NESTBOWLが運営する企業間コラボレーションに特化した「コラボ・マッチングプラットフォーム」。このマッチングサービスをきっかけに、今年デビュー10周年を迎えるアーティスト「ナノ（NANO）」と、ファッションブランド「AIVER」とのコラボレーションが実現。今回、ファッションアイテムのみならず、デジタル3DフィギュアのNFTコラボまで、新たなコラボレーションにチャレンジしたホリプロの髙辻綾乃さんにお話を伺いました。

髙辻彩乃さん／株式会社ホリプロ 音楽事業部 音楽制作部
アーティストのマネジメント、ライブ運営、ファンクラブ運営、グッズ制作など幅広く手掛ける。現在、デビュー10周年を迎えたナノを含む3名のアーティストのマネジメントを担当。

NANOのジェンダーレスな世界観とAIVERのユニセックスなテイストがマッチ

― 今回、NESTBOWLのビジネスマッチングサービスを活用するきっかけになったアーティスト、ナノさんについて教えてください。

ナノは、アメリカのニューヨーク生まれのバイリンガルシンガーです。ニコニコ動画で日本語の曲を英語で歌った投稿がバズって人気になりました。デビュー後は、アニメとのタイアップを数多く担当しているアニソンシンガーとして活躍しています。英語が堪能なので、海外イベントでもコミュニケーションが取りやすく、SNSも英語で発信しているので海外のファンが多いですね。Spotifyのリスナーも7～8割が海外のファンです。2022年にデビュー10周年を迎えました。

― この10周年の企画で、髙辻さんはコラボレーション先を探されていたと伺いました。

今までにやっていないトピックスを10個やろうと企画しました。同じ10周年を迎えるゲーム会社や海外にもリーチのあるDJさんとのコラボなど大きいことをやりたくて。私はファッションが好きなので、どこかのブランドとコラボできないかなと調べていたところ、NESTBOWLのAIVER（アイバー）さんのコラボ募集記事を見つけました。もともとナノは性別も分からない存在で、これまでは目まで隠れるほどフードを深く被って活動していたので、AIVERさんの商品にも顔全体が隠れるようなフードがあり、本人も「フード、良いじゃん！」と。AIVERさんのユニセックスなデザインとナノのテイストがぴったりだったのです。

― ナノさんの世界観やコンセプトと、AIVERさんのデザインがはまったわけですね。そこからAIVERさんとのコラボがすぐに決まったそうですが、どのように進んでいったのでしょうか。

AIVERさんにはバンド系でコラボされた事例があったので、イメージが湧きやすかったですね。ジェンダーレスな世界観やフード付きのデザインの希望を伝えると、「じゃあ、やりましょう」と決まりました。こんなふうにぽんぽんと決まったのは、初めてのことです。

― 新しいチャレンジで運命的な出会いをされて、スムーズに決まったのですね。コラボレーションの具体的な内容について教えてください。

ナノにとってフードはマスト。デビューして5年くらいはアーティスト写真やライブで革ジャンもよく着ていたので、フードと革ジャンをお願いしました。常に全身黒だったナノが白いフードと大きめの革ジャンを着ることで、今までとは違うファッションの見せ方になりました。AIVERさんともうまくコミュニケーションが取れ、フィッティング時もほんの10分で決まりました。普段、ナノはかなり悩むタイプですが、それがまったくなかったというのはすごいことです。

― すごいですね！　今は、別の取り組みも進んでいるとか。

はい。グッズとしてはコラボパーカ―を出したいと思っています。AIVERさんからは、写真を半分イラストにした「半分二次元」のスタイルをご提案いただきました。今後、AIVERさんのホームページやナノのライブで販売する予定です。

NANOの公式キャラクター「ちびナノ」はNFTでも展開。新しいプロモーションを模索

― 新しい取り組みとしてNFT(※)での企画も進められるそうですね。

これは、ホリプロとしても前例がない初の取り組みになるのですが、ナノがもっている「ちびナノ」という公式キャラクターのデジタル3DフィギュアをNFT化して、限定で1,036体を販売します。NFTオンラインマーケットプレイス「OpenSea」で世界に向けて発信するのですが、国内外問わず多くのリスナーを持つナノだからこそ、各国のデザインを模したキャラクターデザインを展開していきます。キャラクターの中には、プレミアデザインとしてナノ直筆サイン入りや、本人が大好きなアニメキャラクターを彷彿とさせるデザインなどかなり楽しめるデザインラインナップばかりです。AIVERさんとのコラボでは、現在のアーティスト写真にて着用している「バックサテンソリッドスタジャン」や、今年デザインの「大蛇シャツ」などを着用したちびナノも登場します。

（※）NFT＝Non Fungible Token（非代替性トークン）NFTとはアートや音楽、コレクターズアイテムなど、唯一無二かつ代替不可能なデジタル資産にブロックチェーン上で所有証明書を記録し、固有の価値を持たせる非代替性のデジタルトークンのこと。新たな売買市場やビジネスを創出する技術として注目されている。

― NFT展開は非常に面白いですね！前例がない重要なミッションですが、NFTでの販売は髙辻さんが発案されたのでしょうか。

弊社の取締役がNFTやメタバースに積極的なんです。アーティストのリアルな顔で販売するとファンにしか届かないけれど、キャラクターならアーティスト自身を知らなくてもキャラクターに新しいファンが付いてくれる、と。キャラクターを持っているアーティストは、たまたま私の担当ではナノだったので、ナノの10周年のトピックスのひとつとして手掛けることにしました。同時に、11年目からは海外を拠点に動いていきたいと思っているので、これがきっかけになればと思っています。まずは、NFTで限定1,036体をOpenSeaで販売して、結果が良ければ第2シリーズ、第3シリーズと販売していければと思っています

― 海外ブランドのNFT展開事例は多いですが、日本のファッションブランドとアーティストのコラボしたNFTプロジェクトは先進的な事例になりそうですね。

むしろ、ブランドさんがやりたいと思ってくださっていることが多いようで。ファン以外のところで、例えばＮFTに興味のある企業さんからどれくらいリアクションがあるか今から楽しみですね。今後の販売スケジュールとしては、9月26日から販売を予定しています。

― 初めてのNFT展開、準備が大変なのでは？

そうですね、結構大変です（笑）協賛でご一緒している企業さんと毎日いろいろな確認事項が飛び交っています。2Dと違って「横はどうします？」「後ろはどうします？」「この服の前は開けますか？閉めますか？」という3Dならではの確認が何パターンもあって。ナノは、海外へのリーチがあることとキャラクターをもっているという点で、NFTやメタバースの関連の企業さんからも興味を持っていただき、需要があるアーティストなんだなと感じますね。今回のAIVERさんをきっかけに、今後さまざまなファッションブランドさんともコラボしていきたいと思っています。ご興味がある方はぜひこちらにご連絡ください。

メタバースで可能性が広がる！アーティストとファッションブランドのコラボ

― 今回のAIVERさんとのコラボを振り返ってみて、良かった点、大変だった点はどんなことがありますか。

アーティストは音楽だけになってしまうところに、音楽以外のトラックができていろんな可能性が出せるのは大きいと思っています。NFTなどにもつながっていき、活動の幅を広げられたというのは良かったですね。ナノ本人もコラボを楽しんでいて、音楽に行き詰ったときも「こうしたい、ああしたい」とコラボの話題でリフレッシュできています。それから、ナノはAIVERさんの服をめちゃくちゃ気に入っていて、事あるごとに「今日はこれを着よう！」と話しています（笑）　また、アーティスト写真で着用したアイテムにもファンの方から反響があって購入に至ったという話も聞いています。デビュー10周年という節目にAIVERさんという素敵なブランドさんと巡り会えました。

― 大変だった点として、ナノさんが少し小柄だということでサイズの調整が難しかったとお聞きしました。

ナノは細身の小柄で「写真で見るより小柄なんですね」と言われることが多くて。AIVERさんはユニセックスのブランドなので、普通に着ると、だぼっとしすぎて着せられてる感が出ることもありました。でも、そこはAIVERさんからうまくアドバイスをもらいながら、トータルバランスが良い感じに仕上がったので良かったです。

― お話を聞いていますと、髙辻さんはコラボを楽しんでやってらっしゃるようですね。

そうなんですよ。私がすごく楽しんじゃってます！この先、いろいろな兼ね合いで、大変なこともあるかもしれませんが、私は好きでやっているので、まったく恐怖に感じていません（笑）

― NESTBOWLを使ってみた満足度はいかがでしたか。アーティストのマネジメントをされている立場から、どんな方におすすめできそうでしょうか。

めちゃくちゃ満足しています！ホリプロには、俳優、タレント、芸人、アーティスト、アイドル、声優、文化人、コメンテーターといった方が幅広く所属していますが、今は、本人たちが洋服や化粧品、物をプロデュースするような動きがすごく多くなっています。NESTBOWLのマッチングサービスは自分で何か作りたい方やコラボという形で自分を発信したい方の力になってくれるサービスだと思います。

― 私たちも協働で物を作るなど、Win-Winの形でコラボレーションできることを望んでいますので、今回のような形は本当に理想的だなと思います。今後髙辻さんがやりたいことや、NESTBOWLを通じてやってみたいことがあればお聞かせください。

リアルとネットのどちらも活用できたらいいなと思っています。ナノ自身は、性別が分からない存在で活動してきましたから、男女を問わない服装やLGBTQといったところと親和性が高いと思います。NFTやメタバースといったデジタルの部分は確保できつつあるので、リアルな部分では、例えば、ナノを使ってファッションで自分を表現できることをNESTBOWLから世界へ発信していけたら良いですね。

ナノの世界観とAIVERのブランドテイストが見事にマッチした結果、コラボ企画がとんとん拍子に進んでいくという理想的なコラボ事例をお聞きできました。ネットとリアルを複合した形でコラボレーションが生まれ、海外へ発信されることでマーケットが広がっていくことを願っています。NESTBOWLのマッチングサービスにご興味がある方はこちらからお問い合わせください。

【公式キャラクター「ちびナノ」デジタル3DフィギュアNFT販売情報】

■販売点数合計
1,036体

■販売時期
2022年9月26日(月)10:00

■価格
0.05eth *87$

■Website
https://www.chibinano-nft.com/