1. HOME
  2. 最新ニュース&インタビュー
  3. ファッション透明性インデックス脱炭素編 「What Fuels Fashion? 2025」日本語版を公開

JOURNAL

ファッション透明性インデックス脱炭素編 「What Fuels Fashion? 2025」日本語版を公開

ファッション透明性インデックス脱炭素編 「What Fuels Fashion? 2025」日本語版を公開 NEW

繊維・ファッション産業の脱炭素化を進めるための重要なアクションとは

FASHION REVOLUTION JAPANを運営する一般社団法人unisteps(東京都渋谷区)は、「ファッション透明性インデックス 脱炭素編 ーWhat Fuels Fashion? 2025ー」日本語版を発表しました。

本レポートは、世界最大のファッションブランド200社を対象に、自然環境や人権への取り組みに関する情報開示の状況を評価する「ファッション透明性インデックス」の脱炭素に特化した特別版です。繊維・ファッション産業が直面する脱炭素化の課題に焦点を当て、現状と課題、そして今後必要とされる具体的な対応策を示しています。

本レポートを、日本の事業者、生活者、行政など、さまざまなステークホルダーに届けることで、産業の現状とその先にある未来を考え、より良い産業をつくるための行動につなげるきっかけとなることが期待されています。


「What Fuels Fashion?」の目的と背景

「What Fuels Fashion?」は、ファッション産業の脱炭素化と気候危機への対応を加速させることを目的としたレポートです。
以下の観点から調査・分析が行われています。

  • 気候危機がもたらす深刻な影響に対する緊急性の共有
  • 世界最大規模のファッションブランドの取り組みを分析し、トレーサビリティを比較
  • ブランドおよび小売業者による脱炭素化目標・戦略に関する詳細な情報開示の促進
  • データに基づき、利害関係者が気候変動に対して行動を起こすためのツール提供
  • 産業が直面する社会的・環境的課題に対する社会的認識の向上

脱炭素に特化した5つの主要テーマ

本レポートでは、気候危機解決に向けた具体的なアクションを評価するため、以下の5つのテーマを軸に調査が実施されました。

1. 説明責任
気候変動やエネルギーに関する方針・慣行について、どの程度の透明性を持っているかを評価。

2. 脱炭素化
温室効果ガス排出削減目標の設定および、その進捗状況が明確に開示されているかを分析。

3. エネルギー調達
再生可能エネルギーの活用状況や、化石燃料からの段階的な移行に向けた取り組みを評価。

4. 脱炭素化のための資金調達
脱炭素に向けた施策を支える資金の透明性と十分性を検証。

5. 公正な移行と政策提言
再生可能エネルギーへの移行が、労働者や地域コミュニティに与える影響に配慮し、公正かつ包括的な解決策を提示しているかを評価。


2025年度 上位10ブランド

2025年度の上位10社は以下の通りです。

  • H&M(71%)
  • ONIVERSEグループ(Intimissimi、Calzedonia、Tezenis)(63%)
  • Puma(51%)
  • OVS(49%)
  • Gucci(47%)
  • Gildan(46%)
  • Lululemon(39%)
  • ASICS(38%)

透明性の重要性について

透明性とは、企業がどの程度情報を公開しているかを示す指標です。
FASHION REVOLUTIONは8年前からファッション産業における透明性調査を行い、気候危機への対応と、サプライチェーンにおける労働者や地域コミュニティの保護の重要性を訴えてきました。

2025年の平均情報開示スコアは14%にとどまり、多くの大手ブランドがエネルギーや気候に関する詳細な計画やデータを十分に公開していない現状が明らかになっています。一方で、ハイストリートからラグジュアリーまで、一部の企業では透明性向上における前進も見られます。

なお、本レポートはサステナブル企業のランキングを示すものではなく、あくまで「透明性の高さ」を示す指標です。
しかし、情報が公開されていなければ、環境・社会への影響を評価することも、持続可能性を実行することもできません。透明性の向上は、持続可能で公正なファッション産業を実現するための重要な第一歩といえます。


レポート概要①:脱炭素化の現状と課題

  • 平均スコアは14%と低水準
  • 生産工程における温室効果ガス排出の多くは、蒸気や熱処理などの熱エネルギーによるもの
  • 電化やクリーンヒート技術の導入を公表しているブランドはごくわずか
  • サプライチェーン全体での再生可能エネルギー使用目標を公開しているブランドは約10%
  • サプライヤーへの脱炭素支援額を公開しているブランドは6%未満
  • 化石燃料・石炭のフェーズアウト計画を公開しているブランドは約18%

レポート概要②:脱炭素化推進のカギとなるアクション

本レポートでは、Clean Heat(クリーンヒート)が、繊維・ファッション産業の脱炭素における最大の盲点であり、同時に最大のインパクト領域であることが示されました。

クリーンヒートとは、石炭・石油・ガスといった化石燃料に依存しない、低炭素またはゼロカーボンの熱エネルギーを用いて生産工程を稼働させることを指します。

衣服の製造工程では、染色、漂白、乾燥、アイロンなどの工程で大量の熱エネルギーが必要とされます。ファッションブランドにおけるScope 3排出の多くは熱エネルギーに起因しており、電力の再生可能エネルギー化だけでは排出削減は不十分とされています。

クリーンヒートの実践方法としては、電化(電気ボイラーの使用)や、ヒートポンプによる熱回収・再利用などが挙げられます。

さらに、気候変動の影響により工場での熱中症リスクが高まり、労働者の健康や生産性への影響も指摘されています。クリーンヒートの導入は、こうした人権面・経済面の課題への対策としても有効であり、大気汚染の大幅な削減にもつながることが示されています。


FASHION REVOLUTIONとは

FASHION REVOLUTIONは、「人を尊重し、環境を守り、修復するファッション産業」の実現をビジョンに掲げるグローバルムーブメントです。ラナ・プラザ崩壊事故をきっかけに設立され、リサーチ、教育、アドボカシー活動を通じて、市民・企業・政策決定者に働きかけています。
▶ 公式サイト
https://www.fashionrevolution.org/asia/japan/

SNSでこの記事をシェアする