クリスマス・年末商戦!ブランドの現場のドタバタ舞台裏と売上予測
いよいよ年末を迎え、ファッション業界もクリスマスや年末商戦の真っ只中。ブランドアイテムをギフトとして購入する方が最も多い繁忙期にあたります。ではこの時期、ラグジュアリーブランドの舞台裏はどのようになっているのでしょうか?現状から、時勢による環境の変化を経た今後の予想まで見ていきましょう。
繫忙期の拡張
ラグジュアリーファッション業界においては、7月のセール時期よりもクリスマス商戦が始まる12月から1月にかけてが最も忙しい時期となります。以前はクリスマスから年始まででしたが、昨今ではインバウンドの影響で中国の春節(旧正月)にあたる1月後半まで繫忙期が延びています。
ラグジュアリーブランドの中でも、服がメインのブランドは比較的この時期も穏やかですが、ジュエリーやグッズなども幅広く展開しギフト商品を取りそろえているところでは、忙しさがピークに。人気商品はあらかじめ梱包しておいて対応するところも少なくありません。
クリスマスが終わったら年始まではひと段落?と思うかもしれませんが、実はもう一つの繫忙期が待ち構えています。というのも、プレゼントされた商品の返品、交換の依頼が山のように発生するのです。
返品事情
アメリカではクリスマス後の返品、交換は当たり前とされているようで、「ギフトレシート」なる商品の金額の記載のないレシートがプレゼントに同封され、中身が思っていたようなものと違った場合は後日購入先に行って返品したり、同額の別の商品と交換したりできるのだとか。
そこまでの合理性を日本人が追及できるかというと難しそうですが、ギフトレシートこそないもののそれなりにプレゼントの返品、交換は恒例のイベントである模様。
また、オンラインの話にはなりますが、ECサイト上での確認のみで実店舗で実物を見ず、または試着せずに注文する場合、届いてみたら思っていた感じと違ったということが実に多く、実店舗における返品よりも各段に返品率が多いとされています。
子供の頃のクリスマスプレゼントの思い出として、思ってたものと違うものがサンタさんから送られてきて、ちょっとしょんぼりした経験があるかたもいるのでは。これからのサンタさんは正規ECサイトを展開し、返品交換の対応も可能なんてことにもなるかも?
売上予想
2020年こそコロナの影響で売上がいったん落ちたものの、その後2021年は旅行にお金を使いづらくなった富裕層などに支えられ売上は回復しました。今年はインバウンド消費の復活が見込まれることから、さらに売上が伸びるであろうことが予想されます。
どんどん上がる単価の謎
売上が伸びている要因として、アイテムの単価が上がっていることがまず挙げられます。昔はブランドもののお財布も3万もあれば買えたものが、今では10万近くかかります。これは単純にグローバル単位での物価が上がった、そこに円安の影響も加わったという理由だけではありません。実は「もうすぐ価格を改定します」と宣言してはその前に購入させる、という商法を繰り返した結果値上げが続くことになったという話もあるのです。
さまざまな事情が絡んだ結果としてブランド品の単価の高騰につながっているようです。それでもラグジュアリーブランドの全体的な売上が伸びていることを考えると、アイテムの単価の高騰は消費活動には影響がないと考えて良さそうですね。
繁忙期に増員する派遣スタッフからの正社員登用
最後にひとつ、求人の話題についてご紹介します。繁忙期には、その時期のみの契約で派遣スタッフを雇用しますが、そこでいい働きを見せると、正社員としての雇用につながるパターンが多いという話です。
もしもパフォーマンスに自信があり、かつ現在は非正規雇用のかたは、求人募集が出るのを待たずにそういったルートで憧れのブランドにアタックしてみるのもひとつの手段と言えるでしょう。
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文:ミカタ エリ