「悩んでる時間がもったいない!!」 語学スキル習得のために退職&留学!そして派遣から念願の本社職正社員へ!
販売職から本社勤務へキャリアチェンジを果たしブランドの第一線で活躍する方々に話を聞き、仕事への姿勢を学んでいく「本社の壁」企画。今回は、大手外資系ラグジュアリーブランドでeコマース事業に携わるH氏に話を聞く。自らの弱点・キャリアアップに足りないものを客観的に見つめ、留学を通してそれを克服し本社職を掴んだH氏。「留学はメリットしかなかった」と断言するが、大きな決断と一歩を経て得たものとは何なのか? 派遣社員から正社員の本社職を掴んだ、泥臭くも華麗なキャリアに迫っていく。
H氏プロフィール
服飾系学校を卒業後、日本のアパレル企業に入社し販売職を経験。その後外資系ラグジュアリーブランドで時計の販売を担当する中で、自身のキャリアアップを見つめ語学留学を決断する。帰国後は高級腕時計ブランドで広告&マーケティング部に配属。数社の転職を経て、現在は大手外資系ラグジュアリーブランドのeコマース事業に携わる。
ステップアップのために自分に足りないもの…弱点を理解していたからこそ見えた、「留学」という選択
―これまでのキャリアについて教えていただけますか?
服飾系学校を卒業後は、国産アパレル企業で販売職を2年間経験して、大手ラグジュアリーブランドに転職。当時そのブランドの中でも売上が好調の店舗で、時計の販売を約5年半担当していました。
その後アメリカへの留学を経て、帰国後は高級腕時計ブランドでアドバタイジングとマーケティングの経験を積みました。両方とも初めての経験でしたが、スペックシート作成や日本語WEBサイト立ち上げ時の細かな校正作業は、時計販売時代の知識が役立ちましたね。
その後はラグジュアリーブランドの時計部門の企業で、マーケティングに携わることに。その部署では販促イベントが主な業務で、時計卸店のお客様にブランドの世界観を提供する、エクスクルーシヴなイベントを行っていました。
時計ブランドへの勤務が続く中で、やっぱり洋服が好きなのでアパレルブランドも経験したい気持ちが芽生えて、現在の外資系ラグジュアリーブランドへ入社したんです。入社時はマーケティング部で顧客向けのストアイベントはじめ、カタログやギフトなど販促ツールの制作管理を行っていましたが、現在はeコマース事業に携わっています。
―販売に携わった1社目のラグジュアリーブランド時代は、“本社への壁”を感じていましたか?
入社2、3年目のタイミングで次のステップを考え始めて…そのまま店舗でキャリアアップしてセールスエキスパートになるか、ストアマネージャー職になるか。それとも本社のバックオフィスに挑戦するかの選択肢がある中で、本社職への挑戦を次のステップに定めました。当時ちょうど本社職の社内公募があったのですが、その募集要項を見て自分には語学力が足りないと感じて…。入社から5年を区切りに、留学をしようと決めたんです。
―留学で得たものは何でしょうか?「何」を得たから本社職が叶ったと思いますか?
留学を経たことで、希望職に必要なTOEICの点数が上がったことでしょうか。特にリスニング力は飛躍的に伸びました。もちろん日本に居ながらもできたとは思うのですが、海外で実際に生活しながら、集中して学ぶことで劇的に向上したと感じています。
その他にも、転職活動するにあたってExcelやPowerPointなどOfficeソフトの試験を受けました。販売職の経験だけでは、どれ程のPCスキルがあるか伝わりにくいので、語学力の他にPCスキルも履歴書に盛り込めたことはプラスでしたね。
―販売職を経験していたからこそ、本社職の業務で活かせたことはありますか?
販売経験を通して、時計の名称や仕組みといった専門知識、そして販売スキルを持っていたことは大きいです。その経験を活かして、現職の販促イベントでは私自身が高額商品を販売するサポートに回ることも。店頭での接客経験がないと、そこまではできなかったと思います。結局は販促イベントの成果は「売上」なので、その部分に貢献できることは大きいですね(笑)
「留学で得たものはメリットだけ!悩まず、まずは行動あるのみ!」
―逆に販売から本社職になって、苦労した経験はありますか?
特にないんです(笑)。販売で一般のお客様に直に接することも、卸先と協業することも、オンラインで商品を販売することも、全て“お客様が求めていることは何か”を考えることに変わりはないと思いますので。
でも強いて言えば…1年留学していただけなので、振り返ればもっと現地でたくさん学んでおけばよかったなと思う時もあります。もっとコミュニケーション力があれば、本国スタッフとの細かな意思疎通もスムーズにできるのに!って。
―もし留学せずに、あの時あのまま高級時計の販売職を続けていたら、どのようなキャリアになっていたと思いますか?
当時の同期たちは現在、販売職からショップマネージャーになっている人もいれば、本社職に就いている人もいます。自分がもし留学せずに残っていたとしても、少しずつ勉強をして転職もしくは社内公募にチャレンジして、本社職を目指していたと思いますね。
―留学のメリット、反対にデメリットはありましたか? また、これから留学を希望する方へと、本社職を目指す販売スタッフへのアドバイスをお願いします。
留学のメリットは、やっぱり短期間で集中して語学を学べることが大きいです。逆にデメリットは、あまり感じていなくて…。「もっと必死に勉強していたら」と思うことはありますが、海外での生活には満足しています。
そしてこれから留学を考えている方には、「悩まずに行った方がいいよ」と伝えたいです。まずは短期間でも現地に行って、帰るか延長するかの判断はその時に考えればいい。
もちろん、本社に行くチャンスは少ないことも理解していますが、私のように派遣社員を経て本社の正社員になれることだってある。迷っている時間が本当にもったいないので、まずは行動あるのみ!だと思います。