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色彩で魅せるブルガリの芸術世界― 国立新美術館で過去最大の展覧会「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」が開催

色彩で魅せるブルガリの芸術世界― 国立新美術館で過去最大の展覧会「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」が開催

ローマを代表するハイジュエラー、ブルガリが、日本で10年ぶり、そして過去最大のスケールとなる展覧会「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」を、2025年9月17日(水)より東京・国立新美術館で開催します。在日イタリア大使館の後援のもとに行われる本展は、約350点におよぶジュエリーや現代アート作品、貴重な資料などを通して、色彩という視点からブルガリの創造の軌跡をたどるものです。

万華鏡のように広がる、色彩の旅

展覧会タイトルにある「カレイドス」は、ギリシャ語で「美(カロス)」と「形態(エイドス)」を由来とする言葉で、調和しながら変化し続ける色の世界を象徴しています。本展では、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションの傑作や個人所蔵の貴重なジュエリーが一堂に集結。メゾンの創業から現代に至るまでの歩みを色彩の視点で振り返るとともに、イタリアと日本の文化的つながりや共通する美意識が浮き彫りにされます。

展示は「色彩の科学」「色彩の象徴性」「光のパワー」という3つの章で構成され、ブルガリが長年にわたり追求してきた色彩の魅力に迫ります。それぞれの章では、素材や技術、文化背景を通して、ジュエリーに込められた豊かな意味と創造性が解き明かされます。

第1章「色彩の科学」

本章では、ブルガリのジュエリーにおける色彩の理論的・技術的アプローチに焦点を当てます。カラーストーンの組み合わせや、光の屈折による輝きの演出など、視覚的効果を追求したデザインの数々が紹介されます。1940年から1960年代にかけての作品を通じ、ブルガリがどのように色を「計算」し、美へと昇華させてきたのかを知ることができます。

主な出展作品には、《ブレスレット》(1940年頃)や《「ビブ」ネックレス》《ペンダントイヤリング》(ともに1968年)があり、ゴールドとプラチナの土台に、エメラルド、アメシスト、ターコイズといった多彩な石が、緻密に組み合わされています。

《ブレスレット》 ゴールド、プラチナ、シトリン、ダイヤモンド 1940年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション
《バングル》 ゴールド、プラチナ、ルビー、サファイア、ダイヤモンド 1954-55年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション
《「ビブ」ネックレス》 ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド 1968年 リン・レブソン旧蔵 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション
《ペンダントイヤリング》 ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド 1968年 リン・レブソン旧蔵 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

第2章「色彩の象徴性」

この章では、色が持つ文化的・精神的な意味に注目します。色は単なる装飾ではなく、古来より力、知恵、永遠性、情熱など、さまざまな概念を象徴してきました。ブルガリの作品においても、特定の色が持つ象徴的な価値がデザインに反映され、身に着ける人の個性や信念を映し出しています。

たとえば、1961年制作の《ネックレス》では、力や再生を象徴するエメラルドが贅沢にあしらわれており、その深いグリーンが放つ存在感が、作品に神秘性を与えています。

《ネックレス》 プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド 1961年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

第3章「光のパワー」

最終章では、光が色彩にもたらす影響と、その効果を最大限に活かしたジュエリーが登場します。石のカットやセッティングによって光をどのように取り込み、反射させるかを考え抜いたデザインは、まさに視覚芸術の粋。まばゆいばかりの煌めきの中に、ブルガリならではの技巧と美学が結実しています。

その代表作として、《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》(1969年頃)があります。ゴールドにアメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンドが贅沢にあしらわれたこのブレスレットは、カボションカットによって石の色と光を一層引き立て、色彩の力を存分に感じさせてくれます。

《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》 ゴールド、アメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド 1969年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

さらにフィナーレを飾るのが、《「セルペンティ」イブニングバッグ》(1978年頃)。ホワイト、レッド、そして「アクア・ディ・マーレ(水の色)」と呼ばれるブルーグリーンのトーンがスリートーンゴールドに織り交ぜられ、シルクコードとダイヤモンドがアクセントを添えます。ブルガリの金細工の技巧と、伝説的な「メローネ」バッグの成功を象徴するアイコンピースとして、華やかな締めくくりとなっています。

《「セルペンティ」イブニングバッグ》ホワイト、レッド、「シーウォーター」グリーンゴールド、シルクコード、ダイヤモンド 1978年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

現代アーティストとの対話

本展をより多面的にするのが、3人の女性アーティストによる現代作品の存在です。イタリア出身のララ・ファヴァレット、日本を代表する現代アーティストである森万里子、中山晃子が、それぞれの視点から「色彩」をテーマに新作を発表。工業素材を用いたインスタレーション、神話を想起させる瞑想的な作品、光と水と鉱物顔料が混ざり合う映像インスタレーションなどが展示され、ジュエリーとは異なる角度から、色の持つ感情や象徴性が浮かび上がります。

こうしたアート作品とブルガリの歴史的なジュエリーが響き合うことで、鑑賞者は単なる美術品の鑑賞を超えた、色と感性が交錯する豊かな没入体験を得ることができるでしょう。

建築とデザインが導く色彩空間

展示空間の設計は、日本の建築家ユニット「SANAA」と、イタリアのデザインユニット「フォルマファンタズマ」が手がけます。古代ローマのカラカラ浴場のモザイク模様や、東京の街路樹・イチョウの葉のフォルムから着想を得た空間は、曲線と光、半透明の素材によって、まるで色彩そのものの中を歩いているかのような体験を演出します。

フォルマファンタズマはまた、ブルガリのヘリテージ・ジュエリーのために特別な展示ケースもデザイン。ローマと東京、それぞれの土地に根ざした美意識が、色彩の物語をより深く、より豊かに伝えてくれます。

芸術とクラフツマンシップの融合を体感

「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」は、ブルガリが長年にわたり追求してきた色彩と形、素材と感性の融合を体現する展覧会です。色という共通の言語を通じて、ジュエリーとアート、そしてイタリアと日本の美の価値観を結ぶこの試みは、時代やジャンルを超えた対話の場でもあります。

ブルガリの創造性、クラフツマンシップ、そして文化に対する深い理解が交差する場を、ぜひ現地でご体感ください。

【展覧会概要】

展覧会名:ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧
会期:2025年9月17日(水) ~ 2025年12月15日(月)
休館日:毎週火曜日 *ただし9月23日(火・祝)は開館、9月24日(水)は休館
開館時間:10:00~18:00 毎週金・土曜日は20:00まで *入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 https://www.nact.jp
主催:国立新美術館、ブルガリ
後援:在日イタリア大使館
観覧料:一般2,300円 大学生1,000円 高校生500円(全て税込)
*中学生以下は入場無料
*障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料
*本展は日時指定券を導入します。
詳しい情報は後日ホームページ等でお知らせします。
アクセス:
・東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
・東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
・都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分

お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会ホームページ:https://www.bulgari.com/ja-jp/stories/kaleidos-exhibition
美術館ホームページhttps://www.nact.jp

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1884年創業以来130年を超える歴史を持つ、
イタリアの宝飾品ブランド「ブルガリ」。