【連載Vol.6】採用力を高めるSNS活用術!ショート動画で実現する効果的なブランディング戦略 NEW
ここ数年、HR・採用市場で浸透しつつある採用ブランディングや採用マーケティング。企業の採用活動における手法・施策として定着しつつある一方で、SNSを活用した採用コミュニケーションについては、まだ手探りの企業が多いのが現状だ。
そこで本連載では「これから採用ブランディングや採用マーケティングを実践したい」「成功させるためのヒントを得たい」と考えるブランド企業のHR・採用ご担当者に向けてNESTBOWLの採用プロデューサーである山根康介さんがわかりやすく解説。第6回目となる今回は、「SNSの効果的な活用方法」についてご紹介する。
(過去記事はこちら→Vol.1、Vol.2、Vol.3、Vol.4、Vol.5)
前回までのポイント
①採用ブランディングとは「働く場所としての自社」を求職者に印象づけるもの
②採用状況を見直し、採用活動の課題点を知る
③採用候補者の心理変容の現状を把握し、理想を描く
④採用活動の成果を、採用ポートフォリオ・採用CPAで客観的に見る
⑤採用活動では、採用ブランディング施策以外の外的要因・内的要因も大きく影響する
⑥あらゆる採用活動において指針となるのが、採用ブランドコンセプトである
⑦採用ブランディング施策は、採用ブランドコンセプトに基づいて行う
採用活動におけるSNS活用が必須の時代に
「採用活動にSNSは必要なのか」以前はそんな疑問の声も多く聞かれましたが、最新の調査結果を見る限り、その答えは明確です。
近年、ソーシャルメディアを活用した就職活動が当たり前となっており、就職・転職活動中のSNS活用率は約80%というデータも出ています。また企業側もSNSの効果を感じており、株式会社Suneightの調査では企業の8割以上が「SNS(TikTok)での採用活動に手応えを感じている」と回答しました。
SNSを活用した採用活動が効果的な理由のひとつは、求職者の「すきま時間」へのタッチポイントを増やした点です。
一般的な社会人は、企業の採用情報に触れる機会、パソコンを開いて情報収集をする時間は、仕事帰りに限られています。しかし、SNSを活用することで、通勤時間や昼休み、帰宅後のくつろぎ時間など、スマートフォンを使用する「すきま時間」にも、求職者とのコミュニケーションが可能になったのです。
従来の採用手法では難しかった「接点づくり」の可能性が、大きく広がったということです。
SNSの特性を活かした効果的な使い分け
では具体的に、どのSNSをどのように活用すれば効果的なのでしょうか。採用活動における各SNSの役割は、求職者の「認知」から「応募」までの段階によって使い分けることができます。
重要なのは、最初の入り口に位置するTikTokとInstagramです。特にTikTokは企業の動画コンテンツと出会う、最初の接点として最適なプラットフォームです。一方、Instagramは企業のファンを育てていく場として機能します。Instagram上でコミュニケーションを図りつつ、さらに深い理解を促すためのYouTube中長編の動画コンテンツを提供。最後に、継続的なコミュニケーションツールとしてのLINEへの登録を促し、タイミングの合った時期で の応募につなげます。
こうすることで、SNSを通じて認知から応募までの動線を作ることが可能になります。
なお、Xの活用については慎重な検討が必要です。企業アカウントとして成果を出すには専門家の知見を含めた長期的な運用が必要となります。またXの特性上、企業アカウントよりも発信する社員(個人)にファンがつき、応募検討に至るというようなプロセスを踏むケースが多いです。
上記のため採用活動においては、即効性が高いショート動画の活用から始めることをおすすめします。
効果的なショート動画制作のポイント
採用活動におけるショート動画を制作するにあたり、いくつかの重要なポイントがあります。
- 動画のクオリティは「ややカジュアル」を目指す
- 高品質すぎる動画はかえって求職者との心理的な距離を生み、あまりにも手ブレが目立つような素人っぽい動画は、企業のブランドイメージを損なってしまう
- 見られる動画の基本ルールを押さえる
- 動画の長さは2分以内(理想は30秒~2分)
- 1本の動画では1つのテーマに絞る
- 冒頭2秒で視聴者の興味を引く
- 企業の実態に即した自然な表現を心がける
こうしたポイントを押さえた事例として、NESTBOWLが採用ブランディング施策を行っているクライアントの「On」のショート動画が挙げられます。
※「On」の採用特設ページはこちら。
ショート動画の企画例
では具体的に、どのような企画が効果的なのでしょうか。以下に代表的な例をご紹介します。
■社員の1日
出社から退社までの様子を切り取った動画です。朝の出社風景、デスクワークの様子、チームでのミーティング、ランチタイム、そして退社時の表情まで。等身大の社員の姿を通して、職場の雰囲気を自然に伝えることができます。
■社員インタビュー
「入社してよかった瞬間は?」「この仕事のやりがいは?」といった、求職者が知りたい情報を、現場の声として届けます。ポイントは質問を1つに絞ること。視聴者が求める情報を、簡潔にわかりやすく提供することで、高い共感を得ることができます。
ここまでSNSを活用した採用活動の具体的な手法について述べてきました。
まとめ
すべき事をまとめると、大きく3つあります。
1.各SNSの特性を理解し、求職者の行動段階に応じて適切に使い分ける
2.早めに効果を出すなら、ショート動画がおすすめ
3.ショート動画は「クオリティのバランス」や「見られる動画の基本ルール」を意識する
まずは各SNSの特性と役割をしっかりと把握し、求職者の行動段階に合わせて段階的に活用していくことで、採用活動の効果を最大限に高めることができるでしょう。そして、どの採用コンテンツからスタートすればいいかわからない場合は、ぜひショート動画から試してみることをおすすめします。
NESTBOWLでは、ブランドを運営している企業様向けに、採用ブランディングに関するコンサルティングサービスを行っております。採用ブランディングを実施したいが何からはじめて良いのかわからない、今後採用ブランディングを強化していきたいなど、ご興味ある企業様はこちらまでお問い合わせください。