思い、時間を有効活用するために受講を決めました。実際にプログラムに参加してみて、2年生のうちからエントリーシートを書き始めたり、模擬面接をしてもらったり、さまざまな取り組みを行ってきました。なかでもインターンシップは面接で話せる内容にもなり、実際の社会で学べたことが大きな経験になりました。
“ガクチカ”、“自己アピール”…就活生がみんな行うものは、自分らしく工夫
北川:今はエントリーシートがとても重要視されていますよね。加えて“ガクチカ”(=学生生活で力を入れたこと)や自己アピールなど。私が就活生の時代はどちらかというと個性よりも協調性が重視されていましたが、今は自分の個性を大切にしながら、それを自己アピールでいかに印象的に表現できるが重視されているような気がします。中原さんはどんな自己アピールを心がけていますか?
中原:いわゆる“ガクチカ”や自己アピールは、ほとんどの就活生がみんな行うものなので、目に止めてもらえるよう気をつけていることとしては、自分の“実体験”を伝えることで具体性を表したり、自分の特徴をしっかり相手に伝えられるよう自己分析しています。例えば、私にはリーダーシップとしての立場のときもあれば、影でチームを支える立場もあるなど、柔軟にいろいろな表情を持てる点が強みです。その強みを伝えるときには「ケーキのスポンジ」に例えるなど、ひと工夫して伝えるように心がけています。
北川:ケーキのスポンジ?それは面白いですね。
中原:ケーキのスポンジって、食べる人によって一番主役だと感じる人もいれば、陰で支える存在だと感じる人もいますよね。私は部活動のバレーボールで、リベロのポジションをやっていたのですが、リベロとしてみんなにボールをつなげるという陰で支える役目もあれば、リーダーシップを取る役目もあって、常にいろんな表情を持っていました。そういう特徴が上手く伝わるように心がけています。
北川さんに質問ですが、今までたくさんの方と面接を重ねてこられたなかで、どんな方が印象に残っていて魅力に感じたか、教えていただけますか?
北川:さきほど中原さんが実体験を伝えるようにしている、とおっしゃっていましたが、まさにそれだと感じています。やっぱり誰でも答えられる内容だと、新卒だけでなく、転職活動においても「それで、あなたはどんな人?」と感じてしまう。だから、実体験をお話されるというのは、とても大切だと思います。では、どんなことを新卒の面接で実体験として語るのがいいのか?それには、やっぱりインターンシップでの経験が分かりやすいと思います。学生のうちに同年代とのコミュニケーションだけでなく、社会でコミュニケーションをとっていた経験はとても強みになりますし、印象づくと思います。
コロナ禍での就活事情とは?2022年のリアルな現状
北川:とはいっても近年はコロナの影響でなかなか思うような活動ができないという就活生も多いのではないでしょうか?どんなところにコロナの影響がでていますか?
中原:やっぱり圧倒的に求人数が減ってしまったのは大きいです。例えばエアライン系など、業種によってはほとんど求人がない状況です。ほかにも調理系の学校に通っている友人からは、通常であればこの6月頃に学校に推薦用の求人が一気に届くのに今年はまったく求人が届かないといった話も聞いています。今までのような交流ができないなか、まわりの就活生がどんな状況なのか、知る機会が減ってしまいました。少しずつ状況は落ち着いてきているものの、まだオンラインでの面接が続いているので、面接のやりづらさというのはあると思います。
北川:コロナ禍になってから、オンラインでしかコミュニケーションせずに入社まで至るケースってたくさんありますよね。
中原:ポジティブに捉えてみると、例えば現地に行く交通費を抑えられたり、移動時間がない分時間を有効活用できたり…必ずしも悪いことだけではないのかもしれません。今までリアルで受けていたときにどうしても時間が被ってしまい受けられなかった面接もオンラインなら可能な場合もあるので、そういった点ではメリットもあると思います。
「挑戦する力」「やりきる力」が重要、人材のプロから就活生へアドバイス
中原:これまで多くの人材を見てこられた北川さんと金沢さんからぜひアドバイスをいただきたいのですが、将来活躍できる人材になるために必要なことを教えてください。
北川:最初のお話からつながっていますが、やっぱり実体験を語れるかどうかというのが、新卒・中途関わらずとっても重要なポイントです。“経験してみる”ということがとても大事で、やってみたいと思ったことはとにかくまずトライすること。きっと挑戦したいと思ったことすべて成功することはなく、失敗することのほうが多いですが、失敗したとしてもやってみて得られることって本当に多いんですよね。人生のなかで貴重な経験になると思うので、ぜひいろいろなものにトライしてみてください。
金沢 政浩さん:さらにそれを踏まえて私がお伝えしたいのは、挑戦する以上は“やりきる”ことがとても重要です。なにかに挑戦すると、どうしても途中で諦めてしまうことがあると思います。けれど、とにかくなにがあってもやりきることが重要。仮にやりきった結果自分が思う成果じゃなかったとしても、そこからなにか別のものにつながることもあります。失敗から学ぶことは多いですし、やりきった姿を見てくれている人がいる。なにをやるにも一生懸命やりきる、それがとても大事だと思います。
中原:私もこれからももっといろいろなことに挑戦して、一生懸命やりきろうと思います。今日はありがとうございました!
撮影:WACOH
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