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【イベントレポート】LVMH Watch & Jewelryメゾンのスペシャリストが語り合う!平成→令和のお客様の購買行動、接客サービスの変化とは

【イベントレポート】LVMH Watch & Jewelryメゾンのスペシャリストが語り合う!平成→令和のお客様の購買行動、接客サービスの変化とは NEW

2024年8月22日(木)、LVMH Watch & JewelryとNESTBOWLは「Discover LVMH Watch & Jewelry Vol.3」を開催しました。LVMH Watch & Jewelryやラグジュアリービジネスに興味を持っている方を対象としたイベントで、自身のキャリアやビジネスに役立つヒントを得てもらうことを目的としています。

大好評だった
Vol.1Vol.2に続き、第3弾となる今回は、初のオンライン開催でメゾンの販売スペシャリスト3名をゲストスピーカーに招きました。「時代の変化による、お客様の購買志向や考え方の変化とは」をテーマとした、スペシャルセッションの様子をお届けします。

イベント登壇者
BVLGARI/Deputy Store Manager Yさん
HUBLOT/Sales Expert Nさん
ZENITH/Boutique Manager Iさん

■モデレーター
LVMH Watch & Jewelry人事/塩見さん

令和の時代は、店舗に行く価値を提供する必要がある

― 新型コロナウイルスの流行、環境課題への意識の高まりや多様性の受け入れなど、平成から令和の時代にかけてさまざまな変化が起きています。お客様の買い物の仕方や考え方などに変化はありましたか。

ZENITH/Boutique Manager Iさん(以下、ZENITH/Iさん):以前は商品の売れ行きは流行に左右される傾向がありました。またお祝いなどのオケージョンやお返しなど、必要に迫られての購入も多かったですね。

コロナ以降は、商品についてお客様ご自身で情報を集められることが増えました。また、周りの評価よりもご自身が必要かどうかを基準に判断され、本当に欲しいものや良いと思うものは値段が高くても購入される方が増えたように感じています。

BVLGARI/Deputy Store Manager Yさん(以下、BVLGARI/Yさん):以前はいわゆる「ブランド志向」の方がとても多かったです。今は購買行動が「モノ」から「コト」に変わり、経験にお金を使う方が増えていると感じます。例えば、ブランドのポップアップストアに行き、SNSで発信されるのも「コト」消費なのかもしれません。付加価値がないと売れにくい時代になったと感じます。

HUBLOT/Sales Expert Nさん(以下、HUBLOT/Nさん ):当時は人気のラインナップがある程度限定されていましたが、最近は多様なモデルをお選びいただくことが増えました。お客様それぞれがご自身のライフスタイルに合うものを選ばれる。そこにアドバイスをさせていただくというスタイルがメインになっていると思います。ブティックは、お客様に足を運んでいただく価値を提供する必要があるでしょう。

― マーケティングの手法も時代ごとに変わっています。平成の時代に感じていた印象深いエピソードはありますか。

BVLGARI/Yさん:ブランドに絶対的な信頼を寄せてくださるお客様が多くいらっしゃいましたね。まずこちらが1番お勧めする商品を買っていかれ、翌日に2番目にお勧めした商品を買いに来られる方もおられました。お店に行って買い物をすることを、とても楽しむ方が多かった印象です。また、お若い方もたくさんお買い物されていた印象があります。

ー バブルの時代にはそういう方も多かったんですね。令和だからこそのお客様の考え方、購買行動に関してはどうでしょうか。

HUBLOT/Nさん:比較的カジュアルなファッションでご来店されるお客様が増えています。また「このシリーズのモデルを着けてみたい」と、事前にリサーチしてからご来店され、ブティックでファッションとの組み合わせや色味を検討する方が多い印象です。

― 決め打ちでの来店ですと、追加のご購入や別の商品への展開は難しそうですね。

BVLGARI/Yさん:お若い方もサービスに対して厳しい目を持っておられます。販売員とお客様がより良い関係性を築くには、接客のレベルを上げていく必要がありますね。

ZENITH/Iさん:来店して品番を指定される方も多いです。全体的にお客様の数は減少し、財布の紐も固くなっていますが、一方で本当に欲しいものへのお金は惜しまず出されるようになっていると思います。

ー 少し前からインバウンドによる「爆買い」がニュースになっていますね。この点についてはいかがですか。

HUBLOT/Nさん :最近は円安の影響が大きいこともあり、高額の時計を複数お求めいただくお客様は、圧倒的に海外の方が多いです。お買い物の勢いが全然違うなと肌で感じます。

BVLGARI/Yさん:面白いのは、中国の「みんなが持っているものを買う」という文化。女優さんやモデルさんと同じものを買うことが、自己表現であり、ステータスであるという価値観です。人気のブランドがめまぐるしく変わっていくことも特徴です。

ZENITH/Iさん:来日前からメールで商談が始まることも多いです。また、中国の方が日本で買い物をされるのは、日本の商品に対する高い信頼性もあります。同じブランドでも日本で買えば間違いなく本物で、検品やラッピングもきちんとされるからだとお客様から伺ったことがあります。

お客様一人ひとりに丁寧に向き合い、信頼関係を構築する

ー 平成の時代の接客テクニックを教えていただけますか

ZENITH/Iさん:その商品の人気度合いを気にされるお客様が多かったため、掲載雑誌などをご覧いただくことで購買につながりました。また強いロイヤリティーを活かし、お客様のお好みの商品を集めてご案内することでご購入いただけるパターンも多かったですね。

BVLGARI/Yさん:この時代は、主に電話でお客様にご連絡をしていました。また、季節のお便りやイベントごとのお誘いなどは筆でお手紙を書いており、喜ばれましたね。今でもたまに、手紙が欲しいというお客様がいらっしゃいます。

お客様一人ひとりに対して時間をかけていましたので、お互いの共通点を見つけたり、商品以外の話をしたりすることもできました。それが信頼関係に繋がっていたと思います。何十年経った今も顧客でいてくださる方がいます。

HUBLOT/Nさん:確かに、今も長くお付き合いいただいているお客様は「顔を見に来たよ」とふらっと立ち寄られます。そのような関係性ができているのは、これまでのお客様との歴史が厚い信頼関係を築いてきたからでしょうね。

ー では、今の時代だからこそのテクニックはありますか。

ZENITH/Iさん:「ZENITH」では、お客様情報を専用アプリに入力しており、それを元にお客様のお好みであろう商品の情報解禁日の前に「〇日ぐらいにお店に来られませんか?」と連絡をしています。ティザーを活用しスペシャル感を演出しているのです。また、インバウンドのお客様を「たまたま海外に住んでらっしゃるお客様」と捉え、日本のお客様と同じようにクライアンテリングをするようにしています。

BVLGARI/Yさん:今はLINEやメッセージなどを通して、画像付きで最新情報をお客様にお届けすることができます。「BVLGARI」では、「あの時おっしゃっていた○○、その後どうされました?」など、お客様と会話した内容を必ず入れるように徹底しています。内容がパーソナライズされているものであれば、多くのお客様は返信くださいます。

また、返信がないことはお客様に悪気がある訳ではなく、単に返信する内容ではないからだと思います。そこからアポを取り継いで来店の際にさらに関係性を深めるということは、今の時代だからこそできる販売手法です。

ー 手軽な手段だからこそ、ひとりひとりのお客様にカスタマイズすることで思いを伝えられますね。

HUBLOT/Nさん:私もお客様にご連絡する際は、パーソナライズされたそのお客様のためだけの言葉を心がけています。お好みのご連絡方法、例えばLINEなど、今は数多くある連絡方法からお客様にご返信いただけるものを選んでいます。

また、ご来店の際は早いタイミングでお席にご案内し、HUBLOTオリジナルウォーターをご用意しています。ブランドの世界観を楽しんでいただき、ゆっくりとお寛ぎいただけるよう心がけています。お客様の緊張が解けお話が弾むことで、次のご来店のお約束をいただける信頼関係が築けると思います。

ー 最後に、Watch & Jewelryの業界に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。

ZENITH/Iさん:時代ごとにお客様の購買の仕方が変わり、それに応じてテクニックが変わってきています。しかし、お客様と私たちの信頼関係の構築が必要だというベースの部分は変わりはないと思います。もしお客様が自分の友人だったらどのように商品を勧めるだろうか、と考え、ぜひ新しい形のクライアントアドバイザーを目指していけたらいいなと思います。

BVLGARI/Yさん:時計や宝飾は生活必需品ではありませんので、そこに投資する方はご自身をより高めたいなど、何かしらの意味があって購入されています。購入の最終判断は、もちろん商品の魅力もありますが「あなたが言うならこれにしようかな」と私たちを信頼してくださることも多いのです。そのため、自分のファンを作り、自分に会いに来店してくれるお客様を1人でも増やすことが重要です。

HUBLOT/Nさん:私も、お客様はスタッフを信頼してくださっていると感じます。マニュアルに沿った接客ではなく、自分のパーソナリティを発揮して真摯に向き合えば、徐々にお客様を獲得することができると思います。ブランドにはそれぞれにストーリーがありますので、ぜひ自分らしさが発揮できるブランドで活躍いただきたいですね。


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求人ページ:LVMH Watch & JewelryBVLGARI

文:梅原ひかる

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市場でも最もダイナミックなブランドに数えられる、LVMHウォッチ & ジュエリー事業のメゾンは、
高級時計およびジュエリー & ハイジュエリーの2つのセグメントで事業を展開しています。
卓越と創造、革新の追求こそ、この事業分野におけるメゾンの原動力です。