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プロ着用率No.1のゴルフシューズブランド「フットジョイ」。絶大な支持を得る理由と新たに始めたチャレンジとは

プロ着用率No.1のゴルフシューズブランド「フットジョイ」。絶大な支持を得る理由と新たに始めたチャレンジとは

コロナ禍以降、世界的なブームとなっているゴルフ。日本でもゴルフを始める若者や女性が増え、人気は高まる一方だ。その動きに合わせるように、ゴルフ市場ではアパレルブランドをはじめ様々な企業が参入し、活況を見せている。そんな中で老舗のゴルフシューズブランドとして確固たる存在感を放っているのが「フットジョイ」。ゴルフシューズづくりへの想い、新しく始めた日本向けゴルフアパレル、今後の展望についてフットジョイ事情本部で本部長を務める星 裕介氏に話を伺った。

星 裕介さん/アクシネットジャパンインク フットジョイ事業本部本部長
1981年、神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、オーストラリア・シドニー工科大学で2年間スポーツビジネスを学ぶ。帰国後、新卒でアディダスジャパンに入社。約10年にわたり、営業・販促・マーケティング業務に従事。その後、ファーストリテイリングのスポーツプロジェクトチームにて広告・アスリートマネジメントに携わった後、アディダスグローバルにてゴルフ事業に従事。2021年4月、アクシネットジャパンインクに転職し、現在に至る。

仕事も趣味も、スポーツに深く関わってきた人生

― まずは星さんのご経歴について教えていただけますか。

幼稚園の頃からラグビーを、そして大学時代にはオーストラリアンフットボールをやっていたこともあり、大学卒業後はオーストラリアの大学院でスポーツビジネスを学びました。帰国後はアディダスジャパンに入社し、営業、販促、ブランドマーケティングの部署で働きました。キャリアの中ではアディダスでの仕事がトータルで約14年と一番長いですね。最後にアディダスグローバルにてゴルフ事業に携わった後、2021年4月から現在のアクシネットジャパンインクに勤務しています。

― オーストラリアンフットボールは、日本ではあまり馴染みのないスポーツですね。

日本ではマイナーなスポーツですが、オーストラリアでは国技にあたるスポーツでとても人気があります。日本でいう、プロ野球のようなものですね。ラグビーとサッカーの要素があり、楕円形の競技場で18人:18人で行います。オーストラリアンフットボールに打ち込んだ大学時代は、日本代表に選ばれたり、チームのキャプテンとしてプレーをしたりととても充実していました。大学卒業後はアメリカではなくオーストラリアにスポーツビジネスを学びに行ったのも、自分の好きなスポーツが身近にある国に行きたい、という想いからです。

当時の活躍は新聞でも取り上げられた。

― 帰国後は、アディダスジャパンにご入社。自分のキャリアに影響を与えたことや印象深く残っていることは何ですか?

アディダスジャパンは、マーケティングやプロダクトも強いですが、やはり”人“が強い会社だと思います。皆それぞれ役割はあるにせよ、部署の垣根を飛び越えて横断的に関わっていくことができ、そこに偏見やサイロ化(組織が縦割り構造になり、部門間の連携が取れていない状態)がなく、どんなプロジェクトでさえも一致団結して共通のゴールを目指していました。今思えばチームスポーツのようですね(笑)。

私がマーケティングリーダーとして関わった「2014 FIFAワールドカップ™ ブラジル大会」のような大きなプロジェクトの際も、この組織力の強さと全員同じレベルの情熱を共有したおかげでさまざまな部署、人が連携してひとつのゴールに向かうことができました。そういった仕事の進め方は、今でも役立っていると思います。

ゴルファーの要望に応える姿勢と長年培ってきた高い技術力

― 現在携わっている、「フットジョイ」について教えてください。

「フットジョイ」は、アメリカのゴルフメーカーのアクシネット・ホールディングスが展開するブランドで、日本での展開はアクシネットジャパンインクが行っています。「フットジョイ」は165年以上もの歴史があり、PGAツアー(世界各国の男子トップゴルファーが集う米国男子ツアートーナメント)が統計を取り始めた1945年以降途切れることなく毎年同ツアーでのシューズ選手使用率No.1を誇っています。

― プロにそこまで支持されている理由は何でしょう?

「フットジョイ」には、ゴルフシューズづくりにおいて他の追随を許さないノウハウ、革新性、そして情熱があります。シューズへのこだわりやゴルファーの捉え方も、他社とは異なります。というのも他社では効率性を重視し、1シーズンに1つのキープロダクトにフォーカスをすることが多いですが、「フットジョイ」では熱心で向上心の高いゴルファーに一番身近な存在であるからこそ、ゴルファーが持つ様々な、ニーズ、志向、パフォーマンスレベルなどを常に把握し、それに対してベストなものをそれぞれ提案しています。デザイン、安定性、軽さなどニーズが多様化するいま、どうしても製品数が多くなってしまいますが、どの製品も非常に高いクオリティを持っています。ゴルファーのことを真剣に考えているからこそ生まれるマインド、そしてそれを実現できるノウハウは大きな強みだと思います。

― シューズに詰まったノウハウとは、具体的にはどんな部分でしょうか。

例えば、この「ドライジョイズ プレミアパッカード」。創業者フレドリック・パッカード氏の名前がついたモデルで、非常にクラシカルなデザインですが最新の技術が詰まっています。シューズの表面は人工皮革ですがとてもこだわっていて、天然皮革並みの柔らかさの上に優れた防水性が特徴です。そしてインソールは、5分ほど履くと自分の足型に成形されるようなフィット感を生むもの。アウトソールには、世界のメジャー大会でもそのグリップ力と安定性が証明されているバーサトラックスプラスを採用。硬さの違う2種類の素材で構成されたラグ(突起)と、どんなアングルでもしっかりとグリップするのが特徴です。これだけのアウトソールをつけていますが、驚くほど軽量。これが実現できるのは高い技術力があってこそ、だと思います。

「ドライジョイズ プレミア パッカード レース」洗練された高級感のあるクラシカルデザインでありながら、最新機能を備えたモデル。Ⓒフットジョイ

― なるほど。スポーツタイプのデザインが多い中、クラシカルなデザインは目を引きますね。

日本のゴルフトーナメントでも、このシリーズを履いて頂いているプロは多いです。また、グローブも高い支持を得ており、世界においても、日本においてもプロゴルファーの「フットジョイ」グローブ着用率はNo.1ですし、マーケットシェア率でみてもNo.1です。シューズ同様にゴルファーにフィットする、機能性が高いものを提供しており、それが支持されている理由だと思います。

多くのプロゴルファーが愛用する「フットジョイ」のグローブ。Ⓒフットジョイ

新しい挑戦をしながら、ゴルファーから信頼されるブランドの地位は守る

― 「フットジョイ」は、日本ではどのようなお客様に愛用されていますか?

以前はシリアスゴルファーの方を中心に着用頂くことが多かったようですが、今はゴルファーやトレンドの変化もあり、さまざまなタイプのシューズを展開していますし、コロナ禍でゴルフ人気が高まったこともあり、ビギナーの方や気軽に楽しみたい方など幅広くご愛用頂いています。

― 「フットジョイ」としては、このブームをどのように見ていますか?

5年ほど前はゴルフ人口も減り、主に50代以上の方々が中心だった印象があったと思いますが、今は若年層や女性など新しい層が加わり、これまでとは違った価値を生んでいると感じます。その価値に対してどう合わせていくのか、あるいはリードしていくのか。我々も新しいチャレンジを行って、活性化させていきたいです。

― 「ゴルフ+ファッション」、「ゴルフ+アウトドア」というように、ゴルフに新しい要素が加わってきていますね。

ゴルフ+αで価値を見出すことに関しては、とてもポジティブに捉えています。ただ、我々が忘れてはならないのは、生粋のゴルフブランドであること=オーセンティシティです。ゴルフブランドとして、“ゴルファーのパフォーマンスを向上するために、ベストな製品とサービスを提供する”をプライオリティとしてやり続ける、それが大事だと思っています。

その一方で、ニーズの移り変わりについてはもちろん注意深く見ています。そういった意味で、新しいチャレンジを始めたのが、アパレルです。これまではアメリカ本社が企画・開発した製品を中心に販売していましたが、これからは日本のニーズにより対応するために日本独自のラインも出していきます。2023年2月から販売を開始する”Athletic Performance Collection”を中心に、これからどんどんラインナップを充実させていく予定です。

Athletic Performance Collection Ⓒフットジョイ

― ゴルフアパレルの展開も楽しみです。今後の展望について教えてください。

日本向けのゴルフアパレルという新しいチャレンジも行いつつも、これまで通りゴルフシューズをブランドの根幹として固めていきます。「フットジョイ」のブランドとしての高い信頼性は保ちつつ、新しいデザイン、技術の進化などを製品に反映させ、常にNo.1ゴルフウェアラブルブランド(*ウェアラブル=着用可能な)であることを目指していきます。プロ、アマチュア、初心者問わず、ゴルファーにしっかりと寄り添い、“パフォーマンスを向上させることに熱心で妥協のないゴルファーに向けたものづくり”を、今後も続けていきます。

文:鈴木 里映
撮影:Takuma Funaba

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